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2014年型キャデラックCTSエレガンス 試乗レポート

新型キャデラックCTS (Cadillac CTS) vol.1

新型の紹介の前に、まずは初代CTSと2代目CTSのおさらい

2014年型から第三世代に生まれ変わった新型キャデラックCTSに試乗しました。『ミッドサイズ・ラグジュアリー・スポーツセダン』を謳い文句に登場した今度のCTSの実力は? 本当に『大幅に進化』しているのか? 先代モデルと何か変わったのか? 先に登場したATSとの違いは? 様々な角度からアメ車ワールドの目線でリポートしたいと思います。

更新日:2014.04.01

文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/兵藤冬樹(Hyodo Fuyuki)

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     シボレーさいたま南 TEL 048-710-6226 [ホームページ] [詳細情報]

革新的であると同時に発展途上だった初代CTS

 キャデラックCTSはキャデラックの歴史の中では比較的新しいモデルです。初代モデルがデビューしたのは2002年(モデルイヤーとしては2003年型)で、全く新しいプラットフォームを採用したFR(後輪駆動)のミッドサイズセダンとして登場しました。
 それまでのキャデラックは全モデルがFF(前輪駆動)でしたが、このCTSのデビューを皮切りに、キャデラックはFRに回帰していく事になります。5メートル超のフルサイズですらFFにこだわってきたキャデラックが、キャデラックとしては小型とも言えるCTSにFRを採用した事は驚きでしたが、その後の同ブランドの展開を考えると、これは必然の判断だったという事が分かります。

 CTSという名称は『Catera Touring Sedan』の略で、その名の通りキャデラック・カテラの後継車という位置付けのモデルになります。カテラというモデルはドイツ製オペル・オメガを北米市場用にアレンジしたモデルでしたが、初代CTSは完全なニューモデルとして新設計されたクルマです。ただし、エンジンについては、オペルやサーブに搭載されていた54度V6ユニットをリファインしたものを搭載していました。
 初代CTSには、輸出用も含めて下から2.6リッター、2.8リッター、3.2リッター、3.6リッターの4つの排気量のV6ユニットと、5.7リッター、6.0リッターのV8ユニットを搭載したモデルが存在しますが、2種類のV8ユニットについては、同世代のシボレー・コルベットに搭載されていたLS1とLS2ユニットであり、CTS-Vという特殊なスポーツモデルにのみ搭載されていました。

 初代CTSは、2003年から日本への正規輸入が開始。エンジンは当初、2.6リッターと3.2リッターの2タイプのV6が用意されていましたが、2004年の後期からは2.8リッターと3.6リッターのV6に変更されました。ミッションは全車5ATで、本国に設定されていたゲトラグ製5MTとアイシン精機製6MTは輸入されませんでした。
 ハンドルは左右が選べるようになっており、右ハンドル車ではウインカーレーバーを右側に付けるなど、かなり力が入った『日本仕様』となっていました。ちなみに、V8ユニットを搭載したCTS-Vは、この初代モデルでは正規輸入はされませんでしたが、少数が並行輸入車として日本でも販売されています。

 『シグマアーキテクチャー』と呼ばれるGMの新世代FRプラットフォームを象徴する存在として登場した初代CTSは、色々な意味でそれまでのキャデラックのイメージを覆すほどインパクトのあるモデルでした。しかし、現在の視点で改めてその存在を見直してみると、いかにも『初代』という言葉がピッタリの発展途上的なモデルであった感は否めません。
 初代CTSというのは、エポックメイキングな存在としてGMの歴史上でも重要な役割を担ったモデルだと思いますし、クルマとしてのクオリティや実力もそれなりに評価出来ます。しかし、GMの最高級ディビジョンというだけでなく、アメ車でも最高のステータスを誇る『キャデラック』というブランド名を名乗るには、初代CTSはまだ少し力不足だったのではないかと思います。

「Art&Science(アート&サイエンス)」を謳い文句にした直線基調のエッジの効いたボディスタイルは、それまでのキャデラックのイメージとは明らかに違います。フロントマスクは同時期のSTSとよく似ています。

それまでのFFに別れを告げてシグマアーキテクチャーと呼ばれる新設計のFRプラットフォームを採用。ホイールベースが長く、前後のオーバーハングが短い基本構造は欧州車的とも言えます。最小回転半径は歴代キャデラックで最小の5.3mを実現。

インテリアのデザインもエクステリアと同調するように直線基調です。ウッドステアリングやレザーシートを使用していますが、インパネなどはいわゆるプラスチッキーな感じです。

飛躍的に完成度を増した2代目キャデラックCTS

 キャデラックCTSの2代目は、2007年に2008年型として登場しました。
 初代CTSは、歴代キャデラックの中ではアランテに次いでコンパクトで、全長×全幅×全高が4,829×1,793×1,440(mm)。これに対して2代目CTSは4,866×1,841×1,472(mm)と、初代よりもボディサイズが一回り大きくなりました。
 2代目CTSの登場時には、STSやDTSといったフルサイズの上位モデルがまだ現役だった事を考えれば、GMとしてはギリギリのサイズアップだったと思われますが、この大型化によりCTSのセダンとしての車格は明らかに向上しました。また、実際に居住性や積載性といった部分でも、CTSはこの2代目にしてようやくミッドサイズを名乗るに相応しいレベルになったと思います。

 初代に比べると明らかにクルマとしての完成度を向上させた2代目CTSですが、唯一スタイルに関しては「少し大人しくなったかな?」というのが筆者の率直な感想です。
 当時のGMが掲げた『キャディラック・ルネッサンス』の先兵とも言うべき存在だった初代CTSは、新世代のキャデラックというコンセプトを分かり易く表現するためもあってか、そのスタイルはそれまでのキャデラックとは一線を画するデザインとなっていました。ショートオーバーハング&ロングホイールベースという欧州車的な基本構造の影響もありますが、エッジの効いたスクエアなボディラインは、古くからのアメ車ファンが抱くキャデラックのイメージからは掛け離れたものでした。
 しかし、2代目CTSでは、初代モデルのイメージを踏襲しつつも、全体的に丸みを帯びたデザインに変更。トレッドが広がってフェンダーの張り出しが強くなった事もあり、初代と比較すると実際のボディサイズ以上に大きくなったような印象を受けました。
 
 2代目CTSに搭載されたエンジンは、排気量こそ初代モデルと同じでしたが、エンジンの中身は一新されており、初期の3.6リッターV6がハイオク仕様で258HP、マイナーチェンジ以降の3.6リッターV6は、レギュラー仕様で304HPと大きく出力を向上。
 正規輸入モデルに関しては、当初は2.8リッターV6と3.6リッターV6のラインナップでしたが、2010年のマイナーチェンジ後は、2.8リッターV6は廃止され3.0リッターV6が新たに輸入されました。また、初代CTSでは正規輸入されなかったCTS-Vが、この2代目では2009年より導入されており、このCTS-Vにはスーパーチャージャー付きの6.2リッターV8が搭載されていました。

 2代目CTSにおける最大のトピックスは、セダンの他にステーションワゴンとクーペが追加されたことで、『CTSポーツワゴン』は2010年から、『CTSクーペ』は2011年から日本に正規輸入されました。CTSのセダン、ワゴン、クーペは、ボディ形状こそ違いますがシャシーやエンジンなどの基本構造自体に変わりはなく、それぞれにスーパーチャージャー付き6.2リッターV8を搭載した『V』も用意されていましたが、日本に正規輸入されたVはセダンとクーペのみで、ワゴンのVは導入されませんでした。

 日本に正規輸入された2代目CTSは、2010〜2012年の頃には、セダンが3.0、3.6、CTS-Vの3モデルに各スタンダード(orラグジュアリー)とプレミアムの2タイプのグレードを用意。クーペが3.6、CTS-Vクーペの2モデルで全3グレード。ワゴンが3.0、3.6の2タイプで全3グレード。さらにはほとんどのグレードで左右のハンドルが選択できたので、最高時には12グレードで20種類近いラインナップを誇っていました。このラインナップの多さは歴代のキャデラックで最多というだけでなく、日本に正規輸入されたアメ車の中で最多になります。

>>新型キャデラックCTS(2014 Cadillac CTS)vol.1へ
>>新型キャデラックCTS(2014 Cadillac CTS)vol.2へ
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2代目CTSのエクステリアは、ヘッドライトなど、部分的なイメージは初代を踏襲しているものの、ボディサイズは一回り大きくなり、ボディライン的には丸みを帯びて柔らかくなった印象を受けます。

2代目CTSでは、セダンの他にスポーツワゴン、クーペの2タイプのボディスが追加されました。一車種に複数のボディバリエーションを持たせるのはどこのメーカーでも行っている戦略ですが、キャデラックとしてはこのCTSが初めての試みとなります。

インテリアの質感は初代と比べると格段に向上。ライバルとなる欧州のプレミアムセダンにも引けを取らないレベルになりました。通常モデルとは異なりますが、CTS-Vのインテリアの質感は歴代キャデラックの中でもトップクラスでした。

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