TEST RIDE

[試乗記]

SRXクロスオーバーの後継モデルとしてネーミングも改訂

キャデラック XT5 (CADILLAC XT5)

12年ぶりのフルモデルチェンジによって大幅刷新

大幅刷新となったキャデラックXT5は、新キャデラックSUV像を味わわせてくれた。

更新日:2016.04.11

文/T.NAKAJIMA 写真/ゼネラル・モーターズ

フルモデルチェンジで大幅刷新

 キャデラックXT5とは、これまで12年間生産され続けてきたキャデラックSRXクロスオーバーの後継モデルであり、キャデラックのモデルネーム再構築によりフルモデルチェンジとともにXT5へと改名されている。

 ということでXT5は、XTシリーズ最初のモデルとして非常に完成度の高いクロスオーバーSUVとして生まれ変わっているのである。

 スタイリングは、キャデラックエスカレードのような縦系ヘッドライトに大型グリルを構えた固有のもの。ボディラインは鋭角を基調とするライン構成であり、サイドラインやリアテールに至るデザインが最新のキャデラックデザインを象徴している。

 なかでも非常に興味深いのが、新たなプラットフォーム。SRXに比べ全体的に7インチ長くなっているにもかかわらず、SRX比で126kgの軽量化を果たし、たとえばそれは同セグメントのアウディQ5よりも45kg軽く、メルセデスベンツGLEよりも295kg軽いという。もちろん、最新の超高剛性ボディと安全基準を備えた上である。

巨大なグリルと縦型ヘッドライトがXT5の特徴であり、鋭角を基調とするボディラインと融合し、見事最新キャデラックデザインを表現している。

サイドラインやリアテールに至るデザインも最新のキャデラックデザインを象徴している。なお、旧モデル比では全長のみ長くなっており、それはほとんとリアの後席スペースに使われている。

リアゲートには、リアバンパーの下に足を出すことで自動的にゲートが開く装備がついている。

北米モデルは3.6リッターV6のみ

 一方リアにはスポイラーが装備され、18~20インチタイヤを備えるサスペンションを有し、ラグジュアリーかつスポーティテイストを満たす最新SUVとして登場している。

 インテリアの世界観は、まさにキャデラックエスカレードを連想させるほど洗練されている。エスカレード同様現代的なエレガンスとクラフトマンシップに基づいたそれであり、アルミ素材やカーボン素材、ウッド素材と各素材を上手く調和することで独自の世界観を構築。また、このクラスでは初のプラチナムエディションも用意される。

 安全装備に関しても、これまで通り世界最高峰の水準での装備がもたらされ、自動ブレーキ等が加えられたパッケージが新たに追加されるなど、充実した装備に抜かりはない。

 XT5には、2種類のエンジンが用意され、3.6リッターV6は新設計のDOHC 24バルブの直噴エンジンであり、気筒休止やアイドリングストップ機能、可変バルブタイミング採用で314hp、最大トルク270lb-ftを発生させるが、中国市場には、2リッター直4エンジンが導入される。

ウッドやレザー等がふんだんに用いられたインテリア。キャデラックらしいエレガンスさはもとより、クラフトマンシップに基づいた工作精度も自慢の逸品。

メーターやステアリングの雰囲気は、他のキャデラック兄弟車と同じようなデザインになっている。なお、ステアリング裏にはパドルシフトが設置されている。

組み合わされるミッションは8速AT。シフトレバーは電子式となったから、直下に小物スペースが設けられるようになった。なお、パドルシフトを使うにはシフトレバーをマニュアルシフトモードに変える必要がある。

重量級SUVの感じが一切ない軽快感が特徴のニューキャデラックSUV。

軽量化による機敏な走行性能

 両車ともに8速ATが組み合わされ、緻密な制御と高燃費に貢献する。なお、オプションにはAWDシステムが用意され、全天候型の走破性を実現することも可能という。

 以上がXT5の概略であり、ひと通りおさらいしたところで試乗である。

 まず、気になるSRXクロスオーバーからの進化であるが、外寸の差はほとんど変化なく(全長が約20センチ長くなった)、だが車重で約130kg軽量になり、くわえてエンジンが3.6リッターのV6で314hpを発生させる。

 日本市場で発売されていたSRXクロスオーバーには3リッターV6の270hpエンジンが搭載されていたから、軽量化と搭載エンジンの違いだけで、まったく別のクルマ的な走りが可能になった。

 とくに止まるか止まらないかギリギリの状態からアクセルを踏んだときの反応は、一回り小さい車格のSUVが加速に移るかのごとき軽々としたものであり、その他ステアリングの反応等にも機敏さが与えられているから、重量級の鈍さは微塵も感じさせない。

 組み合わされるパドルシフト付き8速ATとのマッチングも絶妙であり、新たな3.6リッターV6+8速ATで旧モデル比15%の燃費改善というのもあながち嘘ではないだろうと思う(本国では2リッター直4エンジンが発売されないことへの異論もあるというが)。

 また、外寸は全長のみ長くなっており、それはほとんとリアの後席スペースに使われているから、簡単にまとめると、ほとんど大きさは変わらずに軽くなり、パワフルなエンジンが積まれる一方で居住スペースが広くなり快適性が格段に増しているということになる。

 この居住スペースは、とくにリアシートのアレンジの豊富さがウリであり、シート座面のスライドが可能。またシートは40:20:40分割可倒式で、すべて倒せばフルフラットな荷室が現れる。またリアゲートには、リアバンパーの下に足を出すことで自動的にゲートが開く装備がついている。

シートの質感や快適性、さらにホールド性等、かなり良好なのは言わずもがない。なによりドライバーからの視界がルーミーであり、すべてが運転のしやすさに繋がっているのだから素晴らしい。

コンソールには、小物入れの収納が豊富にあり、シガーソケットやUSB、携帯電話用のワイヤレス充電器も備わっているが、シフトゲート下にも効率的なスペースが設けられている。

ボディ全長が約20センチ長くなっているが、それはすべて後席スペースに与えられたと言っても過言ではない。しかもシートアレンジや背もたれ角度の調整等、快適性が格段に増している。

リア後席の居住性が格段に向上している

 足回りは、FFおよびAWDともに引き締まった印象が強く、とくにAWDの安定性はピカイチである。可変ダンピングシステム装備のショックやスタビライザーが装備されたことにより、前後左右への動きが制御され、コーナリング性能が飛躍的に高まっていることとキャデラックらしい乗り心地の良さを両立している点がいかにも最新モデルといえるだろう。くわえてブレーキ容量にも不満はなく、パドルシフトを駆使したアクティブな走りにも対応してくれるところが心強い。

 一方インテリアは、とにかくドライバーからの視界が良く、Aピラー横の三角窓も含め、運転のしやすさに驚いてしまう。

 また質感も高く、レザーで覆われた室内空間には、スエード素材やウッド、アルミ等も使用され、それらが組み合わされた独特の質感は、エスカレードにも通じるキャデラックワールドである。

 コンソールには、小物入れの収納が豊富にあり、シガーソケットやUSB、携帯電話用のワイヤレス充電器も備わっている。またCUEインフォテインメントシステムは、性能が向上しており日本でも馴染みになってきたApple CarPlayやアンドロイドにも対応しているという。

 これまでのキャデラックは、どちらかというと対ドイツ車をライバルとしたドイツ車迎撃モデルの登場に傾いていたが、このXT5は、キャデラック最新モデルとして独自の道を歩みだしたように思われる。

 とくに巨大なグリルの個性は突出しており全体的なデザインテイストも我が道を行く。なるほど、革新的な造形こそが新キャデラックSUVの真骨頂なのであろう。

リアの荷室はセグメントライバル以上のものを有するが、さらにシートアレンジよって一段と広々とした荷室空間を作り出すことが可能となる。

リアシートは40:20:40分割可倒式だから、部分的にシートを倒すことが可能である。

一方すべてのリアシートを倒せばフルフラットな荷室が現れる。

プラチナムの質感はエスカレードにも劣らない豪勢なもの。

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