更新日:2012.02.18
文/椙内洋輔 写真/フォード
マツダがフォードの傘下にあった時代に、両社の共同開発によって誕生したライトSUV。デビューは10年以上も前の、2001年にさかのぼる。
マツダのトリビュートとはプラットフォームを共有する兄弟車だったが、トリビュートが2006年に販売を終了してからも、エスケープの生産・販売は継続。今年で12周年を迎える驚異のロングセラーとなった。
北米では2007年に2代目にモデルチェンジしたが、日本を含めたアジア仕様としては、初代モデルがそのまま継続販売されている。ちなみに、北米版の2代目エスケープについても、プラットフォームやエンジンは初代のキャリーオーバ。四角張ったデザインを除けば、私たちの知るアジア仕様とはきわめて近しい間柄だ。
北米ではすでに後継車種のヴェルトレックの情報も流れており、いよいよモデルライフも末期にさしかかっているが、日本でも北米でも、その人気はいまだ健在だ。とくに北米での人気は根強く、昨年度はモデル末期ながらデビュー以来最高の売り上げ実績を記録。日本においても、いまだにクーガやエクスプローラーとフォード・ジャパンのSUV販売台数を三分しており、今も色あせないライトクロカンとしての優れた基本性能をうかがい知ることができる。
事実CUVが幅を利かせるこのクラスにおいて、往年のライトクロカンの魅力を伝える貴重な1台となっており、とくにガラスハッチを備えた荷室の積載性は大きな魅力。4WDもFFベースながら、後輪にも常にトルクを伝えるフルタイム式を採用。必要にして十分な走破性が与えられている。現在のラインアップは「XLT」と「リミテッド」の2種類で、パワートレインはともに2.3リッター直4と4速ATの組み合わせ。「リミテッド」には本革シートも奢られる。