サンコーエアポート大阪のデモカーの試乗インプレッションをする前に、まずはシボレーHHRというクルマのおさらいを少しだけ。最近、アメ車ワールドにはアメ車初心者の読者も増えてるみたいなんで。いや、実に喜ばしいことです。
HHRはGMのシボレーディビジョンから発売されている小型のクロスオーバービークル(CUV)。2006年が初年度モデル(発表は2005年のロサンゼルスオートショー)というGM車の中では比較的新しいモデルです。日本への導入は意外に早く、三井オートモーティブが2007年から正規輸入しています。
HHRの最大の特徴は、なんと言ってもそのボディスタイル。派手なメッキグリルに大きくラウンドしたボンネットフード、大型のバンパー&オーバーフェンダー(ホイールアーチ)、丸形テールランプなど、クルマ全体に『デザインのためのデザイン』が施されており、誰が見ても一目でHHRと分かる独特の存在感を演出しています。
ま、いわゆるレトロモダンなスタイルなんですが、実はこのHHRのデザインモチーフとなったのは1949年型シボレー・サバーバン。要するにHHRは、現行のカマロやマスタングと同じ『リプロダクションカー』とか『リクリエイションカー』と呼ばれるジャンルのクルマなんですよね。ただしカマロやチャレンジャー、欧州車で言えばミニやビートルなんかと違うのは、元の名前ではなくてHHRという新しいモデル名で登場したところ。この辺はガチのライバル関係にあったクライスラーPTクルーザーと同じですね。(注:HHRとPTクルーザーは同一人物がデザインしてます)
ちなみにHHRというのは『Heritage High Roof』の略なんですが、Heritage =遺産。ということは、たぶんこれは「偉大な先達の遺伝子を受け継ぐハイルーフ」みたいな意味になるのかな? ま、多分に説明的な名前ですが、「なるほど…」といった感じもします。
外観のインパクトが抜群のHHRですが、クルマとしての基本性能やワゴンとしての使い勝手は実は意外と『普通』です。もちろんこれは良い意味で。
『エコテック』と呼ばれるオペルの技術が入った2.2L直4エンジン(本国には2.4Lもあり)は、スムーズに吹け上がる割に、低速域のトルクもしっかり確保されているのに感心します。4速ATは妙な変速ショックもなくスムーズに変速するし、シフトプログラムもなかなかイイ感じで、その辺の小型欧州車よりも好感が持てます。
足回りは見た目に違わずマイルド方向のセッティングですが、とくに柔らか過ぎるといったこともなく、一般道でも高速道路でも常識的な速度で走ってる限りは快適そのもの。2Lクラスの国産ミニバンや売れ筋コンパクトカーから乗り換える人であれば、不満は全く感じないと思います。
インテリアに関しては、良くも悪くも標準的なアメ車といった感じ。全体的なデザインはシンプルで当たり障りのない感じですが、正直ダッシュパネルあたりの質感については「もうちょっと何とかならんかな?」と思う人がいるかも(笑)。 ま、この辺もアメ車の『味』と言ってしまえばそれまでですが。
車内空間については、フロント、リアともにレッグスペースも頭上空間も十分に確保されているので、大人4人が長時間乗車してもラクショーです。ただし、シートはやや固めで、この部分に関しては評価が分かれると思います。ラゲッジはリアシートを倒さなくてもそれなりの容量が確保されている上に、シートバックを倒すことでさらに広いスペースが生まれます。広さも使い勝手も、このクラスのクルマにしてはかなり良好な部類ですね。
以上がノーマルのHHRの短評です。HHRは雑誌の連載企画で半年ほど借りて乗っていた経験があるので、書こうと思えばかなり色々と書けるんですが、ま、今回の主役は次ページのデモカーですから、ノーマルについてはこのくらいで(笑)
HHRは現代版ホットロッドのベース車に最適?_Part2
HHRは現代版ホットロッドのベース車に最適?_Part3
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