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試乗記 TEST RIDE 2020 ジープレネゲード 4xe リミテッドジープの未来を表す電動化モデル第一弾

2020 ジープレネゲード 4xe リミテッド

ガソリンエンジンと電気モーターを知的に使い分ける楽しさ

登場した時から興味津々だったレネゲード4xeに初めて試乗した。

更新日:2021.07.14文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力

ジープ西東京
TEL 042-460-6633 [ホームページ]

我々が想像する日本製PHVとは異なる

 ちょうど一か月前にレネゲードのリミテッドに乗っていたから、4xe リミテッドに乗る機会を得て、「その差が明確になる」と思っていた。

 が、実際に乗ってみて確かに違いは明確になったものの、「比べる存在ではない」、というのが個人的な感想であり、もう少し具体的に言えば、「全くの別物」と言いたいくらい差がはっきりしていた。

 4xeとは、プラグインハイブリッドモデル(PHV)であり、2基の電気モーターと11.4kWhのリチウムイオンバッテリー、それにガソリンエンジンを組み合わせたものである。

 とはいえ、我々日本人がPHVと言って真っ先に思い浮かべるトヨタプリウスのような搭載エンジンがバッテリーを充電することはない。

 簡単に説明すると、エンジンとモーターがそれぞれ単体で駆動しており(もちろん連動もする)、モーター自体のバッテリー残量がなくなれば、エンジンのみの走行になる(減速および制動による回生ブレーキで若干充電されるらしいが)。

 で、そのバッテリー自体のフル充電での走行距離が約48キロである。
2020年型4xeリミテッド。走行約2000キロの認定中古車。価格は439万6000円。家庭用充電設備が必要になるが、ジープブランドの電動化第一弾として非常に魅力的な存在。
ボディ自体の変化はほぼないが、車重が300キロ程度重くなっている。が、走行性能自体は逆に重厚感のある落ち着いた走りに変化している。
搭載エンジンは1.3リッター直4ターボエンジンで131psを発生させる。それに電気モーターによる60psが加えられるからマックス191psになる。
4xe専用のフルカラー7インチマルチビューディスプレイとコンソール上の8.4インチタッチパネルモニターの違いが一目瞭然。質感も高く、満足度も高い。
組み合わされるミッションは6速ATであり、ベースとなるレネゲードの6速DCTとは変化がつけられている。

家庭用の充電設備を設置する必要あり

 だから、自宅に家庭用の充電設備を設置する必要があり、設置のための費用が別途必要になる(地区により価格が異なるが8万円程度だった方がいたらしい)。

 さらに充電に関して言えば、日本の急速充電には対応しておらず、6kWの充電器で約2時間、3kWの充電器では4時間超かかる。

 ちなみに、搭載エンジンが1.3リッター直4ターボエンジンであり131psを発生させ、それに電気モーターによって60psが加えられるから合計191psになる。

 という前提をもって4xe リミテッドに試乗である。

 まず最初に、上記の前提を知った時点での感想としては、「家庭用充電の設置が面倒かな」。さらに「フル充電で約50キロ。しかも4時間超か」というもの。
3つのモードを駆使した走りは楽しく興味深いの一言。知的ゲームのように使い分ける楽しさもあり、何より走りそのものが重厚感たっぷりの落ち着いた感じがドライバーを魅了する。

無音のレネゲード

 ただし、こう言ったPHVにおける欧米各メーカーの販売車を見ると、約50キロ程度というのは一般的な数値であり(ジャガー等)、トヨタプリウスとは明確な線引きがされているのがよくわかる。

 ちなみに、余談であるが、すでに発表されているラングラー4xeがあるが、こちらも約60キロ程度の距離数を示している。

 ということで、PHV=トヨタプリウスという概念を捨て、改めて何ら偏見を持たずに試乗した。

 まず、ハイブリッドのシステムであるが、モーターのみで走行する「エレクトリック」、エンジンとモーターを自動的に使い分ける「ハイブリッド」、バッテリー消費を抑えるためにエンジンを多用する「Eセーブ」の3つのモードから選択できる。

 要するに、上記約48キロ分の充電残量をモードによって使い分けることが可能であるということ。で、個人的に興味深かったのが、モーターのみで走行する「エレクトリック」。あえて充電残量を減らす目的で、最初からモーターのみで走ってみた。のちハイブリッドでも走ったが、かなりの俊足だった。
ベースのレネゲードに2基の電気モーターを追加。その内の1基をリアアクスルに配置することで、前輪はガソリンエンジン、後輪は電気モーターで駆動する4WDとなっている。
4xe専用のフルカラー7インチマルチビューディスプレイがジープの電動化と未来の姿を表現している。未来感たっぷりのデザインもいい。
4xeはベースモデルに対して300キロ近く重くなっている。が、その負荷を支えるべくサス設定やタイヤサイズは変更されている。それでいて乗り心地においてはネガティブな影響は出ていない。
電動化による荷室スペースの減少を想像するかもしれないが、4xeではバッテリーをリアシート下に置くことで、荷室スペースを犠牲にすることなく対応している。
基本的な構造は変わっていないから、室内空間や居住性はオリジナルと変わらず快適そのもの。
リアシートの居住性に関しても同様。サイズ感以上の広さを感じる。
バッテリー自体のフル充電での走行距離が約48キロ。またエンジンと電動モーター両者のパワー発揮で191psだから、なかなかの俊足になる。

過去に感じたレネゲードとはまったく違う走り

 とその前に、まず乗った瞬間から各部の違いが明確であり変化&進化に感心する。4xe専用のフルカラー7インチマルチビューディスプレイとコンソール上の8.4インチタッチパネルモニターの違いが一目瞭然。

 また、ボディ各所に使用されているブルーのカラーリングが新鮮だった。そしてシフトノブ付近に散りばめられた各種ハイテク機構のボタン類。さらに無音で走りだすレネゲード4xeは、たった10分程度で筆者を心変わりさせた。「楽しい」。

 もともとレネゲードには興味があり、魅力的な小型SUVではあったのだが、その反面、細かいクセというか粗というか、あくまで個人的嗜好によるものだが、そう言った要素がほんの少しだがあったのだ。

 だが、この4xeにはそう言った粗がまったくない。例えば、それはATが6速DCTから6速ATに変化しているからかもしれないし、例えば、4xeになったことで車重が300キロ程度重くなっているのだが、逆に重厚感が増し、非常に落ち着きのある走りが得られたからかもしれない。ブレーキもしっくりくるし、じわじわ効かすことも可能であった。

 とにかく、過去に感じたレネゲードとはまったく違う走りの性能や雰囲気をもたらしており、比較して乗れば必ずや4xeを好むに違いないと思わせるほどだった(だからその分価格が高い)。

 これまた余談だが、筆者のクルマ使用に関して言えば、娘の駅までの送迎(往復5キロ)、近所の買い物(往復7キロ前後)、週末の遠出の買い物(往復40キロ)、そして片道11キロ程度の会社の往復といったもの。

ジープの未来を表す電動化モデル第一弾

 よくよく考えれば、こうした筆者のような使い方においては、4xeの充電残量で十分に賄える距離数である。そして月に一度あるかないかの長距離移動時には、普通にガソリンエンジンを使用すれば良いわけであり、そうした使い分けで楽しめるのが4xeということになるのだろう。

 正直、筆者も当初は否定的な目で4xeを見ていた。だが、実際に乗ってみると、走りはいいし、モーター単独での走りも興味深いし、また実際にオーナーになれば、使用内容にて知的に使い分けることで走る楽しみが増えるような気もするしで、かなり面白いと思ってしまった。

 もちろん、4xeに乗るには初期投資が必要になり、家庭用の充電設備の設置が必要になるが、はなから4xeに興味を持っている方なら、車体費用を考慮した上で興味を持つはずだから、そうしたものが買える方ならプラス約10万円前後の充電設備設置の費用に関しても飲み込めてしまうだろう。

 最後に。ここ最近、ことあるごとに触れている2030年問題。まだまだ未定の部分が多く、どうなるかは未知数なのだが、現時点で説明すれば「2030年以降、電気自動車、もしくは電動のアシストが入るガソリンおよびディーゼルエンジンのハイブリッド車、水素などを使って発電しモーターを駆動する自動車以外の新車販売ができない」というもの。

 要するに、「純粋なガソリン&ディーゼルエンジンの新車の販売ができなくなる」ということ(繰り返すが現時点での話。年月が後ろにずれる可能性も否定できない)。

 2030年に本当に実施されれば、現在のジープラインナップの中では、ジープレネゲード4xe以外の新車販売ができなくなるわけである。=今後ジープブランドでもこうしたPHVおよびEVモデルが誕生していくはずである(ラングラー4xeの登場もその一環だろう)。

 ということで、レネゲード4xeは、この先訪れるであろう新たな時代に対応した先駆モデルであり、ジープの未来を表している目新しい存在とも言えるのである。
自宅に家庭用の充電設備を設置する必要があり、設置のための費用が別途必要になる。
充電に関しては、日本の急速充電には対応しておらず、6kWの充電器で約2時間、3kWの充電器では4時間超かかる。が、上記全てをクリアすれば、かなり興味深いジープの電動化第一弾モデルが味わえる。
個人的には、ガソリン&モーターのフルパワーというよりは、無音の走行に興味があり、日常的な使い方を想像しながら走ってみた。実際の走りは非常に優秀であり、無音のジープにも相当の面白さを感じたのである。

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