更新日:2015.05.28
文/石山英次 写真/内藤敬仁
このクルマ、たとえば「大排気量こそアメ車だ」と古式ゆかしい持論をお持ちになる方にとっては、なんだ「2.3リッターかよ」「直4かよ」といった(もしくはこれに似た)反応に近いものが返ってくるに違いないが、筆者的にはちょっと違う。というか、実物を見た人間なら間違いなく別の反応を示すと思う。「排気量2リッター程度でこれほどのサイズ感と流麗かつスタイリッシュなクルマが存在するのか」と。
さすが50年の歴史。これまでの長い歴史から得た【遺産】をベースに、今一番スタイリッシュかつモダンなデザインが素晴らしい。
また、実際に乗るまでは、シルバーや白系ボディがいいかなと思っていたが、ほぼ全色の実車を見た感じで言えば「トリプルイエロー」が最高だった。その次がコンペティションオレンジ。ダークなカラーリングは、若干フロント回りがグリル色とかぶってしまい潰れてしまう印象があった。とにかくボディラインがキレイなので、スポーティカーらしく明るいカラーがオススメだと思う。
超ざっくりな印象だが、新型マスタングも現行エクスプローラーと同じなような感じだと思う。
旧型から現行モデルに進化した時点でいろいろ変化があったエクスプローラーだが、マスタングも同様に【進化】して【変化】が起きた。マスタングの場合には来年以降V8モデルがラインナップされるから若干違うといえば違うのだが、エクスプローラーで直4モデルが認められたように、100%間違いなくマスタングでも人気が出ると思う。それくらい違和感はないし、個人的には、V8サウンドという感傷的な部分を除けば、直4モデルで十分だ。逆に最先端モデルに乗っている優越感の方が大きい。
時代の流れを見ればエコに流れる考え方が理解できないわけではない。だがマスタングは、そのエコを逆手にとって新しいカタチを生み出した。カタチとはデザインだけのことではなくそれらを包み込むコンセプト全体のことだ。
しかもそれを50年という長き歴史の中で得てきた遺産でデザインした。そういう意味では、この直4モデルこそ、まごうことなき【最新マスタング】である。
今、アメ車には二つの楽しみ方が存在すると思っている。ひとつはこれまでの王道的楽しみであって、「とにかく大きく迫力こそアメ車」である楽しみ方。一方で、変わりゆく「最先端のアメ車」を味わうこと。どちらにもそれぞれに楽しく新しい発見があるに違いないが、今、最新の味を味わうなら、このマスタングこそ相応しいだろう。
このクルマ、もしも購入できるだけの余裕や予算や状況が備わっているのなら、是非試乗してみることをオススメする。
一方で、「欲しいけど、現実的に今はちょっと厳しい」という方なら絶対に試乗しない方がいい。乗ってしまえば、間違いなく欲しくなって悶々とした日々を過ごすことになるだろうから。ちなみに筆者も今、めちゃめちゃ後悔している。乗らなきゃ良かったと…。
なお、誕生50周年を記念した今回の特別バージョンは、あくまで今年モデルのみ。来年登場する右ハンドル化される同モデルには、パフォーマンスパッケージは装着されないから、ブレーキやホイールの状態が変わるはずだし、見栄えも若干変わるだろう。すなわち、この初期型たちが認定中古車となったあかつきには争奪戦が起こるに違いない(笑)。
<Mustang 50 Years Edition>
■全長×全幅×全高:4790×1920×1380mm
■ホイールベース:2720mm
■車両重量:1660kg
■エンジン:2.3L 直4 DOHC+ターボ
■最高出力:314ps/5500rpm
■最大トルク:44.3kg-m/3000rpm
■トランスミッション:セレクトシフト付き6速AT
■駆動方式:FR
■燃料:無鉛レギュラーガソリン
■ハンドル位置:左
■タイヤ:F/R 255/40ZR19
■価格:465万円(税込)
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