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2012年型 USトヨタ・シエナ SE EXPRIDE EDITION

トヨタ・シエナ 試乗レポート part2

見た目以上に車内が広く、使い勝手も良好!

トヨタ・シエナの試乗インプレッションの2回目はエクステリアとインテリアについて。見た目は大きなエスティマといった感じのシエナだが、実際に乗ってみると中身は完全にアメリカン。やはり純国産のミニバンとはひと味違う?

更新日:2012.01.03

文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/佐藤安孝(Sato Yasutaka/バーナーイメージズ)

取材協力/ウイングオート TEL 052-409-5434 [ホームページ] [詳細情報]

中間グレードのSEをベースに制作された特別仕様車

 今回試乗したシエナは、愛知県のウイングオートが顧客の試乗用に制作&展示している車輛。2012年型のSEをベースにWORK専用設計ホイール、LED電動ドアミラー、アルパインBIG-X専用インストールキット、リアフリップLED、オートスライドドアといった同社オリジナルのオプションパーツを多数装備した『SE EXPRIDE EDITION(エクスプライド・エディション)』。エンジンは266hpを発揮する3.5リッターV6(DOHC 24valve Dual VVT-i)で、駆動方式はFF(前輪駆動)、乗車定員は8人という仕様だ。

 現行の3代目シエナには、価格の安い方からベースモデル、LE、SE、XLE、Limitedの5つのグレードが用意されているが、このうちもっとも売れ筋と思われるのが中間グレードであるSEである。
 中間グレードとはいえ、このSEには、VSC(スタビリティ・コントロール)、運転席・助手席アドバンスド・エアバッグ・システム、サイドカーテンエアバッグ、運転席ニー・エアバッグ、TPMS(タイヤ・プレッシャー・モニター・システム)、エンジンイモビライザーといった安全&セキュリティー装備はもとより、運転席8Wayパワーシート、助手席4Wayパワーシート、3.5インチTFTマルチインフォメーション・ディスプレイ、クルーズコントロール、19インチ・6スポーク・スーパークロームフィニッシュ・アルミホイールといった快適装備も一通り標準装備しているし、ナビなどの不足分は前述のエクスプライドのオプションで補完しているので、日本の高級ミニバンから乗り換えたとしても、装備内容に不満を感じることはないだろう。

今回の試乗車は中間グレードのSEをベースに様々なオプションを装備したウイングオートの『エクスプライド・エディション』。

大きいことは大きいが、デカ過ぎるということはない

 試乗する前に写真撮影も兼ねて車輛全体をチェックしてみる。まず最初はぐるっと一周クルマの周囲を回ってみる。
 全長5,093mm、全幅1,984mmというボディサイズは、アルファードやエルグランドといった純日本産のミニバンよりも一回り以上大きいはずなのだが、意外な事にあまり大きいという感じはしない。おそらくこれは1,791mmという低い全高のためだろう。パッと見た感覚で言えばエスティマをちょっと大きくした感じ。とはいえ、これはあくまでも単体で見た時の視覚的なイメージの話であり、今回の撮影時にカメラマンが乗ってきた先代モデルのエスティマと並んだ際には、楽に一回り以上は大きく見えた。

 もっとも、いくら大きいとはいえ、そこはやっぱりミニバン。当然ながらシボレーやフォードのフルサイズバンのような圧倒的な大きさは感じない。おそらく3リッタークラスの国産ミニバンを運転した経験のある人であれば、シエナの外観を見て「大き過ぎる」とは思わないだろう。

ウイングオートではLEDウィンカー付ドアミラーやワンタッチスライドドアといった様々なシエナ専用オプションを用意している。

車内の広さはまさにアメリカンサイズ!

インパネ周辺のデザインはシャープですっきりとしている。各種スイッチ類は大きく操作性は良好。また、ドライバー方向に傾いているATセレクトレバーも非常に使いやすい。

 外観のチェックが終ったら今度は車内。リモートキーレスエントリーのボタンを押してドアを開け、まずはドライバーズシートに着座してみる。と、まず最初に感じたのはドアの重さというか、しっかり感。2リッタークラスの国産のミニバンでドアを閉めた際のフィーリングは「パタン」という感じ。これに対してシエナの場合は「ドン」という感じ。ドア自体やウインドーが大きくて重いというのもあるのだが、メルセデスなどの欧州車とも違う重厚感はまさしくアメ車のそれ。安全性云々の問題は当然あるのだが、それ以上にこういったフィーリングの部分は筆者のようなアメ車ファンにはかなり重要なポイントとなる。
 次はシートに深く腰を下ろしステアリングを握って前を向いてみる。と、ここで感じたのが車内の広さ。「あっ、これは大きい!」というのが筆者の第一声。外から見た際にはそれほど大きく感じなかったボディが、運転席に座ってみると途端に広く感じるのである。これはもちろん車幅の影響。アルファードよりも全幅が154mmも広いだけあって、運転席と助手席の間にたっぷりと距離があり、フロントウインドーも非常に広く感じるのである。ただし、横には広く感じるのだが、全高が低いだけに頭上空間の広さはそれほどでもない。

 ここで一度運転席から降りてナビゲーションシート、セカンドシート、サードシートと順番に座ってみる。ドライバーズシートもそうだが、シート自体のサイズはセカンドシートもサードシートも日本のミニバンよりもやや大きめといった感じで、左右や足下のゆとりは申し分ない。今回の試乗車は、セカンドシートに脱着式のセンターシートを備える8人乗り仕様だが、フル乗車でもあまり窮屈な感じはしないと思うし、2+2+2の6人乗車であれば、どんなに長距離を走っても不満は全く感じないだろう。
 シエナのシートで筆者がとくに良いと感じたのは、前後に500mm以上もスライドするセカンドシート。試乗車はフリップダウンモニターを装備していたこともあり、セカンドシートを思いっきり後ろにセットしてリクライニングさせた状態は、まさしくリラクゼーションルームといった感じ。コンバージョンメーカーの制作するリムジンほどではないが、絶対的な広さとも相まって、十二分に快適なシートと言えるだろう。

 >> トヨタ・シエナ 試乗レポート part1へ
 >> トヨタ・シエナ 試乗レポート part3へ

 >> トヨタ・シエナ の販売車両を見る

ドライバーズシートは8Way、ナビゲーションシートは4Wayのパワーシートとなっている。サイズ的には日本の平均的なミニバンよりも一回り大きめでゆったりしており、シートの前後、左右、足下ともにたっぷりとした空間が確保されている。

セカンドシートは非常にゆったりしており、とくに前後のスライド量は特筆もの。写真ではセンターシートを取り外してラゲッジに収納しているが、このセンターシートは前方に倒して簡易キャプテンシートの肘掛けとすることもできる。

60対40の分割可倒式のサードシートにもリクライニング機構が付いている。3人乗車も可能なサイズだが、大柄なアメリカ人であれば大人2人でちょうどいいくらいだろう。サードシートはワンタッチで床下に収納できるので、非常に使い勝手が良い。

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