更新日:2013.03.29
文/石山英次 写真/ゼネラルモーターズ
2014年のシボレーカマロに加えられたマイナーチェンジは、かなり大掛かりなものだった。まずフロントリアともに改訂され、フロントはヘッドライトの開口部が狭くなり、かなり引き締まった印象をもたらす。
またSSモデルにはボンネットフードにフードベントが装着され、熱対策と高速走行時のリフトを抑える役割を果たすという。
リアは、次期コルベットに現行カマロに似たリアテールが採用されたからか、カマロのリアテールを一新している。
一方、遂に復活したZ/28のスペックはかなり刺激的である。カマロZ/28といえば、初代が1967年に発表され、カマロの歴史において常にハイスペックマシンとして名をはしたモデルである。現行型においては、「ZL1」を登場させたことにり、存在を忘れられた感もあったのだが、さすがGM。このマイナーチェンジを利用して、一気呵成に攻めて来た。
今回復活したZ/28は、すでに登場している「ZL1」との差別化が図られ、サーキットスペックを重視したセッティングが施されている。考え方によっては、コルベットにおける「ZR1」と「Z06」と似たような関係性と思えば分かりやすいか。ストリートは「ZL1」でサーキットは「Z/28」ということだろう。
搭載されるエンジンは、LS7型の7リッターV8。スーパーチャージャーを搭載している「ZL1」とは異なり、自然吸気NAエンジンで500hp超、最大トルク470lb-ftを発生させる。なお、このエンジンに組み合わされるミッションは、現状では6速MTのみとなり、エアコンはオプションとなる。
ボディは、空力優先のデザインがなされ、ダウンフォースを稼ぐためにフロントスプリッターやリアウイングを装着。足回りに関しては、コーナリングGが1.05まで耐え得る旋回速度と4段階調整のサスペンションを有し、19インチタイヤはピレリPゼロT rofeo Rを履く。なお、ブレーキはブレンボ製のカーボンセラッミック製である。
サーキットスペシャルということで、軽量化もかなり煮詰められている。オーディオや遮音材などを廃止し、ガラスの厚みを薄くするなどで、カマロSSに対して45キロ、スーパーチャージャー装着のZL1に対して136kgの軽量化を果たしている。
マスタングにBOSS302というモデルがあるが、そのカマロ版とも見て取れるZ/28。フェイスリフトが行われ、一段とシャープになったデザインとクオリティで定評のあるカマロのサーキットスペックモデルともなれば、誰もが一度は興味を持つはず。
自然吸気NAエンジンの現最強スペックの持ち主である6.4リッターV8搭載のSRT-8 392達もうかうかしていられないだろう。
フロントスプリッターの大きさがよく分かると思います。
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