かつて日本では、ランドクルーザープラドとRAV4の間を埋める存在としてハイラックスサーフという一世を風靡したSUVがあった。4ランナーとは、その兄弟車にあたる存在としてアメリカで専売されていたものである。
初代4ランナーは1983年に米国でデビューした。以来4世代、25年に渡る累計販売台数は150万台以上に達したという。現在販売されているのは、2009年に登場した5代目モデルだが、日本では4代目を最後に販売を終了してしまった。つまり、この5代目モデルからは逆輸入しなければ手に入れることのできない、北米専用モデルとなったわけである。
この5代目4ランナーはベースの「SR5」、最上級の「リミテッド」、オフロード重視の「トレイル」の3グレードで構成される。
駆動方式は2WD(FRベース)と4WDが用意され、モノコックボディ全盛期の今日においても、ボディオンフレームの車体に4リンクリジッドのリアサスをかたくなに受け継いでいる(この乗り味が素晴らしくいい!)
外観は4ランナー伝統のスクエアなボディを継承しつつ、大径タイヤ&ホイールやワイドフェンダーなどで、いっそう力強い雰囲気を強調。SR5とリミテッドは、オーバーフェンダーやサイドスカートがボディ同色となり、グリルやモールなどにクロームがあしらわれる。ドアミラーには、ウインカーを内蔵。アルミホイールはSR5が17インチ、リミテッドが20インチだ。
ボディ同色のワイドフェンダーや力強い印象のフロントマスクが4ランナーの特徴である。
SR5に標準で装着されるホイールは17インチだが、リミテッドには20インチホイールが標準で装着される。余談だが、4ランナーベースにカスタムするなら、20インチまでは余裕で履きこなせるということである。
リアドアのガラスの開閉が可能である。この装備は日本でも、ハイラックスオーナーの特権であった。
搭載されるエンジンはもとは2.7リッターと4リッターの2種類だったが、現在では全車4リッターV6に統合されている。出力は、FJクルーザーのそれを若干上回る270hp、最大トルク38.5kg-mを発生させる。組み合わされるトランスミッションは、全車5ATのみだ。
サスペンションは前ダブルウイッシュボーン、後4リンク。4WDはグレードに応じて2種類が設定され、トレイルとSR5がパートタイム4WD、リミテッドがスイッチ操作で3モードを切り替えるセンターデフロック付きのフルタイム4WDとなる。
インテリアは、高いクオリティを有し、メーター類の視認性や各部の操作性を追求した設計である。フロントシート背部のデザインを見直し、また後席2列目の足元空間のサイズを見直したという。
4段階のリクライニングが可能な2列目シートは、40対20対40の3分割式。レザーシートはリミテッドに標準で、SR5にオプション。トレイルは防水加工を施したファブリック素材を使用する。ちなみに取材したSR5は5人乗車だが(3列目をオプションで選択可)、その他グレードは3列目シートを有する。
搭載されるエンジンは、4リッターV6。270hp、最大トルク38.5kg-mを発生させる。低速トルクの強烈さが印象に残るエンジンだった。
質実剛健といえば質素なインテリアが想像に浮かぶが、4ランナーのインテリアは、各部のクオリティやデザイン製が高く、トヨタ的な意匠も感じるのだが、満足できる質感を有している。
ミッションは5速AT。操作性が良いシフトレバーとその奥に見えるトランスファーレバー。
かつてハイラックスサーフに何度か乗ったことがあるが、その時の経験からすると4ランナーの造りは明らかにいい。聞けば現地でも、アッパー、ミドルクラスに位置する車種であり、装備も造りもかなり豪華な部類という。身近な車種でいえば、FJクルーザーよりもワンランク上の位置づけといえばわかりやすいか。
そんな4ランナーの質感は、室内に乗り込んだ瞬間にも体感できる。無骨といえばたしかに無骨だが、全体的な造りやタッチ、操作性が予想以上にいいのだ。試乗車はSR5だったためにシート素材がファブリックであったが、ホワイトボディと室内のクリーム系のコンビネーションが良く、この業界特有のブラック一辺倒ではない明るい雰囲気が魅力的である。
走り出して気付くのはステアリングのガッチリ感だ。レスポンス良く、それでいて軽過ぎないステアリングは、さすが本格的オフローダー。サスペンションも、旧アメ車のように路面を凹凸をまったく苦にすることなくいなし、強靭なボディと相まって走るたびにドライバーに感動を与えてくれる。北米トヨタ曰く「20万キロ走行を想定している」というだけあって、各部の頑強さや耐久性は折り紙付きだろう。
視認性やクオリティを上げたというメーターパネル。
クリーム系のファブリクシートが明るい印象をもたらす。ホワイトのボディカラーとのマッチングも良好。座面等シートの完成度も高い。
セカンドシートは、旧モデルから足元の広さが見直されたと言うが、同クラスのライバルたちと比較しても、広大なスペースを有している。
一方で搭載されている4リッターV6もこれまた絶品だった。とにかく力に溢れたエンジンであり、トルク感がもの凄い。正直アメ車以上の力強さを感じさせるエンジンである。2トン以上のボディに270hpだから、数字上のパワーはたいしたことないのだが、乗ると低速から豊潤なトルクがわき出し、軽々と走らせてくれる。一般道&街中での振る舞いに関していえば、セコイアよりも軽々走る印象である(アクセル開度が少なくて済む)。
FJクルーザーとの比較でいえば、「軽く感じるものが軽々走るのがFj」であり、「重たく強いものが軽々走るのが4ランナー」といったところか。決してFjをけなしているわけではなく、あくまで体感上の印象を述べただけであるが、4ランナーに関しては、何か特別なツールとしての強さが全体的に滲み出ている感じである。
ボディの大きさや搭載されているエンジン的な比較でいえば、すでに絶版となっているシボレートレイルブレイザーや旧世代のフォードエクスプローラーに近い存在といえば分かりやすいかもしれない。
だが、それらと比較した上でも正直、4ランナーの方が格段に格上である。質感、性能…、どれをとってもだ。特にすべての造りにおいて甘さが微塵もないのが、素晴らしい(その甘さをもってアメ車を楽しむということも言えるのだが…)。
こういった旧アメ車の質実剛健系がどんどんなくなっていく今、4ランナーは格好の1台であることは間違いない。
取材車輌は5人乗りということで、広大な荷室スペースが現れる。他のグレードでは3列目シートを有するが、あくまでもエマージェンシー的なシートになるのは否めない。であれば、割り切って5人乗車+荷室が正解かも!
言い忘れたが、シフト横にあるボタンがリアドアのガラス開閉のスイッチとなる。
力強い硬質な走りは、プロスペック的なツールを思い起こさせるレベル。20万キロ走行を想定した頑強な走りを体感あれ!
ステアリングを握るだけで、その骨太な骨格を感じることができる。愛でる対象になるかは別として、道具と捕らえるならばかなり優秀な1台となるだろう。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES