TEST RIDE

[試乗記]

国際感覚を身に着けたアメリカンSUV

シボレー トレイルブレイザー

CHEVROLET TRAIL BLAZER

トレイルブレイザーは、普遍的な国際基準の中に、アメ車本来の魅力を上手く生かした仕上がりである。

更新日:2010.03.02

文/編集部 写真/編集部

アメリカンSUVとしての基本設計を踏襲

 トレイルブレイザーは「普通にいい」。これが大切なポイントで、まったく予備知識なしに乗っても、ほとんど誰も違和感を抱かない。普遍的な国際基準の中に、アメリカ本来の良さを上手く生かした仕上がりだ。エンジンの感触などほとんど日本車に近いし、一般の路上での身のこなしも普通のクルマで、SUVらしいゴツさもあまりない。

 そのくせオフロード性能も一人前なのは、以前に確認済みだ。過酷なオフロードレースとして知られるバハ1000の終着地点で砂漠と土漠に踏み込み、巨大なサボテンの林立する急斜面を登ったり下ったり、西部劇さながらのアクションを、ほとんどジープ・ラングラー並みのフットワークでこなしてくれたから、たぶんどこでも大丈夫だろう。

 それはともかく「普通にいい」のは、基本設計の点で余計な冒険をしていないからだ。フルモノコックか、頑丈な骨を内蔵するユニタリーコンストラクションが主流のSUV界の中で、わざわざ20世紀の末に白紙から新設計しながら、きわめてオーソドックスなボディ・オン・フレームとしたところにも手堅い態度がありありと見える。

 でも、出来あがりは古臭くない。乗ってみればすぐわかるが、舗装のコーナーを攻めても荒れ地を強行突破しても、フレームとボディの結合剛性がかなり高い。これが駄目だと、なんとなくボディだけ横にズレる気配があって落ち着かないのに、トレイルブレイザーなら全体が一つにまとまっている。
 
 それもそのはず、形としては伝統的なラダーフレームだが、縦方向の主要メンバーは完全な閉断面ボックスセクションだし、それに前から後ろまで8本ものクロスメンバーを渡してあるから、ボディなしで走っても、そこそこしっかりしているに違いない。

299.9kmを走行して消費した燃料は50.6リットル。で、燃費は約リッター6キロ。2トンオーバーの重量級であることを考えれば納得できる結果だが、レギュラー仕様であることは嬉しい。

専用設計の直列6気筒4.2リッターユニットを搭載

 「普通にいい」もう一つのポイントは、これもトレイルブレイザーのためだけに新しく設計された、4L型とよばれる直列6気筒4.2リッターユニット。

 前面衝突などを考えて、最近はアメリカでも6気筒ならV型が多数派になってしまったが、それを承知で直6にこだわっただけあって、どう扱っても自然な息吹が嬉しい。
 それも昔ながらのプッシュロッドOHVではなくツインカム、しかも気筒当たり4バルブ、おまけに可変バルブタイミングで、各プラグキャップごとにコイルを載せたダイレクトイグニッションと、最新のトレンドをすべて動員してある。
 回転感もシュル〜ンと、まったく現代そのもので、冒頭にも書いたように、根っからの伝統的アメ車派にすれば無国籍に見えるかもしれない。
 

279馬力、トルク38kg-mを発生させる直6エンジン。今や世界的にも少数派となった直列6気筒だが、高回転まで淀みなく吹け上がる感覚が心地よい。これをアメリカ車らしくない、というマニアのために最上級車にはV8も用意されている。

満足感の高いミディアムクラスのアメリカンSUV

 トレイルブレイザーは、姿こそ逞しいSUVだが、実際にはセダンないしはワゴンとして、ごく普通に使える。後席のスペースも、身長170cm強のドライバーが楽な運転姿勢を取った後ろで、膝の前に拳骨一個半ぐらいの余裕が残るし、クッションの高さも適度なので、膝を抱えるような姿勢にならない。ここを畳む(ダブルフォールディング)と奥行き1.6mの荷室になるが、その際いちいちヘッドレストを引き抜かずにすむのも親切な配慮だ。一時あれほど隆盛を誇ったセダン・ベースのワゴンが絶滅してしまったアメリカでは、家族の一員として賢明な選択と言えるだろう。
 ただし、やはりアメリカらしく? 大雑把な部分もある。たとえば荷室のフロアを持ち上げると、日本車みたいなアンダーフロア・ボックスが現れるが、その容積たるや辛うじてアタッシェケースがおさまる程度しかない。またテールゲートのガラス部分のみ独立して開閉できるのも、実際には地上から開口部まで1.3mもあるし、そこから内部の床まで50cmあるから、よほどの長身でなければ使いにくい。
 それに、せっかくここまで世界を考えて仕立てたなら、色もデザインも没個性的なインテリアにも、ちょっとは工夫を凝らしてほしかった。さらに、バンパーやインナーフェンダーの取り付けなど、きちんと継ぎ目を詰める努力ぐらいすべきだ。いくらモノの割にリーズナブルとはいえ400万円以上も取るには、これでは目の肥えた日本人は納得しにくい。
 だが、全体的な雰囲気から考えれば、ミディアムクラスのアメリカンSUVとして、十分な満足感を与えてくれるだろうし、アメ車の経験が少ない人にとってはちょうど良い「アメ車の味」として役割を果たしてくれるだろう。

アメリカ車としてはステアリングの遊びが少なく、乗用車的なフィーリングだが、生粋の好き者には物足りないかも?

ミディアムクラスのSUVとしては、平均的な荷室スペース。3列シートを備えるエクステンドボディも存在する。

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