過去に取材したハマーH1 4ドアオープントップが売れて、オーナーさんに納車された。そのオーナーさん、ジェットスキーなどを楽しむ、かなりアクティブな御方ということで、ハマーH1でジェットを牽引するという。そしてH1を日常的に使いたいということからオープントップを改め、より耐候性の高いパーツ装着を検討していた。
実際問題としてオープントップの場合、物を積むにも大きさや量の制限がある。また雨天時の耐候性やセキュリティ等を考慮すると、たしかにオープンは魅力だが、走る以外の目的にも使うことを考えるとやっぱり屋根が欲しい(オープン走行は格別なので、非常にもったいない話だが仕方ない)。その結果がスラントバックの採用だった。
ハマーH1にはバリエーションとしてスラントバック仕様(ディーラーオプションとして)がオリジナルで存在していた。ちなみにHUMVEEにもスラントバックは存在する。この両者、実際には同じスラントバックでも真横から見たシルエットが異なるのが特徴。
で、今回装着したスラントバックはH1オリジナルを模したCalifornia Gold製の社外品である。H1はすでに生産終了しているため、純正オプションパーツなどの入手が困難になっていることもあり、一番完成度の高い社外品をセレクトしたのである。このパーツの特徴は、Removable、Light Weight、All Aluminum、Weather Tight、Easy to Install、Secures Vehicle、Lockable、Modularということらしい(添付の仕様書に明記だが、ホントかよ?)。つまり、取り外し可能で、軽くて、オールアルミの簡単装着品(ざっくり言えば)。そして重量は約57キロという。
ということで、本国からパーツを取り寄せ実装着が開始された。
まずは図面通りに装着し、取り外し可能状態で試してみたが…、実際に走ると恐ろしい状況が待ち受けていた。エンジン始動時に、ディーゼルよろしくかなりの振動を発するためか、モノ凄いガタガタ音が発生!。また若干の隙間などが見られることから、恐らくこのままの状態だと日本の気候には適さない…(いわゆる雨漏れが)、それでは意味がないだろう。
ということで、もろもろの状況判断のもとに完全固定での装着を目指すことになった。
ベルエアーは工場の他に、板金塗装ブースを自社で備えるために、一貫した施行が可能になる。その利点を生かして、装着するスラントバックをつや消しブラックにペイントすることも、同時に行われた。
だが、このペイント作業も難ありだった。パーツ単体でペイントするならまったく問題ないのだが、ペイント後にボディとの仮合わせをしなければならないために、そしてスラントバック自体の重量とその後の作業工程を考えた場合、先にペイントした場合キズがつく恐れがあるために、ボディとの仮合わせをした上で車上に載せたままペイントすることにしたのである。
またオープントップのスラントバック仕様となるため、もともとのルーフがない車両とスラントバックとを仮合わせするのだが、これがまた非常に大変だった。
今回は、フロント上下を8本のビスで4カ所留め、リアは天板沿いに8本、ロールバーに4カ所クランプで留める仕組みを取り、ボディ自体とスラントバックの密着箇所には、パネルボンドを流し込み固定。また微妙な隙間には、ラバーやシーラーなどで補強し、外部からの雨漏れの進入を防ぐこととしたのである(感覚的には、昔よくあった、トラックの荷台にキャノピーを取り付けたような感じに似ている)。
装着後のH1は、まずスタイリングの印象がまるっきり変わり、リア部分が一方的に長くなったようみ見える。それにボディの厚みが太くなり、大きくなったような印象だ。
だが、このスラントバック仕様の迫力はモノ凄い(個人的にも初見)。リアの造形はまるで戦車のような、ちょっと異様な雰囲気。オープントップ時は、どちらかというとオシャレな雰囲気も備えていたのだが、スラントバックになった途端、軍用車風情が格段と高まり、完璧なるハマーオーラを醸し出している。
オーナーさんも満足ということで、このクルマにジェットスキーを牽引し、休日を楽しんでいることだろう。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES