クルマを手に入れれば、数年に一度、必ずやってくるタイヤ交換。前回も書いたが、タイヤ交換は基本的に他人任せが一般的。単なる空気圧調整と違って、おいそれと自分で交換する人なんてほとんどいない。だからこそ、本当はこだわりたいのだが、実際には大手タイヤチェーン店に任せたり、スタンドで交換なんて方々が多数いるという。
だからか、作業工賃等に関しても「そんなもんだろう」程度の認識しかない。かくいう筆者も間違いなくそんな一人ではあったのだが…。
だがしかし、ワールドタイヤサービスを取材してそんな考えが間違いだったことに気がついた。とにかく「安い」のだ。そして過去、これまで経験したタイヤ交換にまつわるめんどくささが微塵もない。しかも「安かろう悪かろう」ではまったくないから驚きである(前回レポート掲載)。ということで、今回は実際のタイヤ交換作業をレポートする。
今回交換するホイールはHREの20インチ。P43SCという、2012年の最新モデル。シリーズ中最軽量&高剛性モデルということで、その性能とクオリティはアメリカ製ホイールの最高級作と言われるほど。
一方これに装着するタイヤは、ミシュランのパイロットスーパースポーツ。これまた最高のグリップ性能を発揮する逸品である。
20インチタイヤともなると、大径の部類に属するため作業できるショップが意外に限られる(機械の有無と技術的問題によるもの)。だがワールドタイヤサービスは、24インチまで作業可能なタイヤチェンジャーを有し、高性能なホイールバランサーを完備、さらにタイヤ交換作業歴15年以上というアメ車を知っているベテラン技師が作業を行うために安心感が非常に高い。
そんな技師の作業を風景を追った。まずは、エアバルブ。国産車ではまだ一部の車種にしか装着されていないこのバルブは、最近のアメ車の場合、ほとんどの車種に装着されている。このバルブ、エアが少なくなるとメーター内のモニターを通じてドライバーに教えてくれるという優れものなのだが、タイヤ交換時にこのバルブの装着をきちんと行わないと、このセンサーが、当たり前だが作動しなくなる。
まだ一部の国産車にしか装着されていないということは、国産車をメインにタイヤ交換を行っていれば、アメ車のバルブの意味を知らないショップも多数あるだろう。実際に、安易な組み付けをされてしまい、バルブを台無しにしてしまったタイヤ交換をかなりの数、目にしてきたと言う。
このバルブを上手く装着しつつ、タイヤとホイールを組み付けるのが必要になる。そしてこの組み付けに、熟練の技術が必要になる。
タイヤとホイールの直径は同じわけだから、右から左にはめ込むようになんて、簡単にはいかない。
タイヤチェンジャーのアームとローラを使い、タイヤのサイドウォールを押したり伸ばしたり。この時、バルブを潰さないように上手く逃がしながらの作業が必要になる。
一方で、タイヤのサイドウォールは、タイヤによって(もしくはメーカーによっても)硬さが違うために、タイヤに応じた力の入れ加減が必要になる。経験値の少ない作業員による安易な交換によって、タイヤにキズを入れたり、タイヤをちぎってしまったり、逆にホイールにキズを付けたり…、実際にそういったトラブルもかなりの数見聞きしてきたという。
この作業を終えると、タイヤ交換の7割程度が終わったことになる。この後エアの注入となるわけだが、ワールドタイヤサービスではエアに窒素の充填を勧めているという。その理由が、窒素は空気よりも分子が大きいので、自然にエアが減ることがほとんどないこと。気温の変化によってタイヤ内部の内圧が変化しにくいこと。窒素ガスを充填すると高速の継ぎ目等での振動がかなり軽減すること。水分が少ないので、ホイールの腐食が起きにくいこと等があげられる。
まず一度窒素を充填し、そして抜く。で、また充填する。あえてこの充填作業を2回行うことで、充填率を100%に近づけるのである。そして規定の空気圧まで窒素を充填したら、ホイールバランサーに載せ、バランスのチェック。
バランサーの結果、45グラムという、非常に少ない計測結果をもとに重りを貼付け、再度バランスチェックを行う。この作業を4本分行い、作業終了となる。
ちなみに、この作業にてかかった工賃は、1本につき1900円×4本。さらに窒素充填500円×4本で、合計9600円。編集部調べで、タイヤ交換の工賃相場を拾ったところ、20インチタイヤで4000〜5000円(1本)というのもあったくらいだから、工賃だけでいえば一般的な相場の半額以下という安さだった。
同じ作業なら安い方がいいに決まっているし、その作業が安心&丁寧なら、より一層お勧めであるということは言うまでもない。
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