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2015年度版中古車注意警報発令

フォードマスタング & フォード フォーカス (FORD MUSTANG & FORD FOCUS)

両車の値上がりにご注意ください!

2015年に相場の値上がりが予期されるクルマたちは、すなわち、何かしらの理由をもって人気が上昇する可能性が高いわけである。だからこそ、その理由を事前に知って、相場が値上がりする前に買ってしまおうという企画である。

更新日:2014.12.26

文/石山英次 写真/古閑章郎

先代モデルには実質3つの型が存在する

 2005年に登場した先代マスタングは、復刻デザインをベースに一躍大ヒットを巻き起こし、同じく復刻デザイン車であるミニやビートルやフィアット500等と肩を並べるスター的存在となった。

 この先代マスタングは今年2014年でデビュー後10年が経つが、その間に2度ほど大きなマイナーチェンジを実施しており、実質3つの型が存在していることに注意しなければならない。2005年から2009年までのデビュー型、2010年から2012年の中期型、そして2013年からの最終型である。

 デビューモデルとなる2005年から2009年までは、1964年に登場した初代マスタングのデザインをベースとしているが、2010年型ではデザインに大きな変更を加えている。それは64年にデビューした初代マスタングが67年にビッグマイナーチェンジを受けたのと同じように、である。

 じつに粋な計らいと言えそうな2010年型のチェンジは、その67年当時のボディ&マスクを題材にしており、見事復刻デザインのリファインを当時の法則に則って実施しているのである(素晴らしい)。

 ちなみに、2013年からの最終型でもマスクが変わったが、それはトップモデルたるシェルビーGT500(本国モデル)と同じマスクを取り入れたわけであって、復刻系デザインのマスタングとしては、初代から中期にかけての2モデルこそが、オリジナリティあるデザインの復刻版として評価されていると考えられている。

 余談だが、性能だけで言えば、最終型に近づくにつれて上がっていくのは間違いない。これはあらゆるもに対する道理でもある。ただ単なる真理では割り切れない何かがあるのがクルマでありアメ車であり、だからこそ人々は旧車にも憧れを持つのであろうと思う。

 というわけで、往年のマスタングに刺激を受けているファンは、初代から中期にかけての復刻マスタングに乗ることをあえて選ぶというわけである。

写真のマスタングは2010年から2012年の中期型モデル。1964年生まれの初代マスタングが、1967年にマイナーチェンジを受けてリデザインされたのと同じ法則に則って、チェンジを受けている。

全長×全幅×全高=4785×1880×1415ミリ、ホイールベース=2720ミリ、車重=1680kgのボディに5リッターV8エンジンを搭載する。しかもFR駆動。往年の味をもたらすために、足回りにはあえてリジッドサスを用いる等、徹底されている。

速さとかパワーとかトルクとか、そういった数字的な真実とはかけ離れた部分において、人々を熱くさせる何かが宿っている。だからこそ、時が経ってもなお、マスタングは魅力的なのである。この中期型までのマスタングには、そういった昔を懐かしむ方々に、いまだ根強く支持されるのである。

写真は1968年型となるが、上記マスタングがベースとなった時代のマスタングがこれである。

編集部的には中期型がオススメ

 で、編集部的にオススメしたいのが2010年から2012年の中期型マスタング。ただ、ここでさらに気をつけなくてはならない一つの注意点が発生する。この中期型とは2010年から2012年までの3年間となるのだが、この間にもさらにマイナーチェンジが行われており、そこが中古車を選ぶ際の最大のポイントとなる。

 2010年型で中期型へと進化したデザインは、翌年の2011年に搭載エンジンとミッション等を変更しているのである。

 その結果、2010年まで搭載されていた4.6リッターV8 OHVエンジンは、5リッターV8DOHCへと換装された。それらに伴い319psを発生させていたV8エンジンは一気に418psへと進化したのである。

 約100hp近いアップである。しかもミッションが5速から6速ATとなりあらゆる部分で進化を遂げており、その差はチューニングにおいて何とかできるレベルではない。とはいえ、旧V8においてはエンジンフィーリングや五感に訴えるモノが多分にあるので、パワー数値にこだわらなければ十分に楽しいレベルではあるのだが…。

 というわけで、撮影した2012年型の認定中古車は、正常進化を果たした中期型として非常に貴重な存在である。ちなみに2012年モデルは、非常にタマが少ないと言われており、探すのが困難でもあるから余計に注意したい。

搭載されるエンジンは、5リッターV8DOHC32バルブ。418ps、最大トルク53.9kg-mを発生させる。街中をゆっくり走らせることも、または圧倒的なスピードで峠道を駆け抜けることも可能な、パワーとフィーリングの持ち主である。

取材車両は、2012年型の2万5000キロ走行車だったが、エンジンルームを開けた途端、驚きのため息が…。ご覧のような見事なキレイさを保った状態は、この撮影のためにあえてなされたものではないからである。

エンジンルームにまたがるブレースバーが、拡大したパワーを受け止め、車体の剛性アップにも一役買っている。

2015年の新型マスタングは直4エコブースト

 取材させていただいたフォード練馬店の鈴木マネージャー氏に話を伺ったが、やはり2015年は「マスタングのV8モデル」に注目しているということだった。

 「もちろん、目新しさを兼ねた新型モデルへの注目が集まるのは間違いないのですが、初年度は直4エコブーストエンジンのみの発売ですから、逆に『やっぱりV8だよね』といった方々がいらっしゃる可能性は非常に高いと思います。となると認定中古車しかありませんからね。われわれ認定中古車販売部としてもV8のラインナップを増やしていこうと考えているところです」

 編集部的には、2010年以降のモデルがイチ押しという企画を推進しているのですが、実際の販売状況はいかがでしょう?

 「もちろん、価格や在庫車の有無といった制約がある中での話ですが、初代モデルのデザインベースである初期モデルの中古車が一番売れていると思います。ですが、今回新たに新型へのお乗り換えで下取り等が発生するケースも予想されますから、ちょうど2011年から2012年あたりの認定中古車が今後増えてくる可能性は非常に高いですよね」

 新型マスタングは、2015年春から正規発売が開始されるが、今回導入されるマスタングは、生誕50周年を記念した限定350台の特別仕様車「50 YEARS EDITION(2.3リッター直4エコブーストエンジン搭載車)」となる。

 で、2015後半にはV8モデルの発売も開始される予定とのこと。もちろんコンバーチブルもラインナップされる。と同時にすべて右ハンドル仕様となるといわれているから、初代マスタングへのオマージュを感じさせる、復刻系デザインのマスタングが気になるのであれば、上記を参考に、相場が値上がりする前に素早く入手する算段をとるべきである。

左右対称のダッシュボードや3本スポークのステアリングホイール、T字型のシフトセレクター等、各部のディディールは初代マスタングの伝統に則ったデザインがもたらされている。

メーターパネルのバックパネルの色を125色から選べる「MyColorイルミネーション」と、照明の色を7色から選べる「アンビエント・ライティング」等、その凝りようは素晴らしい。室内空間をより一層楽しいものにしてくれる。

シートは、バケットタイプのスポーティなものというよりは、ゆったりした掛け心地をもたらすラグジュアリー的な雰囲気を感じさせる。レザー張りの質感も非常に高い。

2015年春から正規発売が開始マスタングは、限定350台の特別仕様車「50 YEARS EDITION。搭載エンジンは、2.3リッター直4エコブーストとなる。

大人の味付けに定評がある

 フォーカスはモノがいい。すでにエコブースト搭載の新モデルが発表されており、じきに日本にも導入されるだろうが、現行モデルのモノの良さが認知されることで今後、上昇相場に転じる可能性が一番高いモデルであると編集部は考えている。

 現実的にフォーカスには、小型であるが大人4人が乗れるスペースがあり、しかも機動性高く、動きや佇まいに品格があり、トラブル事例の少ない輸入車として、またフォルクスワーゲンといった在り来りな存在に物足りなさを感じているミドルエイジのユーザーにとってうってつけの存在として、支持されている。すなわち、その良さが確実に浸透してきているというわけだ。

 日本に導入されているフォーカスは、ワングレードのみの「スポーツ」であるが、それは走り志向のスポーツ系モデルということではなく、まるで絹の上を走っているかのごとく滑らかで上質さを伴った俊敏さ、という意味のスポーツであり、何よりもしなやかでスムーズな「大人の味付け」に定評がある。

 搭載されるエンジンは、2リッターNAの直噴4気筒DOHC。170ps、最大トルク20.6kg-mを発生させ、それに組み合わされるミッションがデュアルクラッチ式AT。このエンジンは気持ちよく回り、ダイレクトに反応するミッションとのマッチングが非常に良い。これまでアメ車で体験してきたセミATとはまったく異なり、クラッチ式の特徴である俊敏な変速が実現されているのである。

 室内は、このセグメントでは大きなボディを要するフォーカスの利点として、広大な室内空間が確保されていることがわかる。普通に大人4人が乗れる居住空間が設えられている。

 シートはファブリックとレザーを組み合わせたもので分厚くガッチリとしており、ホールド性が高く、ポジションそのものにもまったく不満がない。いわずもがなだが、右ハンドル仕様でいながらもドライビングポジションに違和感がまったくなく、またペダル類の配置にも支障をきたしていない。全体的に質感高く、旧モデルのような野暮ったさがなくなり、所有する満足度はかなり高い。

全長×全幅×全高=4370×1810×1480ミリ、ホイールベース=2650ミリのボディは、フォードのデザインコンセプト、キネティックデザインに則ったスタイリングをベースとした5ドアハッチバック。

上下二分割の台形グリルや切れ長のヘッドランプ、さらにスポーティなエアロ、リアスポイラーがデザイン上の特徴となる。

搭載されるエンジンは、直噴システムや吸排気可変バルブタイミング機構を備えた2リッター直4。170ps、最大トルク20.6kg-mの最大トルクを発生させる。それにデュアルクラッチ式6段セミATが組み合わされる。

道具としての良さとファントゥドライブ

 同じくフォード練馬店の鈴木マネージャー氏に話を伺った。

 「フォーカスに関しては、安全装備や快適装備が格段に増えて『良くなったけど高くなったね』とおっしゃる方がいる一方で、『走りはじつに素晴らしい』とクルマ全体の評価は極めて高いですね。ですから、こういったクルマ達が認定中古車となることで、より一層お買い求めやすくなるわけですから、2015年後半から期待が持てる一台だと自負しております」

 筆者も何度かこのフォーカスには乗っているのだが、ほんとに走りが素晴らしい。ボディはミシリとも言わず、なにより足回りの洗練度が格段に高い。その印象は街中だけなく、速度域が上がっても変わらないのは、さすがフォード。

 で、そういったフォーカスの認定中古車が手に入るのならそれは非常に嬉しいことだが、一つ気になる存在がフィエスタ。フォーカスの認定中古とフィエスタの新車で競合することってないのでしょうか?

 「う~ん、たしかに価格帯だけの話になれば競合する可能性がまったくないとは言えませんが、まずはクラスが違いますよね。ただフォーカスをお乗りになられた方は、間違いなくフォーカスを選びますね。これは実際にあったケースですが、フォーカスだと実際に大人4人が乗れるスペースがあるんです。状況にもよりますが、大人の移動を優先させるならフォーカスの居住性の高さはかなりの武器になりますね」

 直接的なライバルとされるフォルクスワーゲンゴルフのように質実剛健的なクルマというよりは、同じく強さを兼ね備えながらも、ドライビングが楽しく感じられる走らせる喜びを感じさせてくれるフォーカスは、乗れば乗るほど味わい深い5ドアハッチバック。その走りの本質に触れたならば、病みつきになること間違いない。2015年は、フォーカスの相場上昇に注目し頃合を見て入手すべし!

ドライバーを取り囲むスポーティな室内空間。想像していた以上にタイトな空間に、ドライバー重視の姿勢が見える。またメータークラスター内の液晶画面は、視認性良く、デザイン的な充実度も高い。

フロントシートは分厚くガッチリしていてホールド性が高く、適切なドライビングポジション取れるから嬉しい。リアは、大人二人が座れる頭上&足下のスペースが確保されるから、大人の移動に耐えうる万能車として使える。

リアの荷室には奥行きがあり、316リッターの容量がある。分割可倒式の後席を倒せば、1101リッターまで拡大できる。

質実剛健的な性能を備えつつも、走って楽しいドライバー重視の思想が見え、乗ると驚くほどドライビングに熱くなれる。

中古車の醍醐味と難しさ

 目白通り谷原交差点から目白方面に進んだ左側に位置するフォード東京練馬店。都内随一の大きさを誇るショールームは圧巻であり、都内および埼玉県地域にまたがる広範囲な管理ユーザーを支えている。

 今回の取材に対応していただいた鈴木氏は、そんな練馬店の認定中古車に関するマネージャー職を務めており、われわれの企画進行に関するアドバイスをしてくれた。

 「繰り返しになりますが、2015年はマスタングのV8モデルの動向が非常に気になる年となりますね。特に2008年あたり~2012年くらいまでの年式のV8ですね。つい先日までは中古のV8と新車のV8とで比較されて、中古車の競争相手が新車なんてことも有り得ましたが、2015年は直接の競合ライバルがないですからね。マスタングのV8といえば中古しかありませんから。中古車の強みを生かしてどんどんアピールしていきたいですね」

 ただ、そうは言っても数が多くて余っているという状況ではない。すなわち一期一会。だからこそ、常にアンテナを張り巡らせて、出物を素早く入手することが必要になるという。

 「どんなに待っても出てこないこともありますし、たまたま見たらポッと見つけてしまうこともありますし、そこが中古車の醍醐味でもあり、難しいところでもあるんですが。ただ、そこは中古車なんで、若干好みのストライクゾーンを広げて待っているといいかもしれませんね」

 フォードでは、認定中古車の検索サイトにリアルタイムで情報がアップされるだけに、気になる車両があるならば、欠かさずチェックすることをオススメする。もう一度言うが、2015年はマスタングのV8とフォーカスが要チェックである。

フォード東京 練馬店
住所:東京都練馬区谷原1-2-8
電話番号:03-5910-6851
営業時間:10時~19時
サービス受付時間:10時~17時
定休日:火曜日

物腰柔らかい丁寧な語り口調の認定中古車部門の鈴木マネージャー。初めてのフォード車といった新たなユーザーにとっても心強い味方になってくれるだろう。

最新のモデルから旧モデルまで、フォードディーラーならではの質の高いアフターサービスが期待できる。

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