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試乗記 TEST RIDE 2021 フォードマスタング マッハE【海外試乗】試乗車したマッハEは『カリフォルニア・ルート1』

2021 フォードマスタング マッハE【海外試乗】

EVアメ車もアメリカンマッスル化の様相を呈す

カリフォルニアは2035年からガソリンエンジンを動力とする乗用車とトラックの販売を禁止する。それに先駆けて進むアメ車のEV化。しかしそれは新たなパワー戦争の幕開けでもあった。そんな中、マスタングが『マッハE』で参戦表明することに。

更新日:2021.05.10文/林 剛直 (Takenao Hayashi) 写真/林 剛直 (Takenao Hayashi)

EVもマッスルカーの様相

 自動車雑誌業界に長年籍を置く身にも関わらず恥ずかしながら、EVに乗るのが初めてであった。というか、別に興味も無かったので乗りたいとすら思わなかったのが本音である。

 私が暮らすココはカリフォルニア州ロサンゼルス。日本のみなさんには全く想像が付かないであろうが、ビックリするほどテスラが走っている環境だ。

 日本で見かける軽自動車の頻度と言っても過言ではない。それくらい右も左もテスラに溢れている。

 が、こちとら古いタイプのV8オヤジ・アメ車ラバー。電子制御はインジェクションですら手を出しかねるほどのアナログぶりで、ましてやEVなどは無縁の存在と割り切っていたのだ。

 そんな意識が180度転換したのは、EVアメ車の未来にかつてのマッスル時代のアメ車を重ねたからだ。
フロントに大きなグリルを持たないことからひと目でEVと分かるエクステリア。マッハEは4つのグレードを展開し、現車は305マイル(488キロ)の航続距離を誇るカリフォルニア・ルート1。
未来に対するフォードの答えの一つがマッハE。「セレクト」、「カリフォルニア ルート1」、「プレミアム」、「GT」の4種類となり、搭載バッテリーや駆動方式の違いで8種類のバリエーションが存在する。駆動方式は、FRの後輪駆動とAWDの四輪駆動となる。
グリルレスのフロントマスクにはマスタングのヘッドライトが組み合わされるが、ボディ全体は抑揚のみで熱処理を思わせるエアダクト系は皆無。そうしたプレーンなボディに若干違和感を感じさせるが、リアテールを見れば一目瞭然で納得する。
近未来的なシンプルインテリアで、15.5インチのタッチスクリーンにナビ、オーディオ、エアコン、カメラの映像、インパネの表示切り替えなどあらゆるコントロール機能を集約している。ダッシュボードにはスピーカーを内蔵。
10.2インチのデジタルスクリーンは実にシンプル。基本的に電池残量と時速がメインで表示される。
他のマスタングと共通するダイアル式のシフターやスイッチ類。センターコンソールの小物入れはワイヤレスのスマホ充電機能付き。Apple Car Playとも連動。

EVアメ車のパワー競争が激化

 今、テスラ・モデルSやXが1020馬力、GMCハマーは1000馬力である。世界に先駆けてアメ車のパワー戦争が凄いことになっている。

 これを楽しまなくてアメ車ファンを公言する資格はなかろうと、一気にハイブリッド&EV指向に目覚めた今日この頃。さっそくマスタングEに乗ってみた。

 さて、100%EVのしかも4ドアでSUVを『マスタング』と呼ぶべきかどうかは、アメリカのモータージャーナリストの間でも賛否両論あるようだ。

 マスタングはポニーカーとして57年間に渡り2ドアのスポーティスタイルを貫き通してきたからだ。

 一方で、マスタングはデビュー当初から幅広い層をターゲットにしたモデルでもある。直列6気筒を積み、誰もが手の出せる、また女性でも乗りやすいグレードと並列で428コブラジェットやボス302をラインナップする門戸の広さが魅力だ。

 長い歴史の中でEVや4ドア、SUVを追加するのもまた、マスタングの揺るぎない根幹ゆえとも言えなくもない。
家庭用電源にも繋げるが。さすがにアメリカの家庭用120V電源では12時間充電しても全体の20%に満たなかったが、点在する急速充電ステーションでなら30分でフル満に。

EVだが野生馬のエンブレムと3連テールランプ

 とにかく現行モデルの意匠をボディ随所に引き継ぎ、野生馬のエンブレムと3連テールランプを付けてこの加速を披露すれば、もうコイツはマスタングでいいと私は思った。

 今回の試乗車したマッハEは『カリフォルニア・ルート1』で、最高出力は290馬力、最大トルクは317lb-ft(グレードによって出力と航続距離が違う)を発揮する。数値としては平均レベルだ。

 ただし、パワーの出方が凄くいい。きっと乗り慣れている方に言わせれば「EVとはそういうもの」と嘲笑されるだろう。

 しかしEV初心者の私には、この下からグワッと盛り上がるトルク感に、一気に惚れ込んでしまった。まさに大排気量V8のそれなのだ。

 上までブン回してパワーを得るのではなく、下からモリモリして合流車線に入る感じ。アメ車好きなら絶対に好きなフィーリングである。体感的には400馬力オーバー。ルート1でこれなら、480馬力&600lb-ftの『GT』はどうなっちゃうんだ!? 更なる期待に胸が膨らむマッハEであった。

※現在の日本の法規では、日本法人としてディーラーを備えるテスラ以外のアメリカンEV車、USトヨタEV車は日本で登録して公道を走ることはできません。
体感的には400馬力オーバー車のような力強さ。EVアメ車も低速からどかっと出るパワー感がアメ車のよう。
流れるようなステッチはグレード『セレクト』と『カリフォルニア・ルート1』専用デザイン。シートヒーターはオプション装備。
6:4分割で可倒するシートを倒した時のラゲッジスペースは1690L分の容量を誇る。カーゴスペースだけでも841Lを確保。
ボンネット下は133Lのトランクルーム。間仕切りは脱着可能。栓を抜くと地面と貫通するから濡れた衣類を入れたり、クーラーとしても使える。

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