更新日:2015.04.20
文/椙内洋輔 写真/ゼネラルモーターズ
2012年、当時550hpを発生させていたシェルビーGT500に対するシボレー側の回答がカマロZL1だった。ZL1には、カマロのトップモデルに相応しいハイパフォーマンスエンジンが搭載されたのである。
搭載されたエンジンは、6.2リッターV8スーパーチャージドエンジン。カマロ史上最大のこのエンジンは580hp、最大トルク556lb-ftを発生させ(キャデラックCTS-Vと同様のエンジン)、メーカー公式発表によれば、0〜60mph加速が3.9秒で、最高速度が296キロ/hにも達する。
しかもこれは、タップシフトと呼ばれるATによるタイムであり、MTモデルも当然存在するが、MTだと若干タイムが遅くなるというから驚きである(4秒)。
さらにこのZL1、当然2015年モデルも存在するのだが、フロントマスクはいまだ旧バージョンを装着している。同じカマロでもSSやV6、さらにはZ28は2014年時のマイナーチェンジによってフロントマスクとテールランプを中心としたエクステリアデザインの変更を行っているが、ZL1のみ2010年に登場した現行初期モデルのフロントマスクのまま。
リアテールはマイナーチェンジ後のデザインに変更されているから、フロントマスクのみデザイン変更できない何らかの理由があるに違いない。もしかしたら搭載エンジンの関係上で変えられないのかもしれないが。ZL1は、日本GMの正規輸入車ではないだけに、正確な情報がないのが惜しい。
ZL1には、盛り上がったボンネットフードや20インチホイール等が奢られており、ひと目みた瞬間に「タダモノではない」雰囲気を察知するはずであり、筆者的にはそこが好みのポイント。しかも6速MTで走れば、重量級ボディをそれこそ小型軽量スポーツカーのように感じさせる圧倒的なパワーと抜群のスタビリティを感じさせる高性能シャシーに惚れ惚れするし、正直この時代のネオマッスルの中で一番充実したシャシー性能の持ち主こそがカマロであるから、まだまだ現役選手として十分に通用する。
個人的には、5月中旬に登場するという次期新型カマロに期待はするものの、現行モデルの性能およびスタイルがかなり好きなだけに、意外にもみなさんに推している(笑)。特にこのZL1は、日本にも結構な数が入っているだけに中古車で入手することも可能だろう(2012年型なら600万円台からあるが新しくなればなるほど円安の影響を受け価格が高騰する)。しかもゆっくり走ってもなにげに速く、大人のジェントルな走りにも対応してくれるから落ち着いて走るのにも向いているし、まさにBMWM6に匹敵するマシンと言えるのだ。
ノーマルボディで6速MTを操る大人のオトコ(笑)。まさに今の理想だし、いざ走ればニュル仕込みの最速マシンで羊の皮をかぶった狼を演じられるし。かつ、いまだ好みの旧顔なんで、「モデル末期のカマロこそ最高」とまではいかないかもしれないが、それに近い満足感が必ずや得られるはずである。ちなみにオープン仕様もあるが、日本ではまだ見たことはない…。
■グレード:シボレーカマロ ZL1
■全長×全幅×全高:4841×1918×1376mm
■ホイールベース:2852mm
■車両重量:1882kg (6AT)
■エンジン:6.2L V8 OHV+スーパーチャージャー
■最高出力:580hp/6000rpm
■最大トルク:556lb-ft/4200rpm
■トランスミッション:6速MT or 6速AT
■駆動方式:FR
■ハンドル位置:左
■タイヤ:F 285/35ZR20/R 305/35ZR20
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES