はっきり言ってコルベットというクルマは、第4世代のC4型までは、北米ローカルにおけるスポーツカー王者だった。けれど97年に登場したC5型で中身のメカをマジ本気で構築し、一躍世界トップクラスのスーパースポーツになった。そして現行C6型では、あのポルシェ911をターゲットに絞ってさらなる進化を遂げ、本格的に欧州スポーツカー世界に殴り込みをかけた。中でもC6型のスペシャルモデルであるZ06は、911なぞ簡単に蹴散らす実力を備えている。
Z06のその原動力は、何と言ってもLS7と名づけられた7リッターV8ユニットだ。戦後のGMのV8は、大きく分けてスモールブロック系と、ビッグブロック系と、キャデラック用に設計されたノーススター系の3つの系統に分けられるが、このLS7はスモールブロック系の第四世代で、その最新最強のバージョンである。最高出力は911のターボさえ上回る511馬力。最大トルク64.9kg-mは、あのエンツォ・フェラーリとタメを張る。
なのにLS7はOHV。欧州でも日本でも死滅した、古式ゆかしいメカニズムを持つ。だが実はそれがZ06の驚異の走りの一端を担っている。OHVはヘッド周りが小ぢんまり納まってくれる。馬鹿デカいDOHC4バルブ・ヘッドを見慣れた目にはそれは感動的にコンパクト。それは当代No1の低重心ユニットになっているのだ。加えて、ドライサンプ化でオイルパンも極薄になって、搭載位置もまた地面に擦らんばかりにLS7は低い。
そして、C6コルベットはトランスッミションをデフと一体化して後ろに置く。トランスアクスル方式と呼ばれる、FR車の駆動系レイアウトの究極だ。またZ06は、車体構造をアルミフレーム+カーボン外皮に置き換えて、エンツォ並の1.4t前半の車重を手にしている。それはスーパースポーツ界の超一流たちとも張り合える実力を備えているのだ。たった1000万円で買えるのは、現代の奇跡である。
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