更新日:2017.11.16
文/編集部 写真/ゼネラルモーターズ
まるでランボルギーニか、と思わせるほど攻撃的なフロントマスク。多彩なカーボンパーツで組まれたエアロパッケージには二種類のリアウイングが設定され、ハイウイングにはZTKパフォーマンスパッケージが組み合わされる。
そのボディに搭載されるエンジンは、6.2リッターV8LT5エンジン。Z06よりも100hpアップ、ノーマルクーペより300hpアップした驚異的なパワーを発生させる。
さらに驚きは、ZR1初のAT搭載。これまでのZR1、C4コルベット時代からC6時代にまで発売されたZR1はすべてMTだったが、今回は8ATが搭載される。
カマロZL1にはフォードと共同開発された10速ATが搭載されているが、今回はその精度と耐久性の問題からか既存の8速ATの強化版が搭載されている。
でだ、正直Z06でもかなりのレベルのマシンということだが、なぜ今ZR1の登場か。じつはすでに来年一月上旬行われるデトロイトモーターショーでC8コルベットのショーモデルが出展されるという噂がある。
ご存知C8は、これまでの「FR+OHVエンジン」を捨て、新たに「ミッドシップ+DOHCエンジン」の組み合わせと言われている。われわれファンからすれば脱FRを惜しむ声が多い一方で、コルベット開発人たちにとっては悲願のミッドシップ化か?
そういう一連の流れのなかで、恐らくC7コルベット最後のモデルがZR1ということになるのだろう。
とはいえ、ZR1にも以前から「DOHC+ターボ化」のような声があったが、今回搭載されたLT5エンジンは、簡単にいえばLT4の強化版。Z06で問題となっている熱対策問題を重点的に対策し、新たに4つのラジエーターを追加し計13にし、フロントの開口部を広げ熱対策をクリア、さらにGMとして初となる二重燃料噴射システムを開発し755hpを達成している。
さらに驚いたことに、すでに発表されているZR1のメーカー公表スペック表を確認すると、エンジンパワーやフロントタイヤサイズにわずかな変化があるが、それ以外はZ06と瓜二つ。いや、まさにコピペしたような感じがするほどすべて同じ。
たとえば車重は1598kg。これは650hpのZ06と今回発表されたZR1はまったく変わらないという。
それでも、Z06で本気走り回っているユーザーたちには大いなるプレゼンとなるだろう。なんせ、Z06はチューニング的な外部から入力に対してかなり敏感に反応し、クルマ側の方で勝手に安全モードやセーフティモードに入り、受け付けてくれないという。また、熱対策が困難で結構厳しいといわれている。
だからこそ、今回のまるでメーカーチューンのようなZR1の登場は、Z06ベースでチューニングの壁にぶち当たっている方々には最高のマシンなのかもしれないのである。
なお、チャレンジャーデーモンの840hpマシンのデリバリーが本国で開始されている。だが、デーモンが目指す道はドラッグ的な直線加速である。一方でZR1は、名だたるサーキットが主戦場。この両者は戦う場所が異なるのであるから、対比すること自体が間違っている…、と思うが。
このZR1、本国では来春から発売が開始されるということだが、果たして正規輸入はあるのか? またその場合の価格は一体いくらになるのか? 個人的には2000万円くらいか? というのがひとつの結論ではあるが。
2005年くらいから始まったアメ車の開発バブル。5年ごと周期で何かと話題なアメ車が続々と登場している(2015年はアルミボディを使用したF150とかヘルキャットとか)。次は恐らく2020年。個人的にはコルベットのミッドシップカーがそれに当たると思っている。果たしてどうなるか?
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