更新日:2016.10.24
文/吉田昌宏 写真/FCA
フォードラプターが先陣を切ったピックアップトラックのデザートレーサー。その後に続くモデルたちからも、打倒ラプターとまではいかずも、ラプター風を狙ってそれらしいモデルが次々と登場した。たとえばラムレベル。たとえばトヨタタンドラTRDプロ。
だが、それらのモデルたちは、それらしい走りを手に入れることはできたが、本物ではなかった。やはりラプターの本気のアシには叶わなかったわけである。
結局のところ、メーカー作のロングトラベルサスやワイドトレッドボディには、小手先のチューニングでは太刀打ちできず、オフロードで勝つための本気のクルマにはまったく歯が立たなかったのである。
そしてラプターの第二章が始まった。2代目モデルは軽量化を実施し、エンジンは3.5リッターV6エコブーストターボになったが450hp、最大トルク510lb-ftと、初代モデルから大幅向上させている。しかも10速ATの搭載である。
パワーやトルクが向上し多段化ATの搭載で効率を上げ、環境にもちょっと優しいラプターが登場したわけである。
で、こういった状況下で他メーカーはどうしたか? まだまだラプターの独壇場が続くのか? と思われた矢先に登場したコンセプトカーがラムレベルTRXコンセプトだった。
ラムといえば、旧モデルにバイパーSRT10と同じV10エンジンを搭載した経緯があるだけに、ハイパフォーマンスピックアップトラックを期待していたユーザーも多いのではないかと思うが、ラムブランドとして独立してからは、意外にも大人しいモデルばかりだった。
昨年ラムレベルが登場した時は、おっと思わせてくれたが、ラプター追撃までには及ばず。
だが、今回のラムレベルTRXコンセプトには期待できる。あくまでコンセプトだが、次期ラムの登場が間近とも言われているだけに、現行ラストに限定モデルとして登場するのではないかとも言われているのである。
このラムレベルTRXコンセプトに搭載されているエンジンは、かのヘルキャットと同じ6.2リッターV8スーパーチャージャーエンジンである。ヘルキャットは707hpだったが、ラムレベルTRXコンセプトではティチューンされ575hp。それにパドルシフト付きの8速ATが組み合わされ、ラプターの450hpを追撃する。
575hpとは、市販車最高パワーのピックアップとなるわけである。
ベースとなるラムレベルの雰囲気は生かしつつ、ワイドボディ化を行いトレッドを広げ、ロングトラベルサスペンションにボルグワーナー製の強化トランスファーケースを使用し、電子制御のLSDやビードロックホイールに、14インチブレーキローターと6ピストンキャリパー採用等、ハイパフォーマンス化および575hpに耐えうる強化作を積極的に行っているのである。
一方でデザートレーサーさながらのLEDライトバーやリアの荷台には2本のスペアタイヤをホールドするラックを備え、室内には6点式のハーネスを備えるなど実践向きの装備も忘れていない。
まあ、話題作りという観点でいえば、ヘルキャットのエンジンを搭載しただけでも十分に元は取れるはずである。にもかかわらず、アシを含めてすべてをリファインしているところに真剣さを感じるし、本気でラプター追撃を考えている証拠でもあろう。長年パフォーマンスピックアップを作ってきた意地もあるのだろう。
こうしたラプター追撃に関しては、GMがまったくアクションを起こしていないことが非常に気になるが、それでもラムのハイパフォーマンスピックアップはアメ車ファンの憧れであり、実際に登場すれば多くの反響を呼ぶに違いないと思うのである。
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