現代版ダッジチャレンジャーともなれば、メンテナンスという言葉には二つの内容が伴っている。一つは機械的なメンテナンス。いわゆる油脂類やエアフィルター、オルタネーター、バッテリー、タイヤ空気圧etcといった一般メンテナンス事項である。
そしてもう一つがECU系のトラブル確認を行う時に必要となる電子デバイス系のメンテナンス。現代の車両は、この両者のメンテナンスが必要であり、特に年式が新しくなればなるほど後者の電子デバイス系診断が必要になる。
ということで、この両者の技能を備えたショップを探す必要があり、この点において圧倒的な実績を誇るUGアーバンガレージに一般メンテナンス事項と電子デバイスを使用した診断について説明してもらった。
ダッジチャレンジャーに限った事ではないが、現代の自動車の点検や整備、修理を行うには、一般的にテスターと呼ばれるメーカー純正のスキャンツールが必要になる。ダッジを含むクライスラー系の場合『ワイテック2.0(wiTECH2.0)』がそのスキャンツールとなる。
テスターと聞くと、ある程度アメ車に詳しい人でもGMの『テックツー(TECH2)』の様なオールインワンの診断機を連想すると思うが、現代のテスターは、電子デバイス、PCソフト、オンライン契約の3つがセットになっている。
チャレンジャーの場合で言えば、まず車体のOBD2に接続し、データをPCに送信するためのマイクロポッド2(microPod2)というデバイスが必要であり、転送されたデータを解析するためのワイテック2.0のソフトが必要であり、さらにテックオーソリティ(Tech Authority)という技術整備書閲覧のためのサイトにログインする必要がある。
このテックオーソリティはアフターマーケットカスタマー向けのサイトであり、閲覧するためには1日、3日、7日、30日、3ヶ月、半年、1年と期間を指定して費用を支払わなければならない。
ベース機器の購入に約40万円。必要ライセンスの取得に約30万円がかかり、そこにさらにテックオーソリティの費用がかかるのである。
しかも、2019年からは車体(VINナンバー)ごとにVRS(Vehicle Reprogramming Subscription)と呼ばれる枠(接続権利)を購入しなければフラッシングと呼ばれるプログラミングが出来ないシステムが導入されたので、ワイテック2.0の導入は、金額的に非常に高いハードルとなっている。
また、こういったスキャンツールというのは、導入したからといってすぐに使いこなせるわけではない。
車両のトラブルコードを確認したり、データをアップデートする程度の事であれば、PCに明るい整備士であれば出来ると思うが、難しい症例を正確に診断したり、部品交換などの必要に応じた処理を行うためには、勉強と経験の両方が必要となる。
ダッジチャレンジャーの点検・整備・修理を行う際に、ワイテック2.0が必要不可欠な要素である以上、行きつけのショップを探す際には、ワイテック2.0を導入している事を最低基準として店舗を探す必要があるだろう。
ダッジチャレンジャーには大きく分けて7種類のエンジンが存在するが、この中で2009-2010年の初期モデルのみに搭載されていた3.5L V6 SOHCエンジン搭載車は、新品の部品が絶版になってきているそうだ。
アーバンガレージでは中古部品などで出来る限りの対応をしているそうだが、今後新たにチャレンジャーの中古車の購入を検討している人は、購入後の維持を考えた場合は3.5L V6搭載車は避けた方が無難かもしれない。
エンジンオイルの交換で注意が必要なのはオイルの粘度だ。オイルフィラーキャップに記載された粘度のオイルを使用するのが基本。
エンジンの保護のため、若干硬めのオイルを使用するのは良いが、粘度が大きく違うオイルを使用するのはダメ。とくにHEMIエンジンでは、油圧で制御するMDS機能等が備わっているため、オイル粘度が指定と大きく違うと、それだけでチェックランプが点灯することもある。
V8エンジンの場合、一回のオイル交換で6L程度使用するので、単価の安いオイルを希望するオーナーも存在するようだが、長く愛車に乗り続けたいのであれば、高性能オイルを使用する事をお勧めする。
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