98年型として97年の夏にリリースされた初代ナビゲーターは、高級SUVの「元祖」として歴史に残る1台である。現存する優良な個体は、日本にはもうほとんどないと思われるが、仮にもし見つけたならば、一度乗ってみることお勧めする。そのくらい価値のある存在である。
で、ナビゲーターといえば、現在、流通する個体は第三世代の鉄仮面といわるモノが大多数を占めるが、じつは業界的には第二世代のナビゲーターがいまだ人気を占める。
撮影車両は2006年型。この第二世代のナビゲーターは2003年から2006年までの4年間生産されたモデルであり、初代からメカニズム的にも進化を遂げた超人気モデルである。
ボディ構造は見直され、足回りは形式から変更された。それまでのリジッドアクスルだったリアサスはフロント同様独立化され、4輪独立懸架となった。しかも、ステアリング形式にはラック&ピニオン式を採用。まるでパッセンジャーカーのようなレスポンスを可能としたのである。当時のGM系、クライスラー(ジープを含む)系よりも一歩先ゆく技術投入に多くの人々を驚かせたのであった。
さらに極めつけのエアサス。ラグジュアリーSUVらしいゴージャスな乗り心地を提供してくれたのである(だがこのエアサスがのちのち寿命を迎えると…)。
またホスピタリティも徹底されていた。パワーリフトゲートやパワーフォールディングサードシート、パワーランニングボードとあらゆる機能が自動化され至れり尽くせり。それまでの「SUV=トラックの延長」と思われていたイメージをナビゲーターはことごとくぬぐい去ったのである。
搭載されるエンジンは5.4リッターV8エンジンで300hpを発生させる。デビュー当初は4速ATが組み合わされていたが、翌年に6速ATに進化。アメリカンV8のトルク感を生かした鷹揚とした走りに貢献したのである。
一方、インテリアも抜群のセンスの良さを見せ、バタ臭いこの時代のキャデラックとは一線を画す良質な空間演出が特徴的であり、総じて新たなる時代の幕開け、ラグジュアリーSUV全盛時代の先駆けとして非常に貴重な存在となったのである。
だが、こうした人気の高いアメ車の宿命であるのだが、「売れる=なんでも良い」的な発想により(?)、日本には様々なコンディションのナビゲーターが持ち込まれた。また人気に乗じて購入したオーナーがロクな整備もせず乗りっぱなしで売ってしまった車両が日本中に回りだし、一時期は要注意車両として二代目ナビゲーターは市場から敬遠されていったのである。
……、あれから約5年は経っただろうか。あれだけ敬遠されていた二代目ナビゲーターに、いま新たなユーザーが再び乗り出している。第二次ブームと言ったら大げさかもしれないが、でも確実にユーザーが増えている。
そして。一頃はタマがないとまで言われた存在だったが、落ち着きを見せたことで、また再び車両が動き出している。米国からも良質な個体が日本に持ち込まれているし、とにかく少しずつだが動き出している。
今回撮影した車両は、なんとワンオーナーの4万1000キロ走行車。修復歴なし。フルノーマル。まさに奇跡的物件。ブーム当時ですら見たことのない良質車。しかも実走行。
取り扱うガレージダイバンは、随分と前から馴染みのショップだが、過去のナビゲーターブーム時を経験しているだけにこの個体の示す価値を当然知っている。
だからこそ、この年代のナビゲーターに興味があるならば急いだほうがいい、というのは言うまでもないことである。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES