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オープントップも魅力的だが…

ハマーH1、スラントバック仕様にカスタマイズ

アルミ製スラントバックルーフを装着

ハマー H1 を日常的に使いたいということからオープントップを改め、より耐候性の高いパーツ装着を検討していた。その結果がスラントバックだった。ハマーH1を長年取り扱っているベルエアーでの装着過程を紹介しよう。

更新日:2012.06.07

文/石山英次 写真/石山英次/BELAIR

取材協力/BELAIR TEL 0436401212 [ホームページ]

ただ走るだけなら、かなり魅力的なのだが…

 過去に取材したハマーH1 4ドアオープントップが売れて、オーナーさんに納車された。そのオーナーさん、ジェットスキーなどを楽しむ、かなりアクティブな御方ということで、ハマーH1でジェットを牽引するという。そしてH1を日常的に使いたいということからオープントップを改め、より耐候性の高いパーツ装着を検討していた。

 実際問題としてオープントップの場合、物を積むにも大きさや量の制限がある。また雨天時の耐候性やセキュリティ等を考慮すると、たしかにオープンは魅力だが、走る以外の目的にも使うことを考えるとやっぱり屋根が欲しい(オープン走行は格別なので、非常にもったいない話だが仕方ない)。その結果がスラントバックの採用だった。

 ハマーH1にはバリエーションとしてスラントバック仕様(ディーラーオプションとして)がオリジナルで存在していた。ちなみにHUMVEEにもスラントバックは存在する。この両者、実際には同じスラントバックでも真横から見たシルエットが異なるのが特徴。

 で、今回装着したスラントバックはH1オリジナルを模したCalifornia Gold製の社外品である。H1はすでに生産終了しているため、純正オプションパーツなどの入手が困難になっていることもあり、一番完成度の高い社外品をセレクトしたのである。このパーツの特徴は、Removable、Light Weight、All Aluminum、Weather Tight、Easy to Install、Secures Vehicle、Lockable、Modularということらしい(添付の仕様書に明記だが、ホントかよ?)。つまり、取り外し可能で、軽くて、オールアルミの簡単装着品(ざっくり言えば)。そして重量は約57キロという。

 ということで、本国からパーツを取り寄せ実装着が開始された。

まずは仮留め状態。仕様書には取り外し可能とあるが、日本の道路事情や気候などを考えると、不安定さが気になるところ。もろもろを考慮して、今回は固定することにした。

今回はスラントバックを、フェンダー等と色合わせをするために、つや消しブラックにペイントすることにした。仮合わせのことも考え、仮留め状態でペイントを実施。

こんな感じ。ハマーをメンテナンスできる広大な整備工場の他、板金塗装ブースを備える、自社一環作業が可能なベルエアーならではの対応だ。

以前取材したのが昨年の夏。モノ凄い贅沢なクルマだった。ハマーで、しかもオープンなんて。真夏でもトップを外して走れば、気持ちよさは格別だったし。海にも、この仕様の方が似合っている気もするが…。

軍用車風情の完璧なるハマーオーラ

 まずは図面通りに装着し、取り外し可能状態で試してみたが…、実際に走ると恐ろしい状況が待ち受けていた。エンジン始動時に、ディーゼルよろしくかなりの振動を発するためか、モノ凄いガタガタ音が発生!。また若干の隙間などが見られることから、恐らくこのままの状態だと日本の気候には適さない…(いわゆる雨漏れが)、それでは意味がないだろう。
 ということで、もろもろの状況判断のもとに完全固定での装着を目指すことになった。

 ベルエアーは工場の他に、板金塗装ブースを自社で備えるために、一貫した施行が可能になる。その利点を生かして、装着するスラントバックをつや消しブラックにペイントすることも、同時に行われた。

 だが、このペイント作業も難ありだった。パーツ単体でペイントするならまったく問題ないのだが、ペイント後にボディとの仮合わせをしなければならないために、そしてスラントバック自体の重量とその後の作業工程を考えた場合、先にペイントした場合キズがつく恐れがあるために、ボディとの仮合わせをした上で車上に載せたままペイントすることにしたのである。

 またオープントップのスラントバック仕様となるため、もともとのルーフがない車両とスラントバックとを仮合わせするのだが、これがまた非常に大変だった。

 今回は、フロント上下を8本のビスで4カ所留め、リアは天板沿いに8本、ロールバーに4カ所クランプで留める仕組みを取り、ボディ自体とスラントバックの密着箇所には、パネルボンドを流し込み固定。また微妙な隙間には、ラバーやシーラーなどで補強し、外部からの雨漏れの進入を防ぐこととしたのである(感覚的には、昔よくあった、トラックの荷台にキャノピーを取り付けたような感じに似ている)。

 装着後のH1は、まずスタイリングの印象がまるっきり変わり、リア部分が一方的に長くなったようみ見える。それにボディの厚みが太くなり、大きくなったような印象だ。
 だが、このスラントバック仕様の迫力はモノ凄い(個人的にも初見)。リアの造形はまるで戦車のような、ちょっと異様な雰囲気。オープントップ時は、どちらかというとオシャレな雰囲気も備えていたのだが、スラントバックになった途端、軍用車風情が格段と高まり、完璧なるハマーオーラを醸し出している。

 オーナーさんも満足ということで、このクルマにジェットスキーを牽引し、休日を楽しんでいることだろう。

ボディの四隅の密着度はかなり重要になる。仮留めの状況から完成度にこだわり、試行錯誤。雨漏れや振動による騒音防止に関して、出来得る限りの策を講じた。さすが!

フロント上下を8本のビスで4カ所留め、リアは天板沿いに8本、ロールバーに4カ所クランプで留める仕組みを取り、ボディとの密着度を上げた。もともと剛性の高いハマーH1だけに、製作終了時には見違えるような完成度になった。試乗したが、ルーフに関する異音等はまったく発していない(そもそもエンジンの振動が凄いので、あまり気にならないのだが)。

こちらはホンモノのHUMVEEのスラントバック。H1と比較するとボディの厚みが異なるのがお分かりいただけるだろうか?

ハマーとしての存在感が増したスラントバック仕様。えも言われぬ趣がある。リアのハッチが出来たおかげでセキュリティ面でも、ある程度使えるようになったという。

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