BUBUのBCDのラインナップにシボレーコルベットC7が加わった。正確には、以前から取り扱い自体はあったのだが、出物があれば的な、たまたま偶然の要素が重なった時というのが多かったのだが、今年9月からは積極的に個体をチョイスし直輸入をかけている。
というのも、C7がフルモデルチェンジしてしまうから。そう、ご存知次期モデルC8はミッドシップに生まれ変わる。すでに発表が済まされているから新型デザインを見た方は多くいるだろう。あのフロントロングノーズからロングテールに生まれ変わった姿は非常に衝撃的であり、一方で、見た方の大多数は「カッコイイ」を連呼している。
個人的にも、正直、C8が欲しい(笑)。ただし、コルベットだとは思っていない。新型のアメリカ製ミッドシップスポーツカーとして欲しいのであって、もしコルベットが欲しいなら恐らくC8は買わない。だって、FRじゃないから。
コルベットとは、あくまで個人的にだが、V8搭載でロングノーズ&ショートデッキのプロポーションというのがマストであり、そして頑張ればいつの日が手に入れられる価格帯に存在するスポーツカーであるということも大切な要素であると思っている。
だからC8は、ハイパフォーマンスカーの世の流れに追いつくがためのミッドシップではあるが、われわれアメ車好きは常にレースをするわけではないし、それ以前のレベルでも十分に楽しめる存在だったわけだから、まだまだそっちでいい。すなわちFRでも十分なパフォーマンスが得られていたのだから、まずはFRに乗るべきじゃないかと思っているのである。
2014年に登場したC7コルベット。歴代モデルと決別したデザインは、C6から引き継いだパーツは2つしかないという徹底ぶり。まさに革新のコルベット。そして2017年に追加デビューしたのがグランドスポーツ。GSとは、古くは1960年代から、サーキットの栄光を独占するために開発された伝説のモデル。コルベットレーシングに多大な影響を与えただけでなく、コルベットの歴史に欠かせない存在と言われている。
デビュー当初は賛否両論あったリアデザインは、あくまでも機能重視を徹底したもの。リアフェンダー上部に設置されたエアインテークやリアテール横に配置されたエアアウトレットありきでデザインされている。つまり速く走るために必要な要素を追い求めての結果だった。
デビュー当初は、このハッシュマークが6色用意されていた。
ロングノーズ、ショートデッキのプロポーションにより、ドライバーはリアアクスルの上に座っているようなコルベット特有の感覚が常にある。だが思った以上にボディが小さく感じられるから存分にスポーティな感覚が楽しめる。
そんな思いを込めてBCDに展示されている2018年型のC7グランドスポーツを取材した。
C7には、ZR1、Z06、グランドスポーツ、ノーマルクーペと大きく分けて4つのラインナップが存在している。その中で650hpマシンのZ06の足やオーバーフェンダーを含めたボディエフェクトを装着してはいるが、エンジンはノーマルクーペに搭載させる標準エンジン、というのが大雑把に言うところのグランドスポーツ。
だが、それこそが、クルマ好きが常々求める理想のラインナップであったりする。
すなわち、車体本体各部には650hpに耐えうるような強固なものが与えられている、一方で搭載エンジンはノーマルクーペの6.2リッターV8。それでも460hpはあるのだから十分速いのだが、それを支える車体が対650hpモデル用なのだから、すべてにおいてオーバークオリティ的な余裕が生まれる。
それが証拠にこのグランドスポーツのメーカー公式コーナリングGは1.2Gである。これって、コルベット中でも最大Gであり、このコーナリングGだけで見ればポルシェやフェラーリすら越えている。
さらに、そうしたオーバークオリティ的余裕があるからこそ、各部のヘタリ断然少ない。しつこいが対650hpモデル用に460hpのV8搭載なのだから、しっかりした定期点検を怠らなければ、10年10万キロ、いや15年15万キロは余裕で走らせることができるだろう。
だからこそ中古車となった場合にも、コルベットの他モデルよりセレクトする個体の見極めや状態把握がしやすく、また買う側も、美味しい状態が多く残った個体をセレクトすることが可能な場合が多いのである。
搭載されるエンジンは6.2リッターV8OHV LT1エンジン。460hpを発生させる。どの回転域からでも瞬時に加速体制に入れるレスポンス俊敏なエンジンが軽量ボディを軽快に走らせる。
まず軽量なフードに驚き、ボンネットインシュレーターのキレイさにこの車両の中古車としての程度を垣間見る。
各種パーツの質感や工作精度はかなり高く、グラフィカルなメーター類と相まって、華やかな雰囲気が漂うインテリア。各種スイッチ類の操作感にも安っぽさはなく、満足感は高い。
ということで、2018年型のトーチレッドのグランドスポーツに試乗した。ちなみに、これまた個人的な好みでいえば、アドミラルブルーのボディに赤いハッシュマーク付きのグランドスポーツが理想の一台なのだが、BCDにあったその個体は今現在BCD阪神に展示されている。
さて、取材個体は約7000キロ走行の直輸入車。見るからに新車のような佇まい。スエードのステアリングに、ほんの若干握りの跡がみられるものの、ほんと、言われなければ新車と言われても気づかないほど。
そんなC7を少し試乗させてもらった。過去、これまで10回以上C7に乗っているし、グランドスポーツも2回ほど経験しているが、そのどの記憶とも違わず、猛烈にいい。C7に乗るといつも思うが、「なぜモデルチェンジが必要?」と思えて仕方ない。その一方で、「もうFRでやることないんだろうなぁ」と納得もする。
先日C6Z06に乗って、「いまだトップクラス」と評価したが、C7はそのC6Z06で必死に走ったことを、余裕の片手運転でやりきってしまうかのような安楽さを伴っている。しかも速い。
ステアリングの奥に見えるグラフィカルなメーターは、液晶ディスプレイになっており、ドライブモードセレクターのチョイスに応じて表示が切り替わる仕組みになっている。
ステアリング裏にあるパドルの操作性はかなり高い。別にパドルを使用しなくても抜群に速いから、8ATに任せてのんびりドライブすることも可能だ。
GMが自社開発した8速ATは、スポーツカーに搭載すべく開発されたスペシャルな変速がもたらされるトルコンATであり、そのシフトレスポンスはデュアルクラッチ・トランスミッションよりも素速い。
GSには、前輪が路面に食いついているという感触が明確にあるから、後輪の安定感とともに常に素早いターンインとオンザレール感覚でのコーナリングが可能である。ハイパワースポーツの圧倒的な加速感とライトウエイトスポーツカーのようなレスポンスが同時に得られるのが、GSの真骨頂であろう。
それでいて、室内の視覚的な質感や雰囲気に優れ、すべてにおいて満足感が高いのだから、これ以上何が必要?と、日本の公道を走るレベルにおいては最高レベルとの賞賛以外、なにもないわけである。
だから、「もう少し荒削りで粗野なモデルが欲しい」というならC6Z06がいいかもしれない。
だが、「速くて華やかなスポーツカー的要素も欲しい」というのであれば、断然C7がオススメになり、C7のなかでもとりわけ安心感の高いグランドスポーツは、C7の中で一番のオススメ車と自信もを持って言えるのである。
なお、BCDにおけるGM車の直輸入車の安心感は、他店に比べ圧倒的に高い。
それは、もちろんBCD自体のサービス部門の充実が挙げられるのだが、それらにくわえBUBUグループのシボレー&キャデラック系ディーラーの存在が、その安心感をさらに一段かさ増ししているのは言うまでもないのである。
シートはレザーに包まれたバケットタイプ。質感、ホールド性、剛性、すべてにおいて完璧といえる存在。市販車最高レベルのシートと言える。
確実に止まる。その安心感はチャレンジャーやマスタングの比ではない。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES