更新日:2019.01.14
文/椙内洋輔 写真/フォードモーター
2011年に登場した現行エクスプローラーは、それまでのフレームボディから新たにモノコックボディ+横置きエンジン&FF駆動の採用によって、初代以来続けてきたトラックベースを捨てた。そして燃費向上に不可欠な軽量化とエンジンを搭載し、路上での快適性向上が図られた革新的アメリカンSUVだった。
そしてそれから9年の2020年に新たなフルモデルチェンジが行われる。基本構造はほぼ同じであるが、駆動方式がFRに変更される。もちろん四輪駆動である。ボディサイズの変化は旧型比でほとんどないために(ホイールベースが若干短くなった)、デザインと駆動方式の変更が大きな特徴である。
今回発表されたモデルは、「ベース」、「XLT」、「リミテッド」に搭載される2.3リッター直4エコブーストターボと「プラチナム」に搭載される3リッターV6エコブーストターボの二機種。今後トップモデルの「ST」の追加が既定路線となっている。ちなみに「ST」とは、現行モデルの「スポーツ」に相当するスポーティモデルのことである。
新型モデルの走り。FRベースの四輪駆動になり新たな次元を提供してくれる。
現行モデル。新型はこの旧型をベースにデザインされていることがわかる。
リアのスタイルも引き締まったデザインに変更されている。
センターコンソールのスイッチ類をできるだけ廃止し、大型タッチスクリーンにての操作に集約させているインテリア。
さて、リニューアルされた新型の最大のポイントが熟成されたダウンサイジングエンジン。旧2.3リッター直4エコブーストターボは280hp、最大トルク310lb-ftを発生させていたが、新型は20hpアップの300hp、最大トルク310lb-ftとなっている。
一方、旧型では3.5リッターV6エンジンだったモデルは290hp、最大トルク255lb-ftを発生させていたが、新型では3リッターV6エコブーストターボとなり365hp、最大トルク380lb-ftと、排気量を下げたにもかかわらずパワーは75hpアップさせている(現行「スポーツ」並のエンジンパフォーマンスになった)。
そしてそれらに組み合わされるミッションが新たに10速ATとなるのだが、それぞれのモデルにおいて高出力&高効率が達成されているのだろう。
なお、2.3リッター直4エコブーストターボの300hpとは、たとえばダッジデュランゴの3.6リッターV6の293hpやホンダパイロット3.5リッターV6の280hpを超えているから、ダウンサイジングながら十分な性能が与えられていることが分かる。
V6ターボ搭載モデルは他の同一モデルをまったく相手にしないの高出力エンジンとなっている。
排気量を下げたにもかかわらずのパワーアップに、V6ターボの存在感が俄然上がっている。
V8エンジンにこだわらなければ、V6ターボの存在感は圧倒的に高くなる。
常に時代の最先端を行くエクスプローラー。大型タッチスクリーンの使用は今後、他車に影響を与えるだろう。
インテリア等の室内空間は、現行モデルでもクラス随一を誇るだけに、しかもサイズ感がほぼ変わらないだけに、これまでどおりの期待感を抱かせる。また新型では三列目へのアクセスをより容易にする二列目、三列目を製作しており、豊富なシートアレンジとあわせてこれまで以上の使い勝手を実現している。
さらに搭載エンジンやトリムに関係なく、新型ではすべてに、電動リアハッチ、最大10台のデバイスを収容できる4G LTE WiFiホットスポット、8.0インチのタッチスクリーンインフォテインメントシステム(10.1インチセットアップも可能)などが標準装備され快適性と利便性を追求している。
安全性の面では、ブラインドモニター、車線キープアシスト、自動ブレーキや歩行者検知機能を備えた前方衝突システム等が、また自動ハイビームヘッドライトといったセーフティ機能も充実しており、フォードの最新パーキングアシスタントであるActive Park Assist 2.0が装備され、ドライバーを必要とせずにエクスプローラーを駐車できるシステムも存在している。
なお、今夏に発売予定の2020年型フォードエクスプローラーのベース価格は3万2765ドルと予定されている。
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES
35,530円
EXTERIOR
6DEGREES
8,151円
MAINTENANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES