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試乗記 TEST RIDE 2015 シボレーカマロ Z287リッターV8エンジンを搭載した歴史的名車

2015 シボレーカマロ Z28

後継モデルは今なお存在しない孤高の存在

前エントリーで紹介したコルベットZ06と同型のエンジンを搭載したモデル。ある種、コルベットZ06よりも入手困難な存在が5代目カマロのZ28だ。

更新日:2019.03.04文/椙内洋輔 写真/ゼネラルモーターズ

ベースは箱型のスポーツクーペ

 2010年から2015年まで存在していた5代目カマロ。そのトップモデルとして君臨していたZ28は、歴代カマロ最速を誇る生粋のマッスルカーだった。コンセプトは、「街中からサーキットまで」。C6コルベットZ06に搭載されていたビッグブロックエンジン・427cuin=7リッターV8(LS7)を搭載し、505hp、最大トルク481lb-ftを6速MTのみで駆動した。

 筆者は、この両車に乗ったことがあるのだが、一般的な街中ドライバーの実力であればあるほどカマロの方が断然走らせやすかった。言ってしまえば、クルマが凄すぎて、クルマ任せで十分に速い(コルベットはそれなりに腕がいる)。

 コルベットZ06と比較すれば、目線が高く、若干ボディの重さを感じるものの、ボディ剛性の高さや足回りの制御の巧みさと強靭さはコルベットを完全に超えていたと思う。そのくらいの実力。

 純粋なマッスルカー好きであるなら、チャレンジャーのヘルキャットといったスーパーチャージャーでの大パワーが好みかもしれないが、このカマロZ28は、そうした風情でありながらもそうしたマシンたちとは一線を画すレーシーな雰囲気と走りの体感性能を与えてくれる。

 そんなカマロZ28は、やはり全米でも評価が高かった。カマロZ28が当時最速のポルシェ911GT3とラップタイム競争をしている動画がアップされているのだが(もちろん勝者はポルシェだったが)、驚いたことにその差わずか2.5秒で敗れるという、個人レベルの走行ならなんら問題のないタイム差での敗北にみなが驚いた。「Z28って、やっぱりめちゃめちゃ速いんだな」と。

 おそらく、読者の中には筆者とは正反対の意見の方が多数いるかもしれない。負けは負けだと。だが、考えてみて欲しい。カマロは箱型の単なるスポーツクーペ。一方ポルシェはその当時の世界的スポーツカー。しかも最軽量版。そんな相手にわずか2.5秒差でラップしたということは、それこそ驚くべき速さと言うべきではないか。さすがアメリカンマッスル。箱型ボディで軽量マシンにも太刀打ちできるんだなと。
C6コルベットZ06に搭載されていたビッグブロックエンジン・427cuin=7リッターV8LS7エンジンを搭載する。このエンジンはドライサンプ式で高回転型のエンジン。505hp、最大トルク481lb-ftを発生させ6速MTで駆動する。ATの存在はない。
ステアリングやシフトノブなど、手に触れる部分は滑りにくいアルカンターラに替えられている。インパネにスパルタンな印象はまったくないが、カマロ兄弟の中では圧倒的に速くなっているのは間違いない。
最近ではすでに当たり前と化したアメ車+バケットシート。レカロ社との共同開発品だけに性能は折り紙つきだ。
フロントノーズには、カーボン製大型リップスポイラーが装備されるが、その他はそれほど仰々しい装備品は装着されないので、Z28だとわからない方もいるかもしれない。まさに羊の皮をかぶった狼的マシンである。
リアスポイラーのみ、Z28を表現するアイテムとして装備される。ただ、7リッターV8の野太いエグゾーストは周囲を圧倒する可能性ありだ。
ブレンボの大径ブレーキにカーボンセラミックの穴あきローターを装備。タイヤは前後ともにP305/30/ZR19 インチを装備し、ピレリPZero Trofeo Rが装着されている。

「豪快さ」でスポーツカーに迫る

 アメリカンマッスルとは、昔から言っているがアメリカ独自のカテゴリーである。基本は箱型ボディだが、ベースは何でも良い。どんなに馬鹿デカく、前後のオーバーハングが長くとも圧倒的パワーで相手を打ちのめす(昔のチャージャーデイトナなんてどう表現したら良いか…)。

 最近ではベース車の進化もあり、随分とまとまった車体形状となっているが、それでもスポーツカーが相手じゃ、その基本設計において通用しないのは自明の理。ただ、そういった難を、大排気量エンジンの豪快さでもって凌駕するのがアメリカンマッスルの真髄なわけで。スポーツカーとしての運動性能が欲しければ当然コルベットに乗るべきなのである。

 GM内のヒエラルキー上、いかなる場合があってもカマロがコルベットよりも速くなることはあり得ないのだが(笑)、このZ28がもたらす速さは、マッスルカーというカテゴリーの中ではダントツの1台として中古となった今なお君臨するのである。

カマロZ28:4884×1953×1330ミリ ホイールベース:2852ミリ 車重:1732kg 7.0リッターOHV V8エンジン:505hp 6速MT

911 GT3:4545×1852×1269 ミリ ホイールベース:2457ミリ 車重:1430kg 3.8リッターDOHC 水平対向6気筒:475hp 7速PDK
ポルシェとの馬力差は30hpだが、車重差は300kg。普通に考えれば車重300kgの差はラップタイムに圧倒的なマイナス差を生むはずだが、そこはカマロの限界性能の高さによってその差を2.5秒へと縮めたと考えるべきである。

タイムに表れないマッスルカー独自の性能

 サーキットでのラップタイムは、あくまでも判断材料のひとつに過ぎず、これがすべてではない。街中を普通に走るには、まったくアテにならない数字ということは言うまでもない。

 ただ、運動性能という点においては(限界性能ともいうが)明確になる点が多く、日本でも筑波サーキットでラップタイムを年中計測している媒体もあるくらいだから、評価ものさしとして見比べるのはアリだろう。ということで、下記動画の結果は以下のとおり。


<0~60mph>
カマロZ28:4.0秒
911 GT3:3.1秒
<1/4マイル>
カマロZ28:12.3秒
911 GT3:11.3秒
<八の字旋回>
カマロZ28:23.6秒@0.89g
911 GT3:22.8秒@0.96g
<サーキットラップタイム>
カマロZ28:1分29秒72
911 GT3:1分27秒22

 Z28とGT3とでは、ミッションが違うにもかかわらずこの差ということで、世界の進化のスピードは非常に速いと感じるともに、旧式のマッスルカーでよくぞここまで対等したとも言えるだろう。

 以下を見ればわかるが、両車の価格差が約6万ドル。上記の差に約700万円以上の価値があるかどうか? もしくは認めるかどうか?

 もちろん、それらによって評価は変わってくるが、筆者的にはやっぱり羊の皮をかぶった狼的なマシンが好きなだけに、見た目が常にヤル気満々の911よりもZ28の方が断然魅力的に見えてしまうのだが、いかがだろう。
個人的には、マッスルカーにはタイム数値にあわられない楽しさがあると思っているから、カマロの走りを評価したいと考えているが、差が差だけに悩む方もいるだろう。それにしても、こうした魅力的なマシンを正規導入しなかったGMJに疑問を感じるのは筆者だけではないだろう。写真:MOTOR TREND
車両前後重量配分は、カマロの53:47に対して911GT3の40:60と随分と異なっている。
直線加速差はトラクションの問題もありポルシェが圧倒的だった。
フォードは、打倒Z28を掲げたマシンとしてシェルビーGT350を誕生させた
。だが、たしかに速さでは互角以上の能力を発揮させるマシンではあるのだが、このZ28のような7リッターV8が生み出す豪快さと稀有な存在感を醸し出す領域には至っていない。
マッスルカーでスポーツカーを追い回す。それこそ男のロマンだな、と思ってしまう。

将来的な「名車」殿堂入りは決定的

 ちなみに、このカマロZ28は、日本に上陸した台数がかなり少なく、この先中古車としてどこかの店頭に並ぶ可能性は極めて少ない。一方、全米でも想像以上に人気が高く評価も高く価格も高い。だから良ダマはまだまだあると言われているだけに、欲しければBCDのような信頼のおけるショップにて直輸入してもらうのが得策だろう。


<本国ベースプライス>
カマロ:7万5000ドル 日本では恐らく1000万円オーバーの販売価格だった
ポルシェ:13万2395ドル 日本では当時1859万円

 ベースとなるカマロは、2016年で6代目へとフルモデルチェンジされ、「次期Z28も開発段階にある」と言われていたが、2019年3月現在、カマロにZ28は登場していない。恐らくZL1のパフォーマンスが高くなりすぎて、Z28を登場させる必要性がなくなったのだろう。そういう意味もあって、さらにはGM最後の7リッターV8エンジン搭載マシンだけあって、かなり入手困難なモデルなのである。

 前エントリーのコルベットZ06とこのカマロZ28は、当時のGMがかなり気合を入れて作ったマシンであるから(低迷する現在のGMからは考えられないようなマシン)、車両としての価値が断然高く、いずれ名車といわれる存在になるはずである。

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