2016年にモデルチェンジした新型カマロは、日本市場にまだ正規導入されてはおらず、現在入手するには直輸入でしか方法はない。先般GMジャパンから「2017年にカマロの正規導入を行う」との発表があったが、いつからという正確な日付の発表はないから、ひょっとすればあと一年くらいは待ちなのかもしれない。
ということで、今現在すでに在庫車を所有しているファイヤーボールズに、新型カマロについて聞いてみた。
コルベットやアメリカンマッスルカー全般を扱うファイヤーボールズには、2016年型カマロV8SSの1800キロ弱走行車が在庫されている。すでに同社HPには新車価格が掲載され新型カマロの販売を積極的に行っている。ということでファイヤーボールズに最新カマロのフィーリングや今後の動向について伺った。
2016年にデビューした通称6代目カマロ。同社によれば、最新カマロのトピックスは、1・プラットフォームの変更による高剛性ボディと軽量化の実現、2・デザイン的なリファインによるシャープなボディ、3・サスペンションリファイン+軽量化による走行性能の圧倒的向上、4・直列4気筒エンジン搭載車のラインナップということになるという。
まずボディだが(この際好き嫌いの好みは置いといて)、圧倒的にシャープになり、見た目からその鋭さがはっきりと伝わってくる。その印象は、無駄な脂肪が一切ない鍛え上げられた格闘家ボディのようだ。真横から見るボディラインの抑揚は見事であり、非常にグラマラスである。
対して旧5代目ボディは引退したボクサーのような感じと言えばわかりやすいか。筋肉ボディを感じさせつつも、薄っすらと身にまとわりついた贅肉によりふくよかに見えるボディ。それでも十分にマッスルなのはさすがアメリカンだが、見栄えだけで言えば6代目のシャープさには叶うまい。
デザインに関して言えば、キープコンセプトというのは誰の目にも明らかであり、逆に5代目カマロのデザインが受け入れられていたことの証明でもある。だから大幅に変えることをせず、カマロであることを主張し続けているのであろう。
さらに全体的に一回り小さくなったボディサイズは(特に41ミリ短くなったホイールベースによって)、見た目以上にドライブ時の印象を変えてくれるはずである。実際乗ると速さと機動性の高さに感心するという。
<旧5代目カマロ>
■全長×全幅×全高:4841×1917×1376ミリ
■ホイールベース:2852ミリ
<新6代目カマロ>
■全長×全幅×全高:4784×1897×1348mミリ
■ホイールベース:2811ミリ
ボディを支えるシャシーに関していえば、新たなプラットフォームを手に入れたことでおよそ90kg(前モデル比)の軽量化を果たし、定評のあった足回りの熟成によりグリップ量が増し、それが速さと安定感につながっているという。具体的には、フロントのグリップが増し、また限界域でのバランスが良く素晴らしくコントローラブルであり、マグネティックライドサスの有無にかかわらず、どのかなり領域でもかなり安定しているというのである。
くわえて、コルベット譲りの6.2リッターV8LT1エンジンのサウンドやトルク感が非常にマッチし気持ち良く、トレメック TR6060マニュアルトランスミッション(6速)および8L90オートマチックトランスミッション(8速)とのマッチングも良く、455hpという大パワーをいとも簡単に操れるような、まるでレーサーになったかのような錯覚を起こしてしまうほど速く安定しているのである。
参考までに、MTモデルはシフトフィールが秀逸でありクラッチのコントロール性も良好とのこと。またシフトダウン時に自動的に回転数を合わせてくれるブリッピング機能(アクティブレブマッチング)付きなため、MT好きにはたまらない洗練度をもたらしてくれるからこそ、積極的にMTをチョイスしても後悔はしないだろう。
とはいえ、8速ATの多段化とV8エンジンとの相性も抜群に良く、燃費と大パワーの両立を図っているというから、どちらにするか迷うユーザーも多数現れるのではないかとも。
シートを合わせると、着座位置は低くダッシュボード位置は高く、またサイドのベルトラインも高く、低い位置でドライブするバスタブに浸かっているような感覚は5代目同様に継続されている。
またチョップトップのルーフも同様の感覚を助長するために、リアの視界が悪いのも旧モデル同様なのは、このデザインのなせる技なのだろう(笑)。
とはいえ、走りの質感が大幅に向上しているのは旧モデル好きでも認めざるを得ず、この点においてはライバルたるマスタングを確実に越えていると言っていいかもしれない。
とくに乗り心地についていえば、ここ数年のGM車全般の進化は凄まじく、乗り心地とハンドリングのまとまり感は、フォード車やクライスラー車の一歩も二歩も先を行く仕上がりである。
今回はV8エンジン搭載のSSの実車を取材したが、2リッター直4モデルへの興味も尽きない。このエンジンはキャデラックATSに搭載されているものと同機だが、シャシーやハンドリングの違いによって、どんな印象をもたらすのか?
現行マスタングは、V8、直4エコブースト、V6という並びになっており、すなわちV6モデルがエントリーモデルであって、直4エコブーストがV6よりも上位に位置しているのである。
一方現行カマロは、V8、V6、直4ターボという順列であり、シボレーにおけるエントリーモデルは直4ターボという位置づけである。これが一体どういう雰囲気になっているのかが非常に興味深い。
直4ターボは、日本でもカマロのエントリーモデルとして新たな魅力を訴える存在になる可能性を秘めているだけに、ファイヤーボールズでも積極的なアピールを続けていくと語っていたのである。
<新6代目カマロ/エンジンスペック>
■6.2リッターV8 455hp 最大トルク450lb-ft
■3.6リッターV6 335hp 最大トルク284lb-ft
■2リッター直4ターボ 275hp 最大トルク295lb-ft
なお、2017年モデルにはカマロのなかでも走りに特化した2台のスペシャルモデルが登場するというから期待が高い。一台がZL1。640hpの超ハイパフォーマンスモデルであり、もう一台が1LEと呼ばれるトラックフォーカスモデルである。
新たに登場する6代目カマロのZL1は、6.2リッターV8LT4エンジンにて650hp、640lb-ftを発生させ、先代モデルよりも200ポンド(90kg)軽いボディを10速ATにて走らせるスペシャルマシンである。
一方1LEは、いわゆるハイパフォーマンスオプションとして設定され、サーキットを主戦場とする走り向けの装備を多数装備しており、基本足回りを中心とした走りの質と外装関係の雰囲気を高めることを主眼としている。
2017年に登場する1LEは、V8搭載MT車のみならず新たにV6搭載のMT車にも設定可能となり幅広いモデルで1LEが普及することになったのである。(MTモデルのみに設定可能)。
ラインナップが増える2017年、熟成されるノーマルモデルを含め、カマロに対する期待は膨らむばかりである。
取材に協力していただいたファイヤーボールズのHPには、すでに2017年のカマロの新車販売価格(同社設定価格)が掲載されている。(以下、一部抜粋)
1LT 2.0 MT ¥4,800,000(直4ターボ)
1LT 2.0 AT ¥5,000,000
1LT 3.6 MT ¥5,000,000(V6)
1LT 3.6 AT ¥5,200,000
2LT 2.0 MT ¥5,290,000(直4ターボ)
2LT 2.0 AT ¥5,490,000
2LT 3.6 MT ¥5,490,000(V6)
2LT 3.6 AT ¥5,690,000
1SS MT ¥6,160,000(V8)
1SS AT ¥6,360,000
2SS MT ¥6,750,000
2SS AT ¥6,950,000
※為替の変動により価格変更を予告なく行う場合があります。
価格の詳細やラインナップは同社HPにて確認して欲しいが、これを見て言えることはカマロのラインナップが非常に充実しているということだ。
だがたとえば、正規輸入が開始された場合、上記モデルがすべて正規にラインナップされる可能性は極めて少ない(まだわからないが)。比較的装備が限定されたり、もしくはフル装備のみだったり、V6がラインナップされなかったり…、すなわち本国ラインナップがそのまま日本で正規で買えることは、これまでの過去の経緯や経験から鑑みてもほぼありえないのである。
しかし、アメリカから直輸入すれば、装備やグレードは自由にセレクトすることが可能だし、購入金額を抑えたり、快適装備を充実させたり、もしくは省いたり…、といった要望に限りなく応えることが可能というわけである。
しかも現代的な世界基準のクオリティ車である。昔のように大きなトラブルで悩むような年式ではないだけに、好みのモデルを直輸入するメリットは限りなく高いというわけである。
で、そういう場合には、ファイヤーボールズのような価格をハッキリと打ち出した直輸入の専門店を利用するのが一番の近道である。
なお、ファイヤーボールズは新車以外にも、中古車の取り扱いや直輸入も行っているということで、2016年モデルを探すのも可能という。
また、しっかりした整備工場をもっていることと、ASDNの一員ということでもあり、他社との情報交換も積極的になされていることから、車輌情報に長けている点もオススメの理由となるわけである。
330,000円
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