幌は閉めたままの状態で都内を出発。3.6リッターV6エンジン+6速ATの出来を試しながら、銀座から首都高に乗る。
街中での乗り心地はいたって快適。路面からの凹凸をいなしながら、ボディもキシみ音ひとつ発せず、何事もなく粛々と走っていく。特に室内の静粛性は高く、あえてオープンに乗ろうと思っているオーナーなら、まったく問題にならないレベル。そのまま首都高に乗りスピードを上げても乗り味はまったく変わらない。
エンジンは327psを発生させるV6だが、一般道を一般的な速度で走っている限りまったくもって過不足ない。渋谷を越えて用賀を通過。そろそろ東名に向けて一段とスピードアップ。コンバーチブルに長時間乗るのは初めてだったが十分にパワフルかつスポーティであり、「V6だから」という自虐的な発言はもういらないな~と再認識。川崎料金所まで右車線キープの2●●キロ走行もお手の物といった感じだった。
そのまま東名に乗り御殿場まで。そしてターンパイクに向かいカマロのコーナリングを試す。と同時に幌を開けてオープンに。今やスイッチを押せば20秒弱で開閉可能というが、実際に操作すると非常に簡単だった。しかも頭上が一気に明るくなり、雰囲気が激変する。走ればV6サウンドはダイレクトに響き、マシンを動かしている実感に包まれる。まるで一回り小さいスポーツカーのように。
2015年モデルは、フロント周りでバンパーの開口部&ボンネットのエアスクープが変更され、よりダイナミックでシャープな印象を受けるようになった。個人的には実物を見るまで不安を感じていたが、フロントマスクはより攻撃的になり好感。ただし、リアに関してはどうにもコメントしようがない…。
シルバーボディとブラックの幌の組み合わせが大人っぽい。その他ホッケスティックラインやラリーストライプは是非入れたいところ。何もないと、意外にも間延びしたように見えるから。
リアに関しては旧型のデザインが好ましいと、今だに思っている。なぜ変えたのか。変えたとしても、このデザインは? 唯一不満と言えば、このリアテールくらいなのだが。
ボタン操作一つでコンバーチブルに。その間20秒弱。幌を閉めての静粛性は高く、開けたら別世界が楽しめる。
ターンパイクでのカマロの走りは劇的だった。特にコーナリングの安定感は抜群である。もともと上級モデルとしてV8モデルが存在するだけあって、327psは必要にして十分なパワーだが、カマロ自体にはまだまだぜんぜん余裕があり、特に足回りの余裕はターンパイクのかなり唐突なコーナーでもいかんなく発揮された。
勢いよくコーナーに突っ込みフルブレーキングで前荷重、と同時にステアリングを切ってリアを流そうとしてもリアは流れず…。何度かトライしたが少なくとも一般的なドライバーのちょっとした無理はクルマ自体が勝手に消化してくれる。
だからこそ、俄然楽しくなり、頂上までの30分くらいのドライブで十分に一汗かけるくらいハードコーナリングが楽しめた。しかも青天井のもと、風を感じながら。
カマロは、あくまでコンバーチブルだから品良く乗りたいものだが、時には気分転換にユーノスロードスターのようなスポーティな走りが楽しめるから素晴らしい。作りの素性がいいだけに硬軟どちらの走りにも対応できるのだろう。
あくまでも個人的な意見だが、カマロのディーラー車買うならだからこそコンバーチブルがいいと思う。あえてV8クーペを選ばずにコンバーチブルである。カマロの場合ディーラー車なら、コンバーチブルはV6エンジン搭載車のみ。だがあえてコンバーチブルがオススメであると主張したいのである。
例えば並行車であるチャージャーやチャレンジャー、その他マスタング等と比べても、コーナリングスピードや安定性は抜群に高い。しかもモデル末期となっている今においても。さすがGM。余談だが、C7コルベットはもっと凄いから驚く。
この時期のオープンカーは最高である。ちょっと肌寒かもしれないが、エアコンで足元を調整すれば全然平気だし。ダイレクトに季節感が感じられるから抜群に気持ちいい。しかもそのまま都内まで走ってこれるし、何一つ不自由がない。
試乗して確信したが、もうそろそろ妄信的なV8呪縛から解き放たれても良いのではないだろうか。そのためにも「屋根開き」という付加価値が必要であり、コンバーチブルならこの先のモデルチェンジやパワーアップを気にせず10年、いや20年所有しても飽きがこないはず(V6クーペももちろん良いのだが、正直今ひとつパンチに欠ける感じがするし…)。
それに幌スタイルは断然スタイリッシュだ。「アメリカンマッスル」という強烈な個性は半減するが、コンバーチブルにはベンツやBMWにも対抗できる高級車的車格が伴っている(銀座の並木通りに駐車しても違和感ない風格が備わっているわけで)。ただしその場合、ボディカラーが非常に重要になるのはいわずもがなだが…。
余談だが、個人的にはV8に乗るならMTが良いと思っている。特にカマロの場合はボディの作りや走りが断然素晴らしいだけに、V8乗るなら是非MTでと。それこそ本国にはZL1やZ28、普通のV8にも1LEといったマニアックな走り系モデルがウジャウジャあるだけに、V8に乗るならそういった個性派モデルに乗るのが逆に得策と考えている(あくまで超個人的な好みの話だが)。
だからこそD車買うならコンバーチブルである。
ただ、ノーマルのままだとちょ~っと寂しいので(とはいえやり過ぎは禁物)、オプションのホッケースティックラインやラリーストライプ(ともにブラックで)は入れてみたい。で、できればアメ鍛最高峰ホイールのHREのブラック系が入れられればサイコー。個人的には白黒のボディカラーでは在り来りなので、ここは大人っぽくシルバーのボディカラーがよろしいかと。
今やアメリカ製のオープンは非常に良くできているから、ネガティブな要素を考える必要がまったくない。幌を閉めた状態と開けた状態とで二度楽しめるわけだから、逆に美味しいわけで。しかも本場のオープンである。一年中オープンにできるような国が作った手馴れたオープンカーだけにシルエットは美しく、それでいて電動開閉といった操作性や幌の質感は日本車やその他外車と同等レベルを保っている。それに走りはお墨付き。都内夜の中央通りをオープンで走れば最高に気持ちイイし。
カマロのオープンカーに大人っぽく乗る。それは、アメ車の存在価値をワンランク引き上げることにも繋がるのである。
搭載されるエンジンは3.6リッターV6。327ps/6800rpmのパワーと38.4kg-m/4800rpmの最大トルクを発生させる。あえてV8を考えなければ、このエンジンでも十分にパワフルであり、街中でのATとのマッチングも良く、必要に応じたパワー&トルクが瞬時に得られる。
独立したスピードメーターやタコメーター、センターコンソール下にあるアナログデザインの4連メーター等がカマロ特有のデザインとして、いい味を醸し出している。高級車的な質感まではいかずとも、カマロに適したインテリア全体の質感は有している。
全長×全幅×全高:4840×1915×1395mm
ホイールベース:2855mm
車両重量:1840kg
駆動方式:FR
エンジン種類:V6 DOHC
総排気量:3562cc
最高出力:327ps/6800rpm
最大トルク:38.4kg-m/4800rpm
トランスミッション:6速AT(ステアリングタップシフト付)
燃料:無鉛レギュラーガソリン
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