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「突然のパンクへの対応」や「スタッドレスタイヤに交換」など…

タイヤ交換基礎講座

実際にやらなくても知識は持っていた方がいい!

タイヤ交換と言っても「突然のパンクへの対応」や「スタッドレスタイヤに交換」など理由は色々と存在するのだが、このタイヤ交換、「知っている」と「知らない」のとでは、その作業が速やかに行なえるというだけでなく、少なからずクルマにダメージを与えてしまうことがあるという。タイヤ交換基礎講座で突然の対応に備えよう。

更新日:2011.10.17

文/編集部 写真/編集部

テンパータイヤなんてイマドキ聞かないが…

 アメ車オーナーの中で一体、どれだけの人が自分でタイヤ交換をしたことがあるのだろうか?。タイヤ交換と言っても「突然のパンクへの対応」や、「スタッドレスタイヤに交換」など理由は色々と存在するのだが…。
 しかし、このタイヤ交換、「知っている」と「知らない」のとでは、その作業が速やかに行なえるというだけでなく、少なからずそのクルマにダメージを与えてしまうことがあるのだ。

ということで、アストロをモデルにしてタイヤ交換における必要最低限な知識を探ってみる。ここではその必要な知識を順を追って説明していくことにする。

 1、まず最初に車載工具とテンパータイヤの存在を確認すること。この二つの装備は突然のパンクに対応するためにはかなり有効な装備である。しかし、中古並行車を購入したり、センター出しマフラーなどが装着されているアストロを購入した場合、稀にテンパータイヤが取り外されていることがある。また極端なローダウンを施しているアストロにも同一な例が存在しているという。車載工具に関してはコンバージョンの場合、収納位置が変わっている恐れがあるので、まだ一度も確認したことがない人は早急にそれぞれを確認すべきである。

 2、前例のようにテンパータイヤが標準装備されていないアストロには絶対に適当なサイズ(外径が大幅に違う)のタイヤを装着してはいけないということである。仮にちょっとした距離を走る場合でもクルマにダメージを与えてしまうことがあるという(突然のトラブル時でも絶対に走ってはいけない)。事前にタイヤが無いと分かっている人は、現在装着しているサイズと同一のタイヤを車内に積んでおくべきである。 

 3、標準のテンパータイヤを装着した場合でも空気圧(4.2kg)を確認し、最低限のスピードで、最低限の距離を走ることである。

 4、ローダウン車の場合、エアロレスであればジャッキを使うことができる可能性は高い。

 5、エアロレスでも極端なローダウン車やエアロ付きのローダウン車はジャッキを使うことができない。これはパンクをして、タイヤが潰れてしまうことでさらに車高が低くなってしまうからである。これらのアストロの場合は予めタイヤの下に噛ませることで車高を上げるための板や木片を積んでおくと良い。そうすれば車高を上げることができ、ジャッキを入れることが可能になるのである。

極端な話にお思えるかもしれないが、上記は実際に起こったタイヤトラブル実例をベースにまとめている。いざという時のための話だが(これを読んで笑っている方もいるかもしれないが)、実際にタイヤトラブルが起こったときは案外笑えないものである(筆者経験済み)。

 以上5つの知識を頭に入れつつ、実践編に突入していくのである。

<タイヤ交換基本注意点>
・車載工具の存在を確認すること
・テンパータイヤの存在を確認すること
・タイヤ交換は絶対に平らな場所で!!
・タイヤ止めを必ず装着すること
・ジャッキアップポイントを守ること
・ジャッキアップ前にナットを緩める
・交換前にタイヤの外径を確認する
・ジャッキを上げた状態でナットを仮締め
・ジャッキを下ろして増し締めを行なう
・ナットは対角線状に締めること

ジャッキアップした場合にジャッキが崩れる可能性があるから、すべての作業はクルマを平らな場所に止めてから行なう必要がある。アストロのリアハッチを開けると右奥に車載工具の設置場所が見える。緊急時のためにも愛車の社債工具を一度確認しておこう。

2箇所のフックを外すとタイヤ交換に必要な車載工具を取り出すことができる。

タイヤの外径を合わせることが重要

 突然のパンクに襲われた場合に誰もがお世話になるであろうテンパータイヤ。このテンパータイヤ、使い方を知らなかったり、誤った使い方をすると愛車にかなりのダメージを与えるという。特に4WDのアストロに乗っている方には注意が必要である。アストロのテンパータイヤは車体床下に吊り下げられ、細身のタイヤが装着されている。

 4WD、特にフルタイム4WD車(タイフーンなども)であるアストロは、テンパータイヤを装着することによって前輪と後輪との間に回転誤差が生じ、その状態を長引かせるとセンターデフに負担が掛かってしまい、最悪壊してしまうという。この回転誤差とは大幅に異なる外径のタイヤを装着してしまうと起こるのである。

 従って、万が一テンパータイヤを装着した場合でも、最低限の距離を走るだけにしなければならない。中古並行車や、カスタムアップされているクルマを購入した場合などにテンパータイヤが装着されていないことが稀にあるが、こういう場合、気軽に友人などのテンパータイヤを借りないようにしたい。アストロの場合は2駆と4駆ではテンパータイヤのサイズが違うのである(4駆のほうが大きい)。

 ちなみにシェビーバンやCKシリーズなどもアストロ同様、テンパータイヤが床下に吊り下げられているが、そちらのタイヤは細身のものではなく、ノーマルサイズと同様のモノが装着されている。これはアストロと違ってロードクリアランスに問題が無いからだという。








↓左から右に見てください

左上からジャッキ、タイヤ止め、ラチェット、レンチそれに取り扱い説明書が存在する。

まずは床下に吊り下げられたテンパータイヤを下ろすための準備にかかる。リアバンパー上の穴に注目。

この穴にレンチを差し込み回すことによってワイヤーが伸びてテンパータイヤが降りてくる。

ワイヤーから取り外したテンパータイヤ。指定空気圧は4.2kgである。絶対に確認して欲しい。

このワイヤーに自分の装着しているタイヤと同サイズのタイヤを吊り下げることも可能だ。ただし、ノーマル車高に限る。

前輪のタイヤを交換する場合は同列のリアタイヤ後部にタイヤ止めを必ず装着すること。

ジャッキアップする前に交換すべきホイールのナットを緩めておくこと。これ重要。

フロントのジャッキアップポイントはタイヤから20cm弱後部にあるフレーム上の出っ張り部分だ。

車載工具に添えられた取り扱い説明書にあるジャッキアップポイントの図。参考にして欲しい。

ポイントを決めたらレンチとラチェットを組み合わせてジャッキアップを開始する。

ラチェットにはアップの表示がある。その表示を手前にして動作を行なうこと。

ジャッキアップが完了。この状態で素早くタイヤを交換し、ナットの仮締めを行なう。

ラチェットにはダウンの表示もある。その表示を手前にしてジャッキを下ろすこと

ジャッキを下ろしたらナットの増し締めを行なう。対角線状に締めること。

リアタイヤの交換の場合はフロントタイヤ前部にタイヤ止めを必ず装着すること。

リアのジャッキアップポイントはリーフスプリングのブラケット部分である。

ラチェットのアップの表示を手前にしてジャッキアップを開始する。

車載工具と同様に付属している取り扱い説明書。本来、クルマから取り外すことは出来ないようになっている。

すべての作業が終了したら、図のように車載工具を納める。一度、すべてを確認しておこう。

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