更新日:2016.09.02
文/田中 享(Tanaka Susumu) 写真/田中 享(Tanaka Susumu)
アメ車ワールドではこれまで何度かイベントを企画&運営&取材しています。『アメ車オーナーミーティング』とか『日本コルベットファンミーティング』とか。
また、大磯ロングビーチで開催していた『ロングビーチクラシック』や富士スピードウェイで開催される『スーパーアメリカンフェスティバル』にも協賛してますし、クラブやショップの主催するイベントを取材する機会も頻繁にあります。
で、イベントの場合、カメラマンに撮影を依頼することもありますが、オーナー車両の撮影に関しては、ほとんどの場合、私も含めた編集者が行います。編集者と言っても、うちの業界の編集者は漫画や小説などの編集者とは違って何でも屋さんなので、写真も撮れれば原稿も書けるんですけどね。
でも、やっぱり餅は餅屋。専門のカメラマンほど上手くは撮れません。もちろん仕事でやってるわけですから、そうは言っても一般の素人さんよりは大分奇麗には撮れますが(笑)。
イベントの取材の際に、専門のカメラマンではなく編集者が自分で撮影する理由は大きくわけて2つ。
ひとつ目は時間の問題です。イベントの場合、試乗企画などの取材と違って大量の車両やオーナーを撮影しなければならないのですが、撮影に費やす時間はカメラマンよりも編集者の方が圧倒的に短くて済みます。
何故かというと、編集者の方が撮影に気を使わないからです。誤解がないように説明すると、これは手を抜いているというのとは少し違います。編集者の場合、それがアメ車ワールドの様なネット媒体にしろ、雑誌などの紙媒体にしろ、記事を掲載する際の『絵』が頭にある状態でシャッターを切るので、撮影時に考える時間がほとんどないからです。
イベント紹介記事におけるオーナーやオーナー車両というのは、ほとんどの場合、それほど大きな写真は必要ありません。おまけに1台1台に時間をかけて撮影していては、イベント時間内に必要な写真が全て撮れないので、自然と手が速くなるわけです。
しかし、専門のカメラマンの場合、編集者側が「サッとでいいから」と指示したにしても、やっぱり心のどこかに「自分の作品」という意識があるので、ちょっとした構図の違いやオーナーさんの視線、背景などが気になってしまい、結果的に1台にかかる時間が増えてしまうんですよね。
つまり、「専門のカメラマンに依頼すると必要以上に時間がかかる」というのがひとつ目の理由。そしてこれには「イベント紹介記事は、専門のカメラマンに撮影を頼むほどのクオリティを必要としない」という裏事情もあります。
で、もうひとつ目の理由がコスト。つまり経費の問題です。
編集部のスタッフが撮ればタダですが、外部の専門のカメラマンに撮影を依頼した場合、当然ながらギャラが発生します。そして、カメラマンのギャラというのは、ほとんどの場合、そのカメラマンの『腕』=『写真のクオリティ』に比例する。前記した通り、イベントの撮影の場合にはそこまでクオリティを求める事は滅多にありません。が、何らかの理由で、それでも『質』を求める必要がある場合、イベントの規模によっては複数のカメラマンが必要となる。結果益々コストが膨らんでしまう。赤字になる。それは困る、と(笑)。
とまあ、以上2つのような理由から、イベントの取材では担当編集者が自分で撮影する事になるわけです。
ただ、そうは言っても我々編集者が撮る写真よりもカメラマンが撮影した写真の方が奇麗(カッコイイ)のは間違いない。なんせそれ専門で生活してる『プロ』ですからね。当然です(笑)。
我々編集者目線では『費用対効果』の問題は重要だし、時にクオリティよりも時間やコストを重視するのは仕方ない話なんですが、被写体=オーナーさんにしてみれば、少しでも格好良く愛車を撮影して欲しいと思うだろうし…。プロに愛車を撮影してもらう機会なんて、普通はそうそうないですからね。
と、ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、要するに「腕の良いプロカメラマンが車両を撮影し、その写真データをダウンロード出来るようにしたら、オーナーさんは喜んでくれるんじゃないかな?」と考えたわけです。
スマフォやフューチャーフォンの待受画像程度のサイズのデータなら少々枚数が多くても簡単にアップできるし大した手間にはならないんで。これが印刷対応のデータとなると画像補正やデータのやり取りなど、手間も時間もかかって大変だし、それこそコスパ的に無理なんですけどね。
そういうわけで、今回初めての試みとして、イベント会場内にスペースを作って流れ作業的に撮影をしてみたわけですが、それが最下部リンク先の写真です。
今回、こういった撮影が出来たのは、いくつかの理由というか、好条件が重なったからでもあります。
まず第一は、イベント会場の条件が良かったこと。富士スピードウェイのイベント広場というのはソコソコ広い上に、屋根がある(=天候に左右されない)スペースがあります。まずこれが良かった。せっかくカメラマンを用意しても、雨で撮影が流れたんじゃたまりませんから(笑)
第二の好条件は、今回がコルベット単体のイベントで台数がそれほど多くならない事が分かっていたから。これがアメ車オーナーミーティングみたいにオールジャンルでやるイベントの場合、仮に開催条件が同じであれば確実に500台以上は集まりますからね。それを全部撮ろうと思ったら、カメラマンが団体で必要になります(笑)
あと、コルベットのイベントの場合には、クラブ単位などで集まる方も多いので、クルマの誘導とか、撮影の流れを徹底するのも楽なんですよね。フリーの参加者が多いイベントだと、撮影の順番を決めたり会場内を撮影場所まで誘導するために大勢のスタッフが必要になり、そこでまたコストが…
なんかダラダラと書いてしまいましたが、↓こういう写真、どうですかね? こっちの思惑通り、喜んでいただけるんであれば、もっと本格的にやり方を考えますが…
>>JCFM 2016 待受写真
あと、今回の発展系として、撮影した写真をパネルやデータで個別販売するとか? パネルに出来るほどのサイズとなると、カメラマンの手間も増えるしさずがに無料というわけにはいきませんが。
でも、考えようによっては、たとえばA3くらいのパネルにして1枚1万円とかで販売すれば、仮に30人くらいのオーダーが集まれば、紙代や印刷代やフレーム代といった材料費を差し引いても、そこでカメラマンのギャラもまかなえるし、そうすれば参加台数が増えてもその分だけカメラマンを雇う事ができるし、こっちも助かるんですが、でも、媒体主催のイベントは営利目的にはしたくないし…、うーん…
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES