迫る台風をものともせず、白熱のジムカーナで沸いたY's-CUPラウンド28。主催者の佐藤義之さんを筆頭に、総勢16台が参戦したVWビートルクラスに対し、アメ車クラスにはそれを上回る24台ものマシンが参加。コルベットやバイパーといった現代のスーパースポーツはもちろんのこと、往年のマッスルカーやピックアップトラックまでが迫力の走りを披露し、イベントを盛り上げた。
今回のコースは2009年に開催された前回と同じ。その際のベストタイムは倉鹿野選手の3rdカマロが出した21秒671というもので、トロフィーを狙う選手にとっては、これが当面の目標タイムとなる。
練習走行の時間が終わると、さっそく午前中の予選が始まった。決勝トーナメントに参加できるのは16台のみなので、ここで8台のマシンがふるい落とされることとなる。
佐藤さん曰く、こうした予選落ちがあるのはY's-CUP史上初のこと。今回はそれだけ多くのアメ車がそろったということで、嬉しい誤算だったようだ。いずれにしても、セッティングや準備走行の段階では「楽しんだ者勝ちだよ」と笑顔だった参加者も、この段階ではすっかり真剣そのもの。2ndカマロやC3コルベットと言ったヴィンテージマシンまでもが果敢にパイロンを攻め、テールスライドで720度ターンを決めていた。
スタッフのスムーズな運営や参加者のマナーの良さもあり、昼食前には全参加者が各自2本ずつの出走を終了。この段階でのトップは、レコードホルダーのカマロやバイパーではなく、シルバーのコブラを駆る横山さん(No.27)。前回優勝の本多さんは2位につけていた。
この後、敗者復活戦が実施され、ベストタイムを出したエルカミーノの石津さんが復活。決勝トーナメントの16台が出そろった。
天候に配慮して、スケジュールを繰り上げて開始された決勝トーナメント。ここからは1対1の一発勝負。隣を走るマシンより0.1秒でも早くコースを回り、戻ってきたものが次の試合に勝ち進むこととなる。
ここで会場を沸かせたのが、意外な伏兵の奮迅だった。なかでも目立っていたのがNo.45のシボレーC10だ。マシンを操る須崎さんは、ピックアップトラックの巨体を感じさせないスポーツカー顔負けのマシンコントロールを披露。決勝2戦目に敗退を喫したものの、その迫力の走りで本大会の「スペシャルアワード」に選ばれた。
また、70年代のヴィンテージマシンで気を吐いていたのが、たなカマロさんの駆るブロンズのシボレーカマロだ。予選を12位で突破したカマロは、決勝トーナメントでも初戦でC5コルベットを撃破。旧車でもモータースポーツを存分に楽しめることを証明して見せた。
そんなカマロを破ったのが、No.35のダッジバイパーを操る藤井さんだ。藤井さんはその後、準決勝で前回レコードホルダーの倉鹿野選手と激突。21秒096という好タイムを叩き出し、決勝にコマを進めた。
決勝戦はこの藤井さんと、前回優勝者である本多さんとのバイパー勝負となった。Y's-CUPはもちろん、さまざまなレースイベントにも顔を出している本多さんは、トーナメント3回戦で新たなコースレコードの21秒067を記録。観客&エントラントの度肝を抜いた。
奇しくも初代バイパー同士、ベストタイム21秒台同士のこの勝負。制したのは本多さんの方だった。初戦から尻上がりにタイムを縮めてきた藤井さんだが、この決勝戦ではまさかのコントロールミス。一発の早さは勿論、失敗の許されないトーナメント戦で勝ち続けられる安定感が勝負を分けた。
アメ車クラスを制したのち、本多さんはVWクラスの優勝者と大会最強の称号の称号をかけて5本勝負。圧巻のパフォーマンスで対戦者を3タテし、「King of BATTLE GYMKHANA」の栄冠に輝いた。
既に紹介している通り、本多さんは筑波1000コースで開催された昨年のY’s-CUPでも優勝。大会史上初の2連覇を成し遂げた。さらにはアメ車クラス優勝、ベストラップ賞と合わせた3冠達成もY's-CUP史上初のこと。まさに偉業づくしの今年の大会だった。
数々の名勝負によって白熱した今年のY's-CUP。佐藤さんによると来年も秋に開催が予定されている。今年は本多さんが圧倒的な実力を見せつけて優勝したが、来年はぜひ、あなたも挑戦してみてはいかがだろうか。
【車名とドライバー】
21 1990年型シボレー・カマロ/倉鹿野厚さん
22 1990年型シボレー・カマロ/堺雅通さん
23 1968年型シボレー・コルベット/込宮英紀さん
24 1991年型シボレー・カマロ/繁田浩志さん
25 1991年型シボレー・カマロ/内藤英さん
26 1970年型ダッジ・チャレンジャー/本多元春さん
27 1990年型コンテンポラリー・コブラ/横山亮さん
28 1994年型ダッジ・バイパー/横山薫さん
29 1967年型コブラ/中川雄さん
30 1969年型フォード・マスタング/林彦之さん
31 コブラ/神山仁さん
32 1965年型コブラ427sc/多摩427さん
33 1970年型プリマス・バラクーダ/師岡秀和さん
34 1997年型ダッジ・バイパー/本多芳彦さん
35 1996年型ダッジ・バイパー/藤井馨さん
36 2000年型シボレー・コルベット/佐伯裕志さん
37 2009年型フォード・マスタング/伏見和之さん
38 1977年型シボレー・カマロ/たなカマロさん
39 1966年型シボレー・シェベルⅡ/小原啓さん
40 1969年型シボレー・エルカミーノ/大場真佐雄さん
41 1969年型シボレー・エルカミーノ/小宮山和幸さん
43 1985年型シボレー・エルカミーノ/石津達也さん
44 1992年型シボレー・カマロ/高橋里江さん
45 1977年型シボレー・C10/須崎康隆さん
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12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
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6DEGREES