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100万円台の中古車がベース

2002 フォードマスタング4.6GT改 (FORD MUSTANG 4.6GT SUPERCHARGER)

最新モデル以上に速くて楽しいマスタングを製作

中古車市場で見かけることが少なくなった5代目マスタングだが、最近になって一部でその魅力が再認識されている。2002年モデルをベースにカスタマイズされたマスタングGTを紹介しよう。

更新日:2016.12.08

文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力/Body Shop CARBOX  TEL 082-815-8448 [ホームページ] [詳細情報]

日本で大ヒットした5代目モデル

 現代の目で見ればお世辞にも高性能とは言えない5代目マスタングだが、アフターパーツの選択肢が多いのでカスタム&チューニングは自由自在。その気になれば最新のGT以上のパワーを与えることも可能である。

 それでいて車両本体価格+カスタム費用を合わせても、総額は現行2.3エコブーストの新車以下というのだからたまらない。 程度良好なベース車両を探すのは大変だが、価格の安いベースモデルを買って少しずつ手を入れて愛車の変化を楽しむ。これって、ポニーカーの本当の楽しみ方なのでは? ということで2002年型マスタングGTを取材した。

 7世代で50年以上という長い歴史を誇るフォードマスタングの中で、日本での発売台数が最も多かったのが1993~2005年に生産された5代目である。

 5代目マスタングが売れに売れた一番の要因は、間違いなく価格の安さにあったと思う。94年に日本で発売が開始された際の正規輸入車の車両本体価格は、最も安価なGクーペ(3.8LV6 4AT)が259万9000円。最も高価なGTコンバーチブル(5L V8 4AT)でさえ420万4000円だった。

 フォードの正規輸入車としては最後のモデルとなった7代目マスタングのエコブースト(2.3L直4ターボ 6AT)が465万円だったことを考えれば、5代目の価格設定がいかに安かったかがお分かりになるだろう。

 爆安と言っても過言ではないほど安価な価格設定でありながら、いかにもアメリカン・スペシャルティカーといった趣のボディスタイルと、当時の和製スポーツカーとは一線を画する大排気量のV6&V8ユニットを搭載した5代目マスタングのコストパフォーマンスの高さは、歴代マスタングでも随一と言っても過言ではないし、日本で大ヒットしたのも当然と言える。

ベースは正規ディーラー車で、14年落ちながら程度極上のフルノーマル。車両価格は約100万円。コブラ用のフロントバンパーとワンオフスプリッターが雰囲気を激変させている。

今や新車価格500万円台以上というのがザラになってしまったアメ車業界の売り物たち。本来、こういった安価の車両のカスタマイズで楽しむというのもアメ車の楽しみのひとつだったはず。

このマスタングは、そういったアメ車の楽しみ方を再度思い出せせてくれる。

チューニングベース車として面白い

 もっとも、新車時に大きなセールスポイントとなった価格の安さは、中古車になった際には逆にマイナスに働いてしまう。一時期は投げ売りと言っても過言ではないような安価なプライスを付けた中古車が数多く出回っていた5代目も、現在の日本の中古車市場にではほとんど見かけることがなくなってしまった。

 そんな5代目マスタングをベースに製作されたのが、ここで紹介するカーボックスのデモカーなのだが、この車両、ベース車両(2002年型GTクーペ/フルノーマルで走行4.5万kmの正規輸入車)の車両本体価格+パーツ代+工賃の総額が約350万円で収まるというから驚きである。

 現行7代目マスタングのV8モデルを購入しようとすれば、新車であれば軽く600万円以上。中古車でも500万円は楽に超えてしまう。

 もちろん最新モデルであれば、ノーマルのままでも性能的には文句なしだし、快適装備や安全性といった要素もしっかりしている。しかし、現行モデルや先代モデルを買う金額があれば、5代目の安価な中古車をベースに、現行モデルにも引けを取らない魅力的なチューンドカーを製作することも可能だということは、憶えておいて損はないだろう。

 なお、カスタマイズは多岐にわたるが、一番大きく変わったのがエンジンパワーであり、プロチャージャー製のスーパーチャージャーキット装着で約100psアップしているというから、その差は歴然。

 ギラギラしたV8サウンドを奏でるチューンドマスタングに変貌し、足回りを固めたことによってより気持ちよく走ることが可能になっている。くわえて、武装された硬派なスタイリングが、旧マスタングを一段と輝かせて見せるのである。

カーボックスはその名の通り元々は板金塗装をメインとするボディショップからスタートしているので、エアロの装着や車体整備といったボディワークはお手の物。

ノーマルの4.6L V8 SOHCエンジンの最高出力は264psだが、現在は約100psアップの350ps前後を発揮しているとのこと。スーパーチャージャーをセットしたのが効いている。

エクステリアの仕上げも美しく、ブラック&レッドのコーディネートがアメ車らしさを募らせる。

<カスタムポイント>
※ベースは正規ディーラー車で、14年落ちながら程度極上のフルノーマル。車両価格は約100万円。
・USヘッドライト
・ヘッドライト、テール、フォグ等フルLED化
・サイドマーカー小型化LED
・コブラ用フロントバンパー
・ワンオフフロントスプリッター
・APR25㎝ロッド
・ワンオフフロントリップアンダーエアロ
・ラルグスコイルオーバー改
・フロントライナー加工
・フルマグナフローマフラー
・K&Nコールドエアインテーク
・デイアブロインチューン
・ホチキスアッパートレイングアーム
・ホチキスロアトレイングアーム
・デフ回り高さ加工
・コブラ用トランクスポイラー&グロスブラックpaint
・専用LEDストップランプ
・ルーフグロスブラックpaint
・リアバンパーステンエンブレムマットブラックpaint
・リアバンパー一部マットブラックpaint
・ミラーボディ同色paint
・ボンネットダクトグロスブラックpaint
・2013北米用5.0GTレカロシート&レール加工&運転席パワーシート流用
・HRE classic305 18インチAW
・タイヤF/265/35ZR18&R/295/35ZR18
・プロチャージャー100psアップkit
・ウィルウッドブレーキ前後

ステイアリング周りは、ノーマル状態を維持している。

シートは、2013型の北米用5.0GTレカロシート&レール加工&運転席パワーシートを流用している。

マグナフローのマフラーは、想像以上の快音を響かせる。

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