1992年に復活したフォードクラウンビクトリア。搭載されるエンジンは4.6リッターV8である。そんなクラウンビクトリアは、1998年にマイナーチェジを行い、同時に「ポリスインターセプター」という専用グレードが設けられた。いわゆるポリスカーのベース車ということである。
で、取材車両は、この二世代目にあたる2005年型のポリスインターセプターである。
聞けば、当時からアメリカでは警察車両に後輪駆動車が好まれていたという。だからか、われわれの脳裏に焼きついているハリウッド映画で街中を爆走するポリスカーはすべてドリフト走行だった(笑)。
そんなインターセプターは、警察車両としてお役御免となると民間に払い下げられたという。もちろんカラーリングは正され、無線機類は取り除かれるとはいえ、多少の装備の残はあり、そこが日本に持ち込まれた際にファンを刺激する(笑)。
本国アメリカでポリスカーとして使用されていた感触。スクリーンで見たアメリカンポリスの勇姿が感じられる数々の装備類。そんなポリスカーベースのクラウンビクトリアに試乗した。
それにしても乗りやすい。「ポリスカーとして」という意味ではなく、単なるアメ車のセダンとして十分な性能である。いわゆる日本で言うところのクラウンといったところだろうか。ポリスカーやタクシーのベース車として使用されるクラウンビクトリア。
そういう意味でも乗りやすさは折り紙つきである。なにより着座位置とダッシュボードとボンネットフードの高さの位置決めが適切で、視界がいいから動かしやすく、視界がいいからアメ車といえども日本でも十分に安楽に運転できる。
さらに搭載されるエンジンがトルクフルだから、アメ車らしい低速の力に満ちたドライブが可能である。実際には、224hpのパワーにもかかわらずだ。
取材車両は、2005年型のポリスインターセプターということだが、日本の道路事情に合わせた基本的な仕様変更を行っており、わずかに装備を残すにとどまるが、その残りを見るだけでもNYPDの名残は十分に感じられる(NYPDかどうかは定かではないが、笑)
それでいて搭載される4.6リッターV8SOHCエンジン(224hp、最大トルク272lb-ftを発生させる)は心地よく、組み合わされる4速ATも昔ながらの懐かしい変速を行い、ちょっと軽くてダルいが、これまた気持ちいいハンドリングがドライバーを刺激する。
2005年型といえば、300CやC6コルベットといった当時最先端マシンが続々と排出されていた時代。
だが、クラウンビクトリアは当時もまだまだ旧型コンポーネンツを使用したまま製造がなされていたが、今乗ると当時の最先端マシンたちがどんどん無くしていった旧アメ車的な味わいを持っていたことが明確にわかる。しかも、今乗っても十分に気持ちいい。
個人的にはポリスカーとしての名残にはあまり興味はなかったが、そのベースとしてのクラウンビクトリアのアメ車の実力に大いに驚いた次第である。こういった味をこの先もずっと保って、貴重な一台として今後も乗り続けて欲しいと切に願うのである。
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