更新日:2013.10.08
文/石山英次 写真/ゼネラルモーターズ
C7コルベットの一番の印象は、ボディの見た目。デザイン的な印象ではなく、見た目の大きさとして、小ぶりに見える。実際にはC6と比較して全長で60ミリ、全幅で33ミリ、ホイールベースで25ミリ長くなっているにもかかわらずだ。
インテリアに座っても、シートはタイトなバケットタイプであり(アメリカンでは厳しいかも)、ステアリングも小径。これらに触れた瞬間から今まで以上にスポーツカーたる雰囲気を感じさせてくれる。
今回試乗したC7の7速MTはトレメック製の7速MTであり、このシフトフィールがまた絶品だった。まるでユーノスロードスターとまでは言わずとも、グニャグニャした感触は一切なく、カチッカチッとしたメリハリのある質感を備えており、これだけでも一回り小さいスポーツカーを操っている感覚になれるほどストロークも短い。世界中のスポーツカーからMTモデルがなくなっているこのご時世に、こうした装備を(しかも絶品の完成度で)当たり前のように販売するGMに拍手を送りたい。
ドライバーズシートから見えるフェンダーの峰は相変わらずの景色であり、ここは何年経っても変わらないコルベットらしさのひとつである。
走り出すと驚くのがボディの剛性の高さだ。プレスリリースにあるようにC6から格段に高まっている各部の剛性はひとつの塊感を発し、驚くほどの効果を上げている。車重的には、あらゆる補強をしたにもかかわらず1499キロに抑え、C6よりは若干重くはなっているが、その重さを感じさせない動き出しの軽さ。そしてサスペンションがよく動く、驚くべき乗り心地の良さ。ただし、標準装着されているミシュランパイロットのランフラットタイヤの硬さが若干気になる。
聞くところによれば、そのサスペンションの動きの良さはサーキットにおいても発揮され、そのハンドリングは特筆ものであり、バランスがかなり高いと言われている。ハンドリングを司る各種ハイテク機構とのマッチングも改良され自然な印象になり、ドライバーにダイレクトなフィーリングを与えてくれる。
さらにC7になり初めて煮詰められたとも言われる空力がまた効果を発揮し、高速コーナーでのコーナリング時にはフロントのダウンフォースを今まで以上に得ることに成功。フロントの接地感がかなり高まっているという。それはフロントグリルからエアを取り込みボンネットフード上から効率的に排出することで、冷却効果を上げると共に、フロントのダウンフォースを稼ぎ出しているのである。
こういった各部の煮詰めもあって、C6では前後重量配分が51:49と若干フロントよりになっていたものが(フロントを重くして接地感を得るためか)、このC7では50:50と前後のバランスを改良することが可能になったという。
実際にこのおかげもあって、C7の旋回性能は群を抜く仕上がりであり、一般のドライバーが公道において体感できるレベルを遥かに越えているというから凄い。
搭載されているエンジンは、新設計となる6.2リッターV8LT1エンジンであり、このエンジンは低負荷時には4気筒を休ませる気筒休止システムが用いられているが、MT車だとあまり実感することなく、スムーズな走行が可能であるという。この感じだと、ATなら以前に比べてかなりの燃費向上がもたらされるかもしれない。
この先Z51やコンバーチブルの試乗も可能となるが、ノーマルクーペにおいてさえこれだけの性能が味わえるとなると……、かなり期待せずにはいられない。
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