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2021 テスラモデル3の導入と近況

「たった4年の違いが遥かな違いに感じるほど」

前回取材したモデルXに続き新たに導入されたモデル3。その理由とその他近況について取材した。

更新日:2022.06.21

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/クワッドドライブ TEL 048-281-5853 [ホームページ] [詳細情報]

テスラを積極的に選ぶ確固たる理由とは

 6月10日にテスラモデルYの日本での販売が開始された。なんとその日一日だけで1000台もの受注があったというから素晴らしい。

 というか、昨年のテスラの日本での販売台数は5000台超。その一年前の販売台数が1900台超ということだから、今年、もしくは来年にはジープを抜き、日本で一番売れている正規アメリカ車になるかもしれない。

 で、筆者も今、テスラに興味津々である。

 というのも、様々な条件を加味して検討した結果、価格という問題はあるにせよ、やはりテスラが現状ナンバーワンに違いないと思っているから。

 それは他メーカーのEV車、例えばメルセデス、BMW、ポルシェ、アウディ etc、を含めて考慮しても現状では総合的にテスラがナンバーワンである。

 プラスして、いま現在北米ビッグ3も積極的にEV車を開発しているが、あのGMをして「テスラを超えたい」と発しているレベル。

 すなわち自動車メーカーが非自動車メーカーだったテスラを超えることを目標にしている時点で負けていると筆者は感じているし、それだけテスラの山は高いということなのだろうと理解している。

▲手前の2021年型モデル3と奥に見える2017年型モデルXの二台使いとは何とも羨ましい。

 で、そんなテスラを知るために研究材料としてモデルXを導入しテスラの性能や魅力を実体験している一人がクワッドドライブの林氏であるが、モデルX購入後から二ヶ月、なんとモデル3を追加導入したというので取材に行ってきた。

 新たに導入されたモデル3は2021年型。先に導入したモデルXが2017年型ということだから、4年分新しくなったテスラ車とも言うことができるはず。

 まずは増車することで新たに確認できたことを聞いてみた。

 「もう4年間の進化は圧倒的だと感じました。モデル3に乗って、2017年型モデルXのハードウエアを丸っきりごっそり新しくしたほどです。そのくらい歴然の差がありました。逆に言えば、クルマの成長が早いというのがテスラの魅力でしょうか。

 具体的には、OTA(Over The Air=無線)でバージョンアップされるので、既存のクルマのようなマイナーチェンジといったものがなく、常にアップデートされています。またオートパイロットの制御がより細かくなっているといった進化もみられます。

 ですので、年々アップデートされるということを鑑みれば、古臭くなる、価値が下がるといった部分においては既存のクルマよりも速度が遅いと言えるでしょう。実際、テスラの中古車の価格はみるみる上がっており、迂闊に手が出せる金額帯ではなくなっています」

▲購入後にタイヤのバランスと取り直したり磨耗をチェックしたり、あくまで研究材料としてそうした各部のチェックを怠らない。

▲タイヤとホイールのバランスも非常に良いという。

 では、モデル3個別の印象はいかがでしょうか。

 「まずは車体の形状がSUVから4ドアセダンに変わっていますから、それだけでも走りが全く異なりますし、車重がモデルXで2570kg、モデル3が1860kgと700kg超違いますから、走り全般において圧倒的に違います。特にボディの剛性感が高く、ハンドリングも良く、低重心であることをかなり実感できています」

 とはいえ、テスラの魅力はそうしたハンドリング等の「走り」だけではないということを林氏は強調する。

 「床面に電池を敷き詰めた車体構成を理解すれば、低重心でコーナリングが良かったりすることはある程度想定できますし、それに関しての驚きはほとんどないです。テスラの魅力とは走りだけではなく、やはり上記したOTAでのバージョンアップを含めたクルマとしての成長の早さだと実感しています。

 例えば、既存のクルマであれば、パワーがいくつでトルクがあって、何千回転からエンジンのフィーリングが変わって、その際の音色が良くて。またハンドリングは軽快で安定感が高いetc といった評論を皆さんは気にすると思いますが、テスラの場合は『車両側の充電性能は?』『次にどんなアップデートが行われるだろう?』『自動運転のレベルアップはどのくらい?』etc そんなところに興味が行くので、もはや自動車としての評価軸が全く異なるはずです」

▲2017年と2021年車とではまるで違うと語る林氏。テスラはOTAで常にバージョンアップされるのでクルマの進化が早いという。

 プラスして、テスラというかEV車全般に関わる「充電」に関する問題についても教えてくれた。

 「まずテスラは、自宅充電の他にテスラ独自のスーパーチャージャー、そして日本で普及しているCHAdeMO(チャデモ)、さらに宿泊施設等に設置されているテスラ専用のデスティネーションチャージングにて充電することが可能です。一方で国内EV車や欧州EV車は、自宅充電の他にCHAdeMO(チャデモ)のみ対応しているという現状です。ポルシェで一部ターボチャージャーという専用充電がありますが、それはまだ数がわずかですから、ほとんど効果はないと思います」

 このCHAdeMO(チャデモ)の急速充電器の最大出力は50kW。最近90kW〜150kWが登場しているというが、まだまだ数が限られる。

 一方で、テスラのスーパーチャージャーは、かつては120〜150kWだが、テスラはモデル3導入後から250kWのより高出力なスーパーチャージャーを整備しており、圧倒的な充電スピードを実現しているのである。CHAdeMOの90kWの2.5倍上の出力を持って充電できるから同じ30分の充電でも差が歴然になのだ。

 「このCHAdeMO、かつては日本や中国、またアメリカでも使用されていた充電規格であるのですが、ここ数年アメリカでは欧州でも使用されているCCSに統一されつつあり、今やCHAdeMOを使用しているのは日本と中国のみ、といった偏った感じになっているのが気になります。

 欧州ではCCS2になって最高出力350kWまで進化していますから、日本のCHAdeMOの90kWを知れば、あまりに進化が遅くて逆に心配になります。くわえて、この規格問題が長引けば、将来的にアメリカ製EVを日本に並行輸入することは難しくなりますし」


 その昔、ビデオテープにVHSだベータだ、みたいなものがあったが、まさか充電規格にもそんな問題があったとは、悲しくなる!(だいたいそういった問題が起こるたびに日本だけが取り残されるといった感じになるのが大問題)

 例えば、今日本で売られているポルシェタイカンは実際には150kWの許容範囲があるにもかかわらず、日本で購入したユーザーは90kWのCHAdeMOで充電することがほとんどになる(ポルシェ専用のターボチャージャーでは150kWが可能だが数が限られるし、150kWのCHAdeMOもまだまだ数が限られるから)。

 一方で、テスラは各モデルの開発とともに充電インフラ自体もテスラ独自に開発&広めているから年々その差が開き、充電インフラまでを検討すれば、現時点では間違いなくテスラの圧勝ということになる。

 世の多くの自動車評論家さんが、ポルシェタイカンやアウディe-tron、BMW iXといったEV車の評論をしているが、あくまで車両紹介をしているのみで、充電インフラを含めた使い勝手にほとんど触れないのは、触れれば購買力を削ぎ、また現状テスラに全く勝ち目がないということが推測できるのである(ほんの一部にまともな評論をする方もいましたが)。

▲EVを知っていくと充電インフラについて学び、そこで大きな問題というか壁を知るという。そういうところからも結局現状ではテスラが唯一の選択肢になり得ると説明してくれる。

 「海外のように300kw以上の充電インフラ網が整え充電0%の状態から80%まで10分~15分(電池容量、電池温度、残量によります)で充電できるようになりますから、ガソリンを給油するレベル+αで維持できると思いますから、それこそEV社会の実現に向け重要な要素だと思います。最近、大黒PAに導入された最新マシンでさえ90kwです。日本が海外と比べていかに遅れているかということです。ちなみにこの出力だと30分充電しても40%~50%程度しか満たせません。

 そんな中で唯一の救いがテスラの独自のインフラです(最新は250KWを実現している)。EV=充電インフラと捉えれば、現状テスラ以外の選択肢に食指が動かないのは致し方ないと思います。プラスして問題提起をするならば、これだけカーボンニュートラルと言っているにもかかわらず、米国からハイブリッドやEVが輸入ができないのは何故でしょう? 国内市場を守るためなのか? ただ対応が遅いだけなのでしょうか?」


 EV関連の補助金等はある程度充実しているのだから、その流れをさらに広げて、EVの輸入の自由度を上げてもらいたいと筆者も声高に訴えたい! 

 なお、林氏はモデルYのパフォーマンスを予約したというし、GMC ハマーEVの独自輸入を試みたりと、まだまだ研究の歩みを止めず、というか逆に勢いを増しているから、今後も随時取材し情報を公開していきたいと考えている。

▲米国から独自にGMCハマー等のEVを輸入してみたいと研究対象はどんどん広がるばかり。今後の動向にも注目したい!

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