TEST RIDE

[試乗記]

ブルーのボディカラーが眩しいフルノーマルのBCD車両

2021 フォードマスタング エコブースト

元フォードディーラーメカニックが診る整備の安心感

2021年型マスタングエコブーストを取材した。

更新日:2025.12.09

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU宇都宮ショールーム TEL 028-632-6699 [ホームページ] [詳細情報]

なぜ? 高年式マスタングが激減

 もうすぐマスタングが買えなくなる? そんな話が業界で広まっている。その理由は、2024年にフルチェンジした新型がさほど日本に上陸していないこと。上陸していても円安価格で非常に高価。

 そしてメカニズム的なものを含め、最新モデルは日本の法規に合わせるのが困難・・・。よって台数が極めて少ない。それと同時に、旧型モデルの数も減る一方である。

 ダッジチャレンジャーは生産終了間際に多くのニューカーが輸入されており、未だ日本で新車を買うことが可能である。一方で、マスタングはアメリカ本国から新たに直輸入された個体がほとんどないから(生産終了しているわけではないから最後の輸入といったものもなかった)、すでに日本に上陸している個体から選ぶしか選択肢がない。

▲2021年型マスタングエコブーストのBCD車両。走行約3万キロの個体。

▲鮮やかなブルーのボディカラーにキャメルカラーのレザーシートの組み合わせ。

 その数も年々減っているから、当然、中古車としてまともな個体も減っている。よって、あと二、三年もすれば高年式マスタングは日本から姿を消す・・・。

 だから乗るのを諦める、という方も当然いるだろう。だがその一方で、どうしても欲しい、と思っているのなら急いだ方がいい。今なら走行3万キロ以内の個体が、車両本体価格で600万円を切る価格帯で買えるのだから(同じような個体で一時700万円を優に超えていた)。

 ということで、2021年型マスタングエコブースト。走行約3万キロのBCD車両。この型のマスタングは2015年にデビューし、当時はディーラー車が存在していた。

 が、それも2016年までで、その後は直輸入車のみ。そして2018年にマイナーチェンジを行い(旧型後期という)2023年まで続き、2024年からまた新しい型へと進化している。

▲搭載される2.3リッター直4エコブーストターボエンジンは、310hp、最大トルク350lb-ftを発生させる。

▲純正18インチグロスブラックのホイールがマッチしている。

▲BCD車両としてインテリアの状態が非常に良い。キャメルカラーのシートが入るだけで全体が明るい。

 取材車はそんな旧型の後期モデル。さらにBCD車両。BCD車両とは、BUBUのカリフォルニア支社が厳選して直輸入した車両であり、複数のチェック機関を通過した車両のみが輸入&販売される。

 だから正規ディーラーがない現在のフォード車を、「正規ディーラーと同様」とまでは言わずとも、それに近い状態で乗ることが可能になる。

 ちなみに、販売しているBUBU宇都宮には、元フォードディーラーに勤めていたメカニックが在住しているから、より安心した整備が受けられる。

 そんな宇都宮の道地メカニックは「この型のマスタングほど安心して乗れる年式はありません。しっかりオイル交換して油圧管理していれば、恐れる部分はありません」という。

 続けて「他メーカーのようなミッションに不安がある、というのもありませんし、いろんな作業実績を含め、他のメカニックたちも『フォード車』推しです。そのくらい信頼性があります」

▲パドルシフトでスポーティな走りが可能。

▲直4エコブーストターボと10速ATとの組み合わせ。

▲アナログのメーター類が装備される。

 余談であるが、2015年に登場したこの型は、マスタングとしては初のグローバルカーとして開発されている。それまでの型は北米専用であったから、グローバルカーとして生まれ変わるためには、世界中の法規や安全基準を満たさなければならない。

 くわえて、それまでの時代はわずかだった輸出が、2015年以降、110カ国16万台強に激増することにより、各部に念入りなチューニングや製作精度の向上が求められ、それらによって車両クオリティの向上が目覚ましい=完成度や耐久性が段違いに上がっている(中古車となると、この部分が効いてくる)=道地メカニックが言う安心感の源がこれ。

 ということで、鮮やかなブルーボディが際立つマスタングエコブースト。搭載されるエンジンは2.3リッター直4ターボで、310hp、最大トルク350lb-ftを発生させる。

 組み合わされるミッションは10速AT。2018年以前は6速ATであるが、2018年以降の後期モデルには10速ATが組み合わされており、直4ターボと10速ATとで新時代のアメ車が体感可能である。

 またこの個体は、シートがキャメルカラーのレザーシートで、アメリカ的な雰囲気が満載。当然、BCD車両であるから、個体のクオリティやインテリア各部のコンディションが優れているが、驚くのはまだ早い。

▲キャメルカラーのレザーシート。若干のシワがあるが、コンディションは上々の部類。

▲BUBU宇都宮には元フォードディーラーのメカニックが在住するから、フォード車に精通した整備が可能。

▲今回の個体は各部の整備やチェックが行き届いた個体とのこと。

▲納車時には各部の消耗品は新品に交換されるから、現状よりもさらに一段とコンディションは良くなる。

 そのまま個体を工場に持ち込んで各部のチェックを行ってみたが、すべての部分に3万キロを走行した痕跡が見られない。唯一あったのが、エアクリーナーの汚れ。

 だが、道地メカニックが言うには、「こうした消耗品に関しては納車時にすべて新品に交換される」という。

 よって、現状でも驚きの状態だが、納車時にはそれが一段とクリーンな状態になり、電子デバイス等のチェックも受けるから、それらがまさしく「ディーラー並の安心感」という根拠になる。

 こうした状況を鑑みて、今、マスタングが気になっていると言うなら、この個体を是非一度見た方がいいだろう。

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