更新日:2025.04.09
文/田中 享(Tanaka Susumu) 写真/フォードモーター / ガレージダイバン
戦後、アメリカで一大ブームとなった欧州製スポーツカーに対抗して、GMは1953年にシボレーコルベット、通称C1を発売。
そのC1コルベットに対するフォードの回答がサンダーバードだった。
1955年、C1より2年遅れて登場したスタイリッシュな2ドア&2シーターロードスターボディ。当然V8エンジンを搭載したそれは、当時直6エンジンを搭載していたC1に対する明らかなアドバンテージだった。
この初代サンダーバードが造られたのは1955年から57年のわずか3年間だったが、それでも歴史に名を残すほどの抜群の知名度がある。ちなみに1957年型がフォードとしては最後の2シーターモデルとなる。
翌1958年に登場したした二代目モデルは、2ドア&4シーターモデルとして再構築された。よって初代モデルとは購買層が異なり、初代は伝説となったのである。
▲初代1955年型
▲1956年型
▲1957年型
▲2代目へモデルチェンジした1958年型。2代目モデルは4シーターモデルへと様変わり。
そんな、たった3年間輝いた初代をベースにした復刻モデルがのちに登場する。いわゆる復刻モデルであり、その後のアメ車の歴史における一時代を築いた復刻レトロシリーズである。マスタング、カマロ、チャレンジャーそれぞれに復刻モデルが誕生している。
そんな復刻レトロデザインの第一弾となったのが、サンダーバードであった!
上記の通り初代サンダーバードは、1955年に登場。そしてその後様々なモデル変遷を経ながら42年間製作され、1997年に生産終了したモデルだが、その3年間のみ存在した初代モデルを切り取っていた。
この復刻版サンダーバードは1999年にコンセプトカーが出展され、2002年から販売開始。そして2005年まで販売が開始されたが、この05年で終えた理由は次なる復刻モデル、マスタングへのバトンタッチ。
▲初代モデルの3年間をベースにした復刻モデル。V8エンジン搭載。
▲2シーターオープンで、2002年から2005年まで存在した。一時代を築いた名車とも言われる。
▲2005年まで販売された後にはマスタングの復刻モデルが登場する。
ちなみに、サンダーバードとマスタングの間にフォードGTも復刻している。くわえてこの3台をデザインしたのが、当時のデザイナー・ジェイメイズ。のちに副社長にもなり2013年に引退。さらに余談だが、この方、それ以前にはフォルクスワーゲンに在籍していてニュービートルに繋がるベースデザインを仕上げていた。
なおジェイメイズ氏が関わっていたのが、2010年までのマスタングだった。
ということで、フォードにおける復刻デザイン=ジェイメイズ氏とも言えるわけで、2010年~2019年までフォードから他の復刻デザインが生まれなかったのも、メイズ氏の引退による影響かもしれない(それ以降のデザイナーが拒否していたとも言われる)。
現代車における復刻デザインの先駆けは、実はフォードサンダーバードであり、その後、マスタング、フォードGT、シボレーカマロ、ダッジチャレンジャーへと繋がっていったのである。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES