TEST RIDE

[試乗記]

ジープブランド発のプレミアムSUV

2022 ジープグランドワゴニア

搭載エンジンはプラグインハイブリッドだがその他の可能性も大

ついに登場したジープグランドワゴニア。フルサイズボディのプレミアムSUVとして復活する。

更新日:2020.09.05

文/石山英次 写真/FCA

プラグインハイブリッドだが、実際には直4からV8スーパーチャージャーまで搭載可能

 ついに登場したジープグランドワゴニアは、フルサイズボディのプレミアムSUV。ボディベースとなっているのは、ラム1500ピックアップ。

 要するに、ライバルはキャデラックエスカレードでありナビゲーターであり、対外的にはレンジローバーという。しかもショートホイールベースとロングホイールベースが存在し、ショートホイールベースをワゴニア、ロングホイールベースをグランドワゴニアと呼ぶ。

 いわゆるタホ、サバーバン的な関係性であり、エスカレードで言えば、エスカレードとエスカレードESVということになるのだろう。

 さらに、あくまでコンセプトカーであるということで、正式な車両スペックは不明だが、搭載エンジンはプラグインハイブリッドだという。

 だが、ラム1500がベースであるわけだから、ラム1500に搭載されている3.6リッターV6から5.7リッターV8、さらには6.2リッターV8スーパーチャージャーのヘルキャットエンジンまで搭載できる可能性は残されているから、正式発表時にはまた違った驚きが待っているかもしれない。

 2022年モデルとして登場するときには、ボディ外版に旧ワゴニアのような木製パネルが装備されている可能性もなくはないし。

 もしくはグランドワゴニアRといったハイパフォーマンスモデルにヘルキャットエンジンが搭載される可能性は十分に残されている。

 さて、発表までわれわれが気になっていたい最大要件、すなわちボディデザインだが、新型は二つのアプローチで開発されたという。

 ひとつがオリジナルに忠実な木製パネル等を使用したレトロスタイルバージョン。そしてもうひとつがジープSUVとして「現代のグランドワゴニア」をイメージして製作したもの。古典的グランドワゴニアの現代的なビジョンである。結果的には、後者を選択し製作されたのが、今回のコンセプトだった。

 グランドワゴニアコンセプトは、オリジナルモデルから「贅沢さ」と「自由」という着想を得て、それらを現代的に解釈したものなのである。

古典的グランドワゴニアの現代的なビジョンによって生まれた新型モデル。旧モデルから「贅沢さ」と「自由」という着想を得てそれを新型に投影させている。



 ちなみに、いわゆるオリジナルモデルの木製パネルであるが、新型のコンセプトにもその木製パーツが使用されているというから驚きである。

 こうした着想のもと製作されたコンセプトだが、堂々たるフルサイズボディとして生まれ、フロントグリルにはセブンスロットグリルが装備される。また、ヘッドライト枠の回りにチーク材が使用されている(←これが木製使用の一部。笑)。

 現代的解釈のもと生まれたコンセプトカーには24インチホイールが組み込まれ、全面ガラスルーフの浮かぶ屋根、といったブラックアウトされたエクステリアスタイルが特徴的。

 また足回りにはエアサスペンションが採用され、ジープならではの高い走破性と極上の乗り心地が提供される。

 一方、エスカレードやナビゲーターユーザーを震撼させる極上のインテリアもまた新型グランドワゴニアの特徴である。

 モダンデザインの解釈としてフルデジタルコックピットを構築し、全域で約45インチ幅の計器モニター類が目前に広がる驚きの空間。

 なんと助手席前にも10.3インチのモニターが装備され、映画やその他コンテンツを楽しむことが可能という(プライバシーフィルムが組み込まれているため、ドライバーからは見えないようになっている)。もちろん後席にもモニター類は装備され、3列シートの7人乗車をより快適に過ごさせる。

 インフォテインメントには、FCAのUconnect 5が搭載され、それ以前のシステムと比較して5倍速の動作速度を実現しているというから、最新かつ万全の状態で乗員を満足させる。

 グランドワゴニアの復活においては、SNS上で多くの方々が賛同し、その多くの意見が旧型ボディの復刻だった。だが、発表されたモデルは旧型の復刻ではなく、現代的解釈のもと登場した最新デザインだったわけだが、いかがだっただろう?

 新時代のプレミアムジープ。詳細スペックやラインナップ&価格帯の発表を待ちたい。

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