TEST RIDE

[試乗記]

アーバンジープの個性で街中の景色を変える

後編・2017 ジープレネゲード 4WD トレイルホーク (JEEP RENEGADE TRAILHAWK)

4WDベースでジープの普遍的ブランド力を体感

今年2月に横浜都筑区にオープンしたジープ横浜港北店に取材に行ったところ、「是非乗ってみてください」とジープ関連の最新モデルに試乗することが可能になった。どうせなので、ちょっと足を伸ばして横浜繁華街へと行ってみた。ジープラングラーに乗ってみなとみらいへ向かった後、帰路はレネゲードに乗って横浜中心地をぶらり。そして高速に乗りジープ横浜港北へと戻ったのだった。

更新日:2017.09.01

文/編集部 写真/古閑章郎

取材協力/ジープ横浜港北 TEL 045-945-0167 [ホームページ]

イマドキな最新のジープ

 ラングラーに乗ってみなとみらいへ向かう途中、帰路のために用意された後続のレネゲードが何度もバックミラーに映っていた。これまで幾度となく街中で見かけたレネゲードだが、実際に並走してみるとこれまでのすれ違いで見た一瞬の印象とはまるで異なっていた。

 ひと言「イマドキのクルマだな」。ジープといえばラングラーであり、レネゲードはそのイメージを保ちつつセブンスロットグリルや丸型ヘッドライトを有し、全体的にきっちりまとまってはいるものの古さは微塵も感じさせず、現代的なポップな印象を与えてくれる。

 ラングラーには「本格派、守旧派的なイメージ」が強いが、レネゲードは「軽快、斬新、洒落っ気」の印象が強く、ジープの伝統という部分にはこだわりのない、けれど「ジープ=オフロードの雄」といったイメージを欲するイマドキの感性をお持ちの方々にはレネゲードが断然似合うのではないかと思う。

 これは走行中に見たレネゲードの印象だったが、帰路、ラングラーから乗り換えた赤レンガの駐車場で間近に見た実物も、まったくその通りの印象だった。

 まず、サイズ感が絶妙である。ボディサイズは全長x全幅x全高=4255x1805x1695ミリ、ホイールベース=2570ミリというスペックだが、大きすぎず小さすぎずのボディが最高である。

 ともすれば「小さ過ぎ」とも揶揄されそうなミニジープ的な印象を与えがちなレネゲードであるが、実際のサイズ感はなかなかのものである。ピタリと当てはまらないかもしれないが、フェンダー部分を除いたラングラーの2ドア的サイズ感に匹敵くらいの大きさである。

 だからこそ前席に大人二人が乗り、後席にも大人が乗車できるスペースがあるし、たとえば子供二人の四人家族であればファミリーカーとしての使い勝手も十分にあるから、ジープファミリーの末弟であることには間違いはないが、使えるいい塩梅のサイズ感と言っていいだろう(女性でも気軽に運転できるだろうし、似合うだろう)。

 しかもデザインにも現代的なポップな印象がみなぎり安っぽさは微塵もない。どちらかといえば、外車的な洒落た雰囲気で満たされており、そういう意味での普遍的なブランド力やデザイン力は、国産ブランドのコンパクトSUVには決して出せない本物感溢れるものである。

ジープのDNAがボディ各部に凝縮されているレネゲード。その上で遊び心溢れるポップな雰囲気を醸し出していることから人気が高まっている。ボディカラーのチョイスによってはポップさをより演出したり、オフロードをイメージさせたりと、さまざまなアレンジが可能となるのも魅力。

その昔、米軍がガソリン運搬用に使用したジェリー缶。その表面の「X」 マークがレネゲードのリアテールを含めたデザインテーマとなっている。

台形のホイールアーチはジープ伝統のデザイン。くわえてショートホイールベースも旧ジープを連想させる。4WDを生かした走りで野山も当然走れるが、街中がじつによく似合うコンパクトSUVである。

ジープDNAが刻まれた現代的デザイン

 実際には、レネゲードの各部のデザインはジープの原点からインスパイアされたものが多く含まれている。たとえばベースとなったのが1941年型のウイリスMA。ラングラーの元祖でもある。丸型ヘッドライトや7連スロットグリル、さらには台径のホイールアーチに極めつけのリアテールランプの「×」印。その昔、アメリカ軍のジープが背負っていた燃料運搬用のジェリカンの「×」印をモチーフとしたものであり、そういったもろもろの伝統を踏まえ、若手デザイナーによる現代的なジープがデザインされているのである。

 エクステリア同様、インテリアも見ているだけで楽しい気持ちになれるほど洗練されたものだった。試乗車は「Deserthawk(デザートホーク)」という限定車であり、黒を基調とした内装ながらもメーターやシートの表皮などに遊び心が溢れており、それでいて安っぽさとも無縁な、ちょっとした想像以上のものだった。

 行きに乗っていたラングラーが古風な伝統をウリにしていた存在だけに、現代的意匠を持つ最新の工業製品化されているレネゲードのすべてに驚きつつも、たとえば「端からラングラーを求める向き以外には、当然の出来栄え」とも思えるし、ジープブランドの戦略の上手さを感じたのである。

レネゲードのデザインベースとなっている1941年型のウイリスジープ。丸型ヘッドライトやセブンスロットグリルに台径フェンダーアーチが見て取れる。

写真右のジープの背面に背負っているジェリー缶。その「X」マークがレネゲードのデザイン各部にインスピレーションを与えている。

ジープの最新SUVとして誕生したレネゲード。ジープのオフロードのイメージを持たせつつ、街中での華やかさをも感じさせる。レネゲードが属するセグメントでのライバルにも圧倒的な差を見せつける。

想像以上に硬質な走りに驚きを覚える。完成度は非常に高い。なんといっても2.4リッターエンジンの力強さが利いている。

驚くほど滑らかなジープ

 というファーストインプレッションを終え、早速試乗へ。試乗車は2.4リッター直列4気筒「タイガーシャーク」マルチエア16バルブエンジンを搭載したトレイルホーク。すなわち4WDシャシーを有した上級モデルであり、上記エンジンには9速ミッションが組み合わされている。余談だが、このエンジンとミッションはチェロキーでも実績がある組み合わせだけに期待が持てる。

 一方でFFシャシーをベースとするモデルもラインナップされている。搭載されるエンジンは1.4リッターの直列4気筒ターボエンジンで、6速デュアルクラッチATが組み合わされているが、個人的には「ジープ=4WD」の思いが捨てきれず、あえて4WDモデルの試乗を申し出たのであった。

 その運転感覚であるが、「これが本当にジープブランドのクルマなのか」と疑うほど滑らかだった。ニュートラルからDレンジへギアを入れる瞬間に一瞬の浮遊感があるが、アクセルを踏み走り出せばポップなデザインとは裏腹な硬質で安心感の高い走行性能が味わえる。

搭載されるエンジンは2種類ある。1.4リッターターボエンジンと2.4リッターエンジンである。今回試乗した個体は2.4リッターエンジンを搭載。175hp、最大トルク23.5kg-mを発生させる。

洗練されたインテリア。各部には、外装同様にジェリカンの「X」マークやセブンスロットグリルのアイコンがちりばめられている。

2.4リッターエンジンに組み合わされる9速AT。その変速マナーの素晴らしさに驚きを覚える。パーキングブレーキは電気式となる。

ジープといえば、砂漠やジャングルといった道なき道を踏み越えて走り抜ける象徴的存在。だが、そんな存在が今や街にも似合うのだから素敵である。

2.4リッターエンジン+9速AT+4WD

 搭載されるエンジンには想像以上に力の余裕があり、低速からの十分なトルク感によって街中を走るのはお手の物。その余裕は高速道路でも同様であり、フレキシブルに変速を行う9速ミッションの洗練された動きと相まって、これまたイメージを裏切るほどの走りを体感させてくれる。

 また追い越し車線や合流での加速時にも、欲しいがままに対応してくれる力の余裕が生きており、臆せず追い越し車線をキープするだけの加速感とパワーを与えてくれるのである。

 ボディサイズは言わずもがな、それほど圧を感じる大きさではないし、見切り良く取り回しも良好なだけに、このパワフルさに余計驚きを覚えるのであった。

 搭載される2.4リッター直4エンジンは175hp、最大トルク23.5kg-mを発生させ、1600kgに満たないボディを軽々走らせるだけの力を秘めているが、レギュラーガソリン仕様であり、平均燃費も10km/L程度をキープするということだから、まさに現代的ユニット。もちろん超燃費仕様ということではないが、あらゆる個性を考えれば納得できないレベルでは当然ない。

デザインや液晶にも現代的な質感を備え、情報の見やすさにもこだわったメーター類。

このクラスにしては非常に硬質でシッカリしたシートが備わっている。着座しても頭上や足元のスペースに余裕があり、小さいクルマという印象は全くない。

リアにも想像以上のスペースがある。乗車定員は5人。後席に40:20:40の分割可倒式シートとなっている。

高速道路でも余裕の走りを見せるレネゲード。適度なサイズ感と相まって想像以上の走りと完成度に誰もが納得するはずである。

ボディカラーによって印象が異なる

 ある程度の乗車人数が見込め、荷物も積み込め、アウトドアとオフロードを連想させつつも、都心街中での軽快な走りと取り回しを実現し、なによりお洒落。レネゲードは街中の景色を一変させてしまうほどのデザイン的個性の持ち主でもある。

 国産車ブランドには、こうしたコンセプトを持つコンパクトSUVっぽいものは多数存在するが、レネゲードのような本物感を備えた存在はいまだ見たことがないだけに、人とは異なる最先端の「何か」を求める向きには最高の一台になるのではないかと思うのである。

 なお、今回取材した車両のボディカラーはモハべサンド。今年2月に発売された限定モデル。

 レネゲードはボディカラーによって印象がだいぶ異なり、イエロー等の明るカラーではポップな印章に輪をかけたポップさを演出する。一方で、この試乗車のような砂漠やオフロードを連想させるシブいカラーリングだとジープらしさ全開の本格派的な印象をもたらすから不思議である。

 このカラー、人気が高いということで再び限定モデルとして登場しているから要注目である。個人的にも、入手するなら4WDはマストであり、モハべサンドのボディカラーも是非とも加えたいと、試乗車を見て本気で思ったのだった。

4WDシャシーを持つトレイルホークには、「AUTO」「SNOW」「SAND」「MUD」「ROCK」5つのモードを切り替えることで、あらゆる路面状況で優れた走行安定性を確保するセレクテレインシステムが標準装備される。

砂漠をイメージさせるモハべサンドカラーは、限定モデルとして再登場。非常に人気の高いボディカラーである。

古風なジープからポップなジープまでを

 試乗を終え、ジープ横浜港北にてレネゲードに関する話を伺った。話を伺ったのはアフターセールスマネージャーの新谷氏である。

 行きにラングラーの伝統に触れ、帰路でレネゲードの目新しさに触れさせていただきました。どちらも同じジープですが、180度異なる印象に、改めて驚かされました。ですが、どちらも好みです。

 「同じ丸型ヘッドライトを持ったジープですが、誕生のベースが異なりますね。レネゲードに関して言えばクライスラーがFCAとなってからの産物ですから、メカニズムや機構もまるっきり違います。たとえばメンテナンスひとつとっても、ラングラーには人の手が入る余地がまだあるんですが、レネゲードはまずは電子デバイスを介したCP(コンピューター)のチェックから始まります。そういう意味では、アメリカ車的というよりは、現代的なワールドワイドな車両に生まれ変わっていると言えます。そして、さすがに現代の工業製品だけあって些細なトラブルも極めて少なくなりましたし、今の時代の国産車と同等のレベルでお乗りいただくことが可能になっております」

 個人的にもレネゲードは今イチ押しの車両である。同カテゴリーにはBMWミニが存在するかと思うが、レネゲードもそれに伍するパフォーマンスと製品クオリティを有しており、何より「ジープ」という伝統を持つブランド車両だけに、現代版ジープのポップな雰囲気が街中に溢れ、景色と雰囲気を変えてくれることを期待しているのである。

ユーザーの求める度合いに応じた様々なジープが提供できますと語る新谷氏。それに対応するディーラーの質が求められる時代ですとも。

<ジープ横浜港北>
■営業時間:10:00~19:00
■定休日:火曜・第一水曜(祝日の場合は営業)
■電話番号:045-945-0167
■住所:〒224-0007
 横浜市都筑区荏田南2-10-25

ジープの新たなテーマカラーであるブラックとウッドアクセントの外観、そしてシルバーの「Jeep」のロゴがラグジュアリーな新空間を作り出している。

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>> 前編・2017 ジープ ラングラー アンリミテッド (JEEP WRANGLER UNLIMITED) を見る

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