更新日:2026.05.15
文/田中 享(Tanaka Susumu) 写真/
ここ最近、多くの工場で聞くミッション不調。特に高年式の8速ATや10速AT搭載車に不調が多いという。
偶然にも3つの工場で同じような車種の不調が確認され、それを筆者は聞いており、それらのほとんどの車種がミッションをオーバーホールするという(乗り換える方もいるという)。
で、ちょっと詳しく取材したところ、それぞれの正確な原因は不明だが、一つだけ確実に同じ状況だったのが、ミッションオイルが真っ黒だったということ。
ミッションオイル、正確にはATなのでATF。それが真っ黒で交換された形跡がなかったというし、取材した個体は2018年車で走行6万キロを超えていた。
ここからは、取材内容と筆者の推測が混じるが、アメ車の8速ATや10速ATはあくまでアメリカの道路を走行する前提で製作されている。
それを日本の道路事情で使うとなれば、アメリカよりも負担がかかるのでは?
特に多段化になり頻繁にシフトアップ&ダウンを行う近年のATは、日本の道路事情ではより一層の頻繁な変速が求められるようになる=オイルの劣化が激しくなる・・・・。

▲こちらはシェルビーGT500のミッションの断面モデル。こうした精密機械はオイルによって動いているから、オイル管理は非常に重要である。
で、ミッションは精密機械であり、その機械をオイルを潤滑させ動かしているわけだから、オイル管理は非常に重要な要素になるはず。
が、そのオイルはエンジンオイルほどの頻繁な交換は求められない。
その理由は、非常に精密な機械であるがゆえにミッションオイルの交換は非常にシビアな作業が要求される。
逆にシビアな交換作業ができないのであれば、「触るな」と言っているようなものであり、現に近代車両のエンジンルーム内にはミッションオイルのオイルゲージが消えている。
とはいえ、潤滑を兼ねるオイルは、オイルであるがゆえに劣化は必ずする。なので、あくまで個人的な指標だが、3年から5年に一度、もしくは5万キロに一度程度で交換する必要があると思っている。
ちなみに正規ディーラー車を新車で買えばディーラーで面倒を見てくれるはずだからあまり心配はないが、そうじゃない車両、特に中古車を購入したのであれば、一度オイルの確認をした方がいいだろう。
普通に考えて、ミッションが不調になる場合は、そもそもの製造過程での不良を除けば、過大なパワーアップによるミッションへの負担増大とか過走行くらいしか思い当たらない。
であれば、ミッションの唯一のメンテであるオイル交換をしさえすればかなりの確率で防げるはず。余談だが、某ディーラーで「ミッションのジャダーが出る」個体はミッションオイルを交換することである程度対応することが可能という。中には3回交換して良くなった個体もあったほど、という。
ということで、特に高年式の多段化AT搭載車の5年5万キロ超え車両は一度チェックしてみると良いかもしれない。前項のエンジンオイルもそうだが、ミッションオイルも同じような潤滑&冷却作用を持っているため、長い目で見たチェック&交換は必要であるはずだから。
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