オレンジとブラックに彩られた派手なダッジバンが止まっている。その奥にはバーのような洒落た建物が。その名も『jack the ripper』。直訳すると「切り裂きジャック」
実はバーバーショップである(笑)。理髪店としてはなんともシャレの効いた店名であるが、中に入ると理髪店とは思えぬ、まるで異空間にタイムスリップしたかのごとき雰囲気が味わえる。
頭では「理髪店」とは理解しているものの、そこに設えられている一つ一つのビンテージ機材や各種パーツの調和が見事合わさりあってモーターハウス的な空間を感じることもできる。
というのも、わきに30年代のフォードタイプBが止まっており、しかもバリバリのカスタマイズが施されたマシン風情を醸し出しているから。
くわえて理容師の道具を置くワゴンには自動車工具用のワゴンを使い、またそのわきに立ち施術を行うマスターはエンジニアコートを羽織っているのだから、勘違いするのも無理はないだろう。
というか、ここまでトータルコーディネートされた理髪店も珍しいのではないか。
聞けば「バイクを店内に置いた理髪店は存在するのですが、クルマとなると弊社が初めてだと思います」
店内に飾られているタイプBには5リッターを超えるV8が搭載されており、ボディ全体を通してフルでレストアされているから(希望があれば)エンジンをかけることも可能である。
しかも店をイメージし、そこに似合うであろう車両をアメリカで探しベルエアーを通じて日本に輸入したというのだから相当に手が込んでいる。
なんと店舗自体を一年半かけて建てたというのだから、そのこだわりは半端ではない。
「建物自体はそこそこの年月で建つのですが、内外装に使用している調度品を世界中から輸入し、また日本国内でレストアしたりしてセットしたのでそれらの時間を含めるとそのくらいです」
例えばレジカウンターの前にはイギリスの郵便局で使用されていたアンティークのウインドーが用意され、そこで実際に使用されるレジもアンティークのレジである。ちなみに今の時代らしからぬ現金主義という(笑)
また老舗USAバーバーポールメーカー『William Marvy Company』のレストアポールを使用したり、ビンテージの椅子も日本にてレザーを張り替えたりして使用している等とにかく全てにおいてこだわりが貫かれている。
同時に調度品のみならず、店内デザインにもその意志は貫かれ、特に面白かったのが店内の配線を全て水道管で覆い配管として見せているところ。
「古い時代の映画で見たイメージや好きなアメ車の雰囲気、そうした物たちが同居した特別の空間を作りたかったのです」
一年半をかけ建てた店舗に世界中から集められたビンテージ品を備え、そしてそれらを調合するためのデザインを各部に配したバーバーショップ・『jack the ripper』に行き施術を受ければ、身だしなみが整うばかりではなく男としての五感が刺激され、精神的にも満たされること間違いないのである。
『jack the ripper』
・千葉県袖ケ浦市袖ヶ浦駅前1-27-23
・090-1298-7310(予約番号)
330,000円
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