更新日:2017.02.08
文/編集部 写真/FCA
ミディアムボディにV8エンジンを搭載した初代デュランゴの系譜を引くにもかかわらず、イマイチ走りのイメージが定着しなかった三代目デュランゴ。ジープグランドチェロキーとベースが一緒にもかかわらず、グランドチェロキーにはSRT8があったにもかかわらず、デュランゴにはそういったパフォーマンスモデルは存在しなかった。
そう言う意味で、しかもデビュー後7年でそろそろモデルチェンジの話題が出るであろう、モデル末期の状態において、昨年セマショーで公開されたダッジ デュランゴシェイカーは、ダッジファンの密かな期待の一台だった。
ヘルキャットや392チャレンジャーのようなパフォーマンスパーツを引っさげ、B5ブルーという伝説のカラーリングに身を包んだシェイカーは、デュランゴのさらなる可能性を感じさせる存在だったのである。
で、遂に登場したデュランゴSRT。デトロイトショーではなく、シカゴオートショーというのは想定外だったが、シェイカーの登場や各種スパイフォトの存在を認識していたものからすれば、華々しい存在になりうる可能性があるにもかかわらず、ちょっと大人しいデビューじゃないかと思うのだった。
だが、登場したSRTは、やはりダッジらしい走りを予感させるマッスルSUVである。
使用されている各種パーツ類は、ずばりセマショーに出展されたシェイカーとほぼ同系列。6.4リッターHEMI V8エンジンが搭載され8速ATと組み合わされるもの。その6.4リッターHEMI V8は475hp、最大トルク470lb-ftを発生させ、0~60マイルスプリント加速で4.4秒という超がつくほど速い加速感を発揮させる。ダッジいわく、世界最速の3列シートSUVモデルということである。
参考までにライバル車スプリント加速タイム(※米テスト値)
■Dodge Durango SRT – 4.4秒
・Jaguar F-Type S – 5.5秒
・Ford Mustang EcoBoost – 5.5秒
・Chevy Camaro V6 – 5.1秒
・Ford Focus RS – 4.7秒
・Porsche 718 Cayman (PDK) – 4.7秒
・Aston Martin V8 Vantage – 4.6秒
・Lexus GS F – 4.5秒
・Porsche 718 Boxster (PDK) – 4.5秒
・Volvo V60 Polestar – 4.5秒
・Volkswagen Golf R – 4.5秒
・Lexus RC F – 4.4秒
・Maserati Quattroporte S – 4.4秒
・Lexus LC 500 – 4.3秒
・Cadillac ATS-V – 4.2秒
・Alfa Romeo 4C Coupe – 4.1秒
・Chevy Camaro SS – 4.1秒
・Lotus Evora 400 – 4.1秒
・BMW M2 – 4.0秒
・Tesla Model X P100D - 2.8秒
・BMW X5 M – 4.0 seconds
・Land Rover Range Rover Sport SVR – 4.2秒
・Mercedes-AMG GLE63 – 4.2秒
・Tesla Model X 90D – 4.8秒
・Mercedes-AMG GLS63 – 4.5秒
・Porsche Cayenne GTS – 4.9秒
デュランゴSRTは、機能的にはシェイカーと同系列ではあるが、ボディスタイルは新たな独特のムードに支配されている。まず目に付くフロントグリルの新型エアロ類、さらにバイパー風のフードスクープ&エアスクープやブラックノイズ仕上げの新20インチホイール等、シェイカーフードはなくとも過激な雰囲気は十分に感じとれる。リアのエキゾーストサウンドは392チャージャーと同サウンドというから刺激的である。
駆動方式はトルク配分型のAWD。装着されるアダプティブサスペンションに20インチタイヤが組み合わされ、旧モデル比でフロント4%、リア15%ほどスプリングの剛性を上げているという。それらによるボディ重量配分は52:48を実現し、ニュートラルなハンドリングを提供する。
一方ブレーキは、15.0インチローターに6ピストンのブレンボキャリパーで、リアは4ピストンキャリパーと13.8インチのローターとなる。
デュランゴという存在は、アメリカではミディアムクラスのサイズ感しかなく、3列目シートを有していてもキャパが小さいことから選ばれにくい存在だったことは想像に難くない。しかも、その存在としてのアピール度が他のSUVよりも少なければ個性がないと断じられても仕方がない。
だが、6.4リッターHEMI V8エンジンを手に入れたことで、世界最速の3列目シートSUVという、自慢のフレーズができたことで、その存在価値は一気に上がると思われる。狭くても、最速のSUVが手に入るならと!
日本では、いまだ初代デュランゴが中古市場で大きな人気を得ているが、その最大の魅力は「パフォーマンス」を連想させるアメ車らしい存在である。
だとすれば、このデュランゴSRTは、日本でも大いにウケるのではないだろうか(というか、最初からこういったモデルを出すべきだったのだろう)。ちょっとマニアックな方ならお分かりだろうが、このデュランゴSRT、フロントマスクが現行ダッジチャージャーに似ていることに気がつくだろうか?
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