TEST RIDE

[試乗記]

ホンダらしさ溢れる独自コンセプトのピックアップ

2021 ホンダリッジライン

トラックの荷台にまさかのトランクルームを発見

BCDが取り扱いを始めたミッドサイズピックアップのホンダリッジラインを取材した。

更新日:2023.04.22

文/石山英次 写真/石井秋良

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU阪神 TEL 06-6427-5151 [ホームページ] [詳細情報]

ボディと荷台が一体化しているホンダ独自のピックアップ

 阪神店には、すでに2022年型トヨタタコマが入庫しているのだが、タコマはこの手のピックアップの王道とも言える存在。だから他店でも積極的に販売されている車種でもあるが、その同カテゴリーのライバル的存在であるリッジラインの個体は日本にそれほど多くない。

 BCDとしては独自の選択眼でチョイスした車種を、独自の販売網を駆使した方法でお届けするという理念を持ち合わせているため、人とは異なる選択肢を欲する方々のためにあえてリッジラインを直輸入したのだという。

 もちろんBCD車両であるから、BCDの現地法人が日本向けにセレクトした車両だけに2021年型1万9000キロ走行とはいえ、コンディションは想像以上に良い。

▲リッジラインは、独特のフロントグリルとボディの流線形が特徴的なピックアップ。まさしくホンダ独自のコンセプトにより誕生している。

▲ピックアップトラックでありながら、トランクを備えたリアゲートも特徴である。

▲見よ、この一直線のボディラインを。リッジラインのデザイン的な特徴である。

 ということで、リッジラインについて。2021年型ホンダリッジラインは、ミッドサイズのピックアップトラックであり、ホンダのミッドサイズSUV・パイロットと共有するプラットフォームを使用している。

 よってリッジラインは、他のライバルとは異なるモノコックボディを採用しており、ボディと荷台が一体化しているという特徴がある。

 いわゆる一般的なピックアップは、フレームボディがベースであるからボディと荷台が分離している。同時に取材したタコマを見ればわかるが、一目瞭然である。

 だがリッジラインは、パイロットをベースに乗用車をピックアップ化したような形態をとっており、ある種ホンダらしい独特なスタイルをとっているとも言える。

 そんなリッジラインは2005年にデビューし、2016年に二代目モデルが登場している。そして2021年にマイナーチェンジが実際されているから取材個体はそのマイナー後のモデル。

▲搭載されるエンジンは3.5リッターV6で280hp、最大トルク262lb−ftを発生させ、それを9速ATで駆動する。

▲質実剛健的なインテリアと言うよりは、まるで乗用車とも言えるホンダらしいインテリア。

▲ホンダ車特有の「ECON」ボタンもある。押せば燃費向上に繋がる。

 搭載されるエンジンは、3.5リッターV6で280hp、最大トルク262lb−ftを発生させる。そしてそれを9速ATで駆動させFF、もしくはi-VTM4トルクベクタリングAWDシステムで走らせる。

 上記の特徴を見ればわかるが、リッジラインはアメリカ王道のピックアップというよりは、ホンダが開発した多目的車両という意味合いが非常に強い。

 いわゆるピックアップの姿はしているが、その性能はSUV&セダンに近いものがあり、実際の乗り心地や走行安定性も他のライバルより断然高い=日本の交通事情や使い勝手に優れるのではないか。

 実際、アメリカでのリッジラインも独自コンセプトに惹かれたユーザーが多く、またマニアックなホンダファンに支えられているという。

 ちなみにマニアックなホンダファンは世界中に存在すると言われ、それはホンダのモータースポーツでの活躍や革新的なテクノロジーの採用など、独自路線に惹かれたファンであると言われている。

▲インテリア全体の雰囲気やコンディションが崩れていないのがBCD車両。

▲リアシートも同様に使用感はほとんど感じられない。

▲リアシート下に大型収納スペースがあり、リアシートのリフトアップ機能を利用して使用可能となる。

 くわえて「NSX」や「シビックタイプR」、オフロードバイクの「CRFシリーズ」などは、いまだホンダファンの間で非常に人気が高く、熱烈なファンが多くいる。リッジラインもその延長線上のファン層に支えられていると言われており、そして日本にも確実にそうしたホンダファンはいるのである。

 BCDが今回あえてリッジラインを直輸入しているのは、タコマのライバルということに加え、新たなホンダのファン層に向けてのプレゼンテーション的意味合いもあるのである。

 ホンダリッジラインは、王道のピックアップ、いわゆるタコマやタンドラ、F150といった長い歴史と強固な地位を築いている存在たちには販売数で叶わないかもしれない。

 だが、独自コンセプトにより、上記のようなライバル車とは異なる魅力を持っていることは確実であり、他とは異なる存在を待ちわびていた方々には最適な一台となるに違いないのである。

▲トノカバーが装備されているから使い勝手は悪くない。

▲ベッドライナーありの荷台。

▲なんと荷台の中にトランク収納が隠されている。ホンダらしい(笑)

 昨年、一昨年と膨大な数のダッジチャレンジャーやフォードマスタングを販売していたBCD阪神が、2023年新たな展開を実施している。

 そう、これまであまり露出されてこなかったミッドサイズのSUVやピックアップトラックを積極的に取り扱い始めたのである。

 聞けば、「これまで販売した現代版マッスルカーユーザーの乗り換え需要が高まり、多くの選択肢を用意した」ということだ。

 「もちろん車検を継続して乗り続けているオーナーさんもいらっしゃいますが、BCDオリジナルプランを利用されている方々は売却され、乗り換えを実施しているオーナーさんも多く、そうした方々に次なる愛車候補の提案として全く異なるアプローチを展開しています」と阪神店店長。

 BCDでチャレンジャーを購入されたある方は「3年間自分が楽しんだので、次は家族も一緒に乗れるクルマとしてラングラーに乗り換えました」という。

 で、BCDであるから、そこは個性的な選択としてあえての「左ハンドル+MT車」というから面白い。

 「チャレンジャーを購入された方の乗り換えとしてジープラングラーを用意したり、マスタングの乗り換えとしてエクスプローラーを用意したりしています。もちろん、BCDですから既存のモデルとはひと味違うモデルを心がけております」

 阪神店には、そうした個性的モデルが続々と入庫する予定になっているのだが、そんな中でいち早く到着したモデルがこれらミッドサイズのピックアップだったのである。

▲チャレンジャーやマスタングだけでなく、それらの乗り換え需要をも満たす豊富なBCD車両を扱うBUBU阪神。

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