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試乗記 TEST RIDE 2012 シボレー サバーバン日本ではレアな先代サバーバンを富山で取材

2012 シボレー サバーバン

最後の質実剛健的アメリカンSUV

日本では非常に珍しい2012年型シボレーサバーバンを富山に位置するハッピーアンドドリームで試乗した。

更新日:2018.10.31文/椙内洋輔 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力

ハッピーアンドドリーム
TEL 0120-513-050 [ホームページ] [詳細情報]

先代モデルは日本でも数少ないレアモデル

 つい先日、あるショップでちょうど話に出ていたところだった。「2010年以降くらいのタホ、サバーを仕入れたら今、百発百中で売れますよ」と。

 この2010年以降のタホ、サバーとは、2007年から2014年まで存在したモデルであり、それまでのモデルとは一線を画す洗練されたSUVになりかけている発展途上の存在であった。アメリカンSUVフィールと乗用車フィールとがうまく混ざり合い、個人的には非常に好きなモデルだった。

 だがしかし。その当時のタホ、サバーは、現地の販売価格が一気に上昇してしまい、じつに可哀想なことに、日本での直接のライバルがキャデラックエスカレードということになってしまったのである。「タホで800万?、だったらあと100万プラスしてエスカ買うわ」

 そんなこんなで、当時のタホ、サバーが日本に持ち込まれることは非常に少なかった。と同時にキャデラックエスカレードがその分も含め、一気に増幅したのである。

 だからか、この年代のタホ、サバーが日本の中古車市場で見られる数は極めて少なく、欲しい場合は本国から直輸入するしかなく、直輸入する場合にも現地価格や為替の状況からある程度の費用が予見されるわけである=諦める。

 もしくは諦めなくても、基本的にオーダーありきでの直輸入ということになるから、店頭に並ぶことはまずないのである。さらに、タホよりちょっとデカいサバーバンはなおのことレアな個体である。
タイヤ&ホイール以外がノーマルというのもあるが、乗った感じ、まだまだ新車時のシャキッとした感じが色濃く残ってるし、見切りがよくて、乗っていてボディの大きさを全く感じさせない。
シャシーは、フロントのトーションバースプリングがコイルスプリングに変更され、前後共にコイル式サスペンションになっている。その違いは乗れば明白。またフロントセクションだけに使われていたハイドロフォームフレームがシャシー全体に採用されたことで、ねじれ剛性も大幅にアップしている。
ステアリングを反応の良いラックアンドピニオン方式に変更したり、ロアアームをアルミ合金にしてバネ下重量を軽減するなど、GMがシャシー性能の向上にどれだけ力を入れたかが良くわかるモデルである。
搭載されるエンジンは、5.3リッターV8エンジン。最高出力320hp/5400rpm、最大トルク335lb-ft/4000rpmを発生させ、6速ATと組み合わされる。いまさらながら圧倒的なパワーではないが、耐久性とアメ車らしいドロドロ感をもたらすフィーリングは健在。
それ以前の旧モデルから見た目は大きく変わっても、全体的なフィーリングはキープコンセプトだから固定ファンの期待を裏切らない。
絶対的なサイズがサイズなので、都市部の住宅街の狭い道だと少し持て余すかもしれないが、エスカレードが走っているところでは全く問題なく走れる。
ラグジュアリー系や丸みを帯びた背の低い最新クロスオーバー的SUVが流行っているなか、今このサバーバンを見ると非常に新鮮。まだまだアメ車風味が残っており、特別感が味わえる。

実走行距離の少ない程度良好モデル

 だからこの撮影車を見たときに驚いた。これだけの状態のサバーバンが日本で見られるなんて。

 2012年型シボレー サバーバンLT 4WD。走行距離4万6000キロ弱の実走行。ホイールが20インチアルミに交換されているが、それ以外はフルノーマル。

 この年代のサバーバンは、オプションで22インチタイヤを履くだけに、20インチのホイールに交換されていても大きな障害とはならないし、嫌なら純正ホイールに変えてしまえばいいのだから、しかも実走行5万キロ以内というのが非常に嬉しい。筆者が知っているユーザーは、先日約10万キロ走行の2009年型タホを購入したばかりだし。

 搭載されるエンジンは、5.3リッターV8エンジン。最高出力320hp/5400rpm、最大トルク335lb-ft/4000rpmを発生させ、6速ATと組み合わされる。いまさらながら圧倒的なパワーではないが、耐久性とアメ車らしいドロドロ感をもたらすフィーリングは健在であり、乗るとわかるがイマドキの最新SUVにはないアメリカンなフィールがまだ味わえる。
多彩なシートアレンジが可能であり、すべてを畳んでしまえば巨大な荷室スペースもできる。使い方はあなた次第。

シークレットサービスによる大統領警護にも使用

 この型のサバーバンのマスクには精悍さが増し、男性的な強さを強調しているように見える。インテリアにはそれまでの質素な雰囲気を廃し現代風のアレンジを効かせ、走りからは以前のようなトラック的な緩さや曖昧さが完全に消えている。特にステアリングの正確さと滑らかさは特筆ものである。

 ステアリングに関していえば、ギアの精密さまでもが伝わってきそうなほど洗練されている。だからといってナンパなSUV風になっていないのが嬉しい。むしろシッカリ感が増したことで、非常に骨太なアメ車的な乗り味である。

 キャデラックエスカレードやユーコンデナリなどと多くのパーツを共用しているわけだから、その素地は極めて高い。ただし基本は「サバーバン」であるために、ラグジュアリー的な要素は控えめである。
ハッピーアンドドリームでは、電子デバイスによるテスター整備も可能であり、当然ながらこのサバーバンも事前のチェックを行い納車される。
旧世代のインテリアからすると、一気に10年分以上分くらいの進化を見せたこのモデル。各部のクオリティにも文句なく、スイッチ類のフィーリングにも明確な違いがある。
シートの大きさとか厚さ、車内空間の広さは、いかにもアメリカンフルサイズSUVといった感じだった。
サードシートがなくても大人5人が余裕で乗れるスペースがある。
三列目も大人が余裕で座れるスペースが存在する。
サードシートを出していてもラゲッジの容量は十分あるが、サードシートを折りたためば荷物はいくらでも積める感じがする。

質実剛健さがまだ残っている存在

 だが、質実剛健という意味においては、旧世代と同様、かなりの耐久性が秘められているはずだ。そういう意味でもラダーフレームに大きなボディを載せ、エンジンを縦に置き、V8をドロドロいわせられる「最後の本物」として、アメリカンSUV生活を送るのも悪くないと本気で思わせる。

 とくにタホじゃなくサバーバンであるというところに、アメリカンSUVの本質を見るのである(個人的にはアメリカのシークレットサービスが大統領警護に使ってるシーンが一番好き)。

 まったくの余談だが、最近高速道路上での痛ましい事故のニュースをたびたび見るが、こうした事故における安全性という部分においても、フレームボディの強さは折り紙つきだろう。いまや世界中において「コンパティビリティ」という概念がまかり通っているが、実際にはまずは自分の命や家族の命が優先だろう。

 だからフレームボディのSUVに乗れ、というわけではないが、好きであるならこうしたタホ、サバーバンのような存在は大いなる味方となるはずである。

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