現代の新車のアメ車は、決して壊れやすいという存在ではなくなった。だから直輸入車であろうがまったく不安視する必要はなく、定期点検とその都度の適切なメンテナンスを行えば日本車に近い安心感が得られる存在である。
だが、ときに不慮のトラブルが発生する可能性は無きにしもあらずであり、そういうものに関してはECU関連のトラブル事例が多い。
ECUとは Electronic Control Unit の略称であり、いわゆる電子制御ユニット=車載コンピューターということになる。
車載コンピューターは、年々制御が複雑になり、次第に複数搭載されるようになっている。そしてCAN(controller area network)通信を介した車載ネットワークを利用して、コンピューター同士の通信のスリム化を行っている。
こうしたコンピューターを利用した制御が行われているということで、仮に車両に「トラブル」が起きた場合は、「どこに、何が起きたか」がコンピューターに記録される。
現代のメカニックは、その「トラブル」を解消するためには、まずはコンピューターに記録された情報を閲覧しなければならない。
そしてその情報を読み込み、閲覧するための機器が電子デバイス、もしくはテスター、スキャンツールと言われるものである(どれも同じものを指している)。
ということで、現代車の整備をする場合は、まずはこの電子デバイスを持っていなければ話にならないということである。
だが、このデバイスが明らかにするには、「どこどこに、●●のトラブルが起きた」という記録されたエラーコードのみである。すなわち、そのコードが明示するそのもの自体がトラブルの直接の原因であればわかり易いが、そのエラーコードにトラブルが起きたと知らせた、他の部位にトラブルや原因がある場合も当然あり、メカニックはその見極めを行わなくてはならない。
万が一、その見極めができない方がメカニックであった場合は、当然一発では治らず、複数回の修理が行われることになり、それでも治ればまだマシだが、最後には「お手上げ」、もしくはその部分の全部取っ替え、とか、オーバーホールとか、めちゃくちゃなことになりかねない。
つまり、電子デバイスは持っていなければ話にならないが、持っていても使いこなせなせなければ、持っていないも同然である、ということ。
これら電子デバイスは、診断をするための取っかかりとしては最重要パーツだが、その機器から得られる情報によって、すべてのトラブルが解消されるわけでは当然ない。というか、この「すべてのトラブルが解消されるわけではない」というところがミソであり、メカニックとしての腕の見せどころなのである。
たとえば「ミッションの調子がおかしい」と修理の依頼が入ったとする。試しにテストドライブを行うと、ほんのわずかの振動を体感した。だが、この振動はミッションの異常振動なのか、エンジンからの振動なのか、それともタイヤやホイール、サスペンションを通じた振動なのか…。
当たり前だが、どこに焦点を当てるかによって、修理の中身が変わっていくる。もし仮に、ミッションの異常であるにもかかわらず、サスペンション系の振動を疑ってしまえば、当然ミッションの異常は治らない。そればかりか、もともと異常のないサスペンション系の異常が疑われたことにより、間違った処置のための余計な費用がかかる恐れが発生するわけである。
「最近よく、修理をご依頼いただいたお客様に診断結果を報告すると、『本当にこれだけで直るのですか?』と言われることがあります。数軒のショップに出したけど治らず、最終的に弊社に辿り着かれたお客様ほど驚かれるんです。
現代の車両は、それはそれは複雑に入り組んだデジタルとアナログが共存しています。エンジンやトランスミッションのメカニカルな分野においてはほぼ完成されておりますが、その周囲を取り囲む制御がとても複雑です。メカニカル的分野と半導体デバイス、どちらも熟知していないと手を付ける事が出来ないのが現実です。
自動車業界の一般的な診断方法としてはテスターで表示されるトラブルコードを読み、その部分の部品交換を行いますが、「騙し」が多く、治らない事がよくあります。
「騙し」とは不具合に対しての2次的症状であり、エラーコードだけに固執すると根本的な原因を見落とし誤診断につながります。木を見て森を見ず状態です。どのメーカーの車両でもエラーコードは出力しても、その原因が、センサー、配線、制御、メカニカルまでは特定できません。そして現代のメカニックには、こうした原因を見極める能力が求められます。
例えば、コンピューター(ブラックボックス)やエンジン内部のわずかな不具合、肉眼では判断できない部分は理論的根拠による診断方法が必要になります。これも能力の一つです。
これは単なる勘や推論ではなく、これまでの修理実績での経験値やそれらを集約した膨大なデータ量、そして日々の訓練から培った技術力、そういった弊社ならではの「あらゆる力」によって理論的に診断する方法です。
この診断方法を用いれば最小限の分解、または非分解で診断結果が得られますので、結果的に部分的な部品交換でお客様の負担を低減する事が出来るんです」
こうした「とりあえずやってみましょう的なギャンブル修理や消去法の修理」とはまったく異なる処置や対応ができるのも、クワッドドライブに修理の車両が集中し、そこから得られる実践的経験値の高さと、たゆまぬ日々の努力であり、また、そうしたすべてがクワッドライブのさらなる技術力へと繋がっているのである。
だから、以前からクワッドドライブに他ショップの車両が整備に出されているのをよく見てきたが、今は、「下手にいじられるより、クワッドに整備をお願いした方が全員にとっていいことだ」と思えるようになったのである。
ちなみに、クライスラー車に対応する wiTECH2.0 と呼ばれる電子デバイスだが、「2017年まで使用できていたwiTECH1.0 が2017年いっぱいで使用不可になり、2018年からは wiTECH2.0 のみでしかFCA車両の情報閲覧ができない」とアナウンスされ、「もうすでに、 wiTECH2.0 のみでしか、クライスラー車の対応ができない」という。
すなわち、2018年以降の最新車両はもちろん wiTECH2.0 がなければ対応できず、2018年以前の車両も今後一気に wiTECH2.0 がなければ対応不可になる。ここ最近、リコール等の情報が結構あるということだから、最新車両の場合は、この wiTECH2.0 によってリプログラミングしてやらなければいけないのである。
現在、関東圏でこの wiTECH2.0 を所有しているショップは、クワッドドライブを含め数軒しかないということだから、その年代の車両のオーナーさんは気をつけた方がいいだろう。
当たり前だが、wiTECH2.0 のようなテスターは数十万円するものであり、それを使用するための許諾オンラインの年間契約にも数十万円がかかり、またパソコン等の機材を含めれば、約100万円近い初期投資が必要になるわけだから、必然的にそれなりの工場でしか持たない(持てない)のである。
と同時に、GM、FORD、US TOYOTA、US NISSANとそれぞれのメーカー純正テスターを持ち、さらに年式によって対応機種が異なる場合を含めると一体何台ものテスターを持たなければならないか(当然クワッドドライブは全機種所有している)。
また、メーカーとの契約で決められた年間使用料も別途支払わなければならず、仮に上記5社だけの話でいっても導入から年間使用の投資だけでも数百万円レベルの話となるし、当然、それらが毎年永続的に発生するわけである=それなりの工場でしか持てない理由のひとつである。
というわけで、クワッドドライブこそがトラブル解決の近道となるのは間違いない事実なのである。
183,250円
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272,800円
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6DEGREES
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