更新日:2022.10.04
文/田中享 写真/ゼネラルモータース
コルベットがC8に変わった時からずっと思っていたが、コルベットはやっぱりフェラーリになりたいのだろう(笑)。いや正確には、フェラーリのようなスーパーカーになりたいのだろうと思う。そんな気がしてならない。
余談だが、今、フェラーリの正規ディーラーでは簡単に買える状態ではないという。いわゆる顧客リスト的なものがあって、歴代オーナーの優良顧客が優先されるらしい。
だから一見さん的なお金持ちさんが正規ディーラーでフェラーリを買うのは至難の技。で、そんなお方がコルベットに流れているのだと言う。とはいえ、コルベットの輸入量もさほど多くはないから果たしてどうなるのか。
話を戻すが、そんなフェラーリになりたいコルベットが遂に本気を出した。Z06である。
デビュー以前から話題沸騰のZ06。個人的にはガソリンエンジン車最後の超大物としてめちゃくちゃ期待している。
というのも、エンジンは新設計の5.5リッターV8NA。もはやイタリアンスーパーカーですらターボ化やハイブリッド化されているなか、「本気か?」と言えるようなこだわりよう。
そのエンジンは、5.5リッターV8DOHC(LT6)で、高回転型を目指しフラットプレーンのクランクシャフトを使用している!
ご存知、フラットプレーンのクランクシャフトは、シェルビーGT350に使用され、アメ車オーナーのなかでも認知度がかなり広まったクランクシャフトの形であるが、Z06もそれを使いレッドゾーン8600rpmを実現している。これ、シェルビーGT350の8250rpmをゆうに超えるている。
そしてパワーは670hp/8400rpm、最大トルク460lb−ft/6300rpmを発生させるが、それぞれの発生回転数に注目である。このご時世にどんだけ高回転型なのか(笑)。ミッションは8速のDCTである(MTがあったら最高だっただろう)。
ノーマルC8の6.2リッターV8LT2エンジンで495hp/6450rpm、最大トルク470lb-ft/5150rpmを発生させるから、最大トルクで若干劣るが、マックスパワーで175hpアップ、しかもNAエンジンで、というのが凄まじい。
一方、これに合わせサスペンションを改良。タイヤサイズ、フロント275/30・20インチ、リア345/25・21インチを履き、カーボンホイールの設定もある。これまた余談だが、同じサーキットをカーボンホイール装着で走ると約1.5秒タイムが縮まるらしい。そのくらい違いがあるという。
当然ブレーキもアップグレードされ、オプションにはセラミックカーボンブレーキも用意されている。
と、ここまで書いてZ06はやはりフェラーリのような存在だと思うし、もしかしたら超えている可能性すらあるかもしれないと思う。
ちなみに、対フェラーリとするなら、正直10年は遅いと思う。フェラーリはこのような段階を終え、すでにもう一段別の次元に進んでしまっているから。だが、その進化に否定的な方がいるのも確かであり、そういう方々にこのZ06は響くのではないだろうか。
そしてもう一つ。世界中がガソリンエンジンに見切りをつけて次なる段階に進んでいるにもかかわらず、あえてコルベット史上最強のNAエンジンを搭載したマシンを開発&発売するGMの執念も素晴らしい!
アメリカではやっとZ06が動き出し、現地での試乗会も行われているから、じきに日本にやってくるかもしれない。ただ、入手するには相当の運が必要だと思う(笑)
GMが本気を出してフェラーリ超えを果たすコルベットこそがZ06であり、チャレンジャーヘルキャットとはまるで異なる両極端な最強マシンの一角を占める存在。
純ガソリンエンジン搭載かつカミソリのごとき研ぎ澄まされたV8NAエンジン搭載のミッドシップスーパーカーとしてきっと歴史に残る一台となるだろう。
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