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復刻ベースのデザインはこれで最後?

現代版マッスルカーの将来は?

キーワードは「2014年」か

現代版マッスルカーは、その姿形ゆえに爆発的な人気を得た一方で、フルモデルチェンジにジレンマを抱えた運命の持ち主なのである。

更新日:2012.09.18

文/石山英次 写真/

アメ車のモデルサイクルは長い

 1960年代後半からのマッスルカーブームに対する憧れが実体験としてない自分にとって、「アメ車」といえば90年代からであり、「マッスルカー」といえば近年のカマロ、マスタング、チャレンジャー、チャージャーをおいて他にない。最近はそんなクルマたちの次期モデルチェンジが囁かれるようになり、スクープイラストなどが見て取れる。実は結構そわそわしたりして。
 
 話は若干が逸れるが、その昔、筆者が免許を取得した80年代後半から90年代にかけての国産車は、2年に一度のマイナーチェンジに4年に一度のフルモデルチェンジが当たり前で、しかもそういった情報を収集した「ベストカー」なる週刊誌が爆発的に売れており(月刊で35万部とか)、(国民にとっても?)クルマが4年に一度カタチが変わるのが普通であった。
 だから仕事でアメ車編集部異動した時に、最初に感じた違和感がアメ車のモデルサイクルの長さだった。まあ国産車みたいにマイナーチェンジの嵐がない分、歴史を調べるのも楽だったので、それはそれで良かったし、流行廃りを考えずに購入ができる利点みたいなものも感じていただけに、モデルサイクルは長いにこしたことはないと思っていた。

 だが、そんなアメ車においても最近、モデルサイクルが長い車種と短い車種とがはっきりと区別されてきており、実は上記のマッスルカーに関する次期モデルがすでに報道されている。ちなみに、シボレーカマロに関しては、2009年に登場した車種だけあって、現在でまだやっと3年ということで、モデルチェンジはまだまだ先だろう(コルベットは来年チェンジする)。

カマロに関しては、チャレンジャー、マスタングと異なり、過去の遺産にデザイン的なアイコンを求めてはいるが(初代カマロ)、ベースをそのままに現代的なデザインに昇華させているわけではないから、コイツをマイナーチェンジすることは、他の2台よりも容易い気がする。

復刻系デザインのモデルチェンジが難しい

 問題はチャレンジャーとマスタングである。まずチャレンジャーは、コンセプトカー自体は2006年に出展されたが、実車は2008年に登場した。つまり、まだ4年。なのにすでに次期型についての報道がなされるのは、実はそのスタイリングにある。1970年型チャレンジャーを模したそのデザインは、いわゆる復刻系デザインであり(それこそが爆発的人気の理由だが)、コイツを次にどういじるか? が非常に難しいというのだ。

 チャレンジャーといえば、1972年以降、凋落の一途をたどる歴史を持つ。まさかその歴史をなぞり凋落時代のボディをまとうわけにはいかないだろうし、すでに完成されているデザインに手を加えて破綻させるわけにもいかず(ここが復刻系デザインの車輌には辛いところだし、最新のビートルを見れば分かるが、どんどん違うクルマになっていってしまう)。と同時に何かテコ入れをしなければ、販売促進には繋がらない…(生産中止という選択肢ももちろんある)。ならば! ということで、次なる遺産を切り崩す手配を付けたとか付けないとか。「クーダ」の再来である。

 (ここからはあくまで予想)ベースは現行のチャレンジャーのもを使って、上屋をクーダに換えれば一丁あがりか。クーダはプリマスブランドだったから、その点が微妙だが、いまはランチアというパトロンがいるので、今のうちならブランドを増やして何とかなるかも…(遺産を切り崩して商売を成り立たせるのは今しかない)。そいつが、早ければ2014年にやってくるかもしれないというが。

現代版のチャレンジャーを見れば、即座に写真下の母体となっているチャレンジャーの姿形のイメージと重なって、それを連想させる。つまり、復刻系デザインとしてはかなり優秀ということになるのだが、果たしてコイツをどういじればいいのか? 次なる展開が見えないのが、復刻系デザインの泣き所である。

2度目のモデルチェンジはあり得るのか?

 2005年に登場したマスタングこそ、復刻系デザインの先駆者であった。これまた爆発的な大ヒットを記録し、世界的な復刻系デザイン車であるミニやビートル、フィアット500などと肩を並べる存在となった。
 そんなマスタングは実は一度ビッグマイナーと呼ばれるチェンジをしている。それが2010年のマイナーチェンジである。
 現行マスタングは、64年後半に登場した初代マスタングの復刻系デザインを採用しているが、そいつは67年に内容そのままにボディを大型化したビッグマイナーチェンジを施している。2010年に登場した現行型マイナーチェンジは、その当時のボディ&マスクを題材にして見事復刻系デザインのリファインを行っているのだ(チャレンジャーにはできない技だ)。
 どちらも復刻系デザインだが、2005年デビュー当時のボディが好きな方と2010年以降のボディが好みな方とに分かれるのは、過去の歴史を紐解けばこそ、致し方ないのである。
 
 だが……。実はマスタングもオリジナル時代に人気を博したのは60年代までで、70年代以降オイルショックなどの外的要因も重なり、肥大化したマスタングは次第に求心力を失って行く。となると…。
 お分かりだと思うが、復刻系デザインを持つクルマたちの行き着く先、つまりオリジナルの人気凋落以後をどう切り抜けるのか? という問題が降り掛かって来るのである。

 マスタングは、2014年後半に生誕50周年を迎える。マスタングにとっての一大イベントが待っている。さらに現行型の2005年デビューを考えるとモデルサイクル的にもフルモデルチェンジをして話題を独占したところ。まさしく次期型がデビューしてもおかしくはないという条件だけは揃っている。

 先日、マスコミ向けに「来年以降、欧州でもマスタングを売る」というフォード発の報道がなされていた。過去には「次期マスタングはエンジンを大幅にダウンサイジングし、2.5リッタークラスの直4ターボ「エコブースト」を搭載する。米国仕様にはV8も用意されるが、直4エンジンは、欧州市場へ投入するための対応」などといった憶測も流れていただけに、次期型が本当に登場するとなると、2005年から続いた復刻系デザインが見直され、まったく新しいデザインのマスタングが登場することも予測される。もしそうなれば、まったく新しいファン層(欧州の人々)を獲得できる一方で、今までの多くのファンを失うかもしれない…。果たしてどうなるか? 
 
 ありきたりだが、2005年以降の復刻系デザインが好みなら、状態のいいタマを見つけて早期に購入することをお勧めする。もしくは購入資金の貯金を始めるべきである。
 PTクルーザーや300Cなどといった過去にデザインテイストを求めた車輌とはまた違う復刻系デザインのマッスルカーたち。彼らのジレンマはまだまだ続くのである。

2005年に登場したマスタングは、2010年にビッグマイナーチェンジを実施している。それは64年後半に登場した初代マスタングが67年に内容そのままにボディを大型化したビッグマイナーチェンジを施しているのと瓜二つの行動であり、現代版も見事成功させている。

ユーザーの情感のありかを上手に捉え、そこを正確に突いて、思わず飛びつきたくなるようなクルマを矢継ぎ早に送り出してきたアメ車たち。マスタングやカマロやチャレンジャーは見事にひとの感情を鼓舞する決定的な何かを持っている。それこそ自動車にとって失ってはならない大事な「命」である。そしてそれを次にどう生かすのか?興味津々である。

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