今の若い子にはあまり響かないかもしれないが、ちょうど40代から50代くらいのクルマ好きな方々は、一度はDIY作業をした経験があるはずだ。
筆者のようなアラフィフ世代だと、エンジンオイル、バッテリー、タイヤくらいは自前交換が当たり前だったし、タイヤなんかは中古品を年に2回くらい買い、普通に自分で交換していたクチだ。
だが、それも20年くらい前の話。例えば、現代の最新車両だとコンピューター制御が進んでいるから自分でバッテリーを交換するのは厳しいかもしれないし、エンジンオイルも交換後に電子デバイスを使用して交換したことをクルマ側に伝える必要があるので、これもあまり無理をしない方がいい。
なので、現代のアメ車で気楽にDIY作業が行える部分は確実に減ってしまっているが、タイヤにおいてはまだまだ十分に可能である。
筆者が使用している社用車を冬用タイヤに履き替えるときはいまだDIYだし、仕事で常にお世話になっているカメラマンも当然DIYで交換しているという。
で、そんなタイヤ交換時に伴う苦労その1がホイールナットの脱着。そしてその2が交換時のタイヤの脱着。特にタイヤの装着において、ジャッキアップ状態の高さに瞬間的に持ち上げる際の力の求められようがハンパない(腰がヤバイ)。
余談だが、弊社には過去C5コルベットがあったのだが、そのリアタイヤがパンク。一時凌ぎとして同サイズの中古タイヤを購入して交換したのだが、その時のタイヤの重さといったら…。
そんなことをちょうど思い出し話をしていたら、「アメリカから面白いものが入荷した」という話をいただいた。その名も「TRAC タイヤジャッキ」
アメリカのカーサービスのプロショップで普通に使用されている商品というから、日本のプロショップでも当然使用可能だろうし、そのレベルの耐久性の持ち主である。
このTRAC タイヤジャッキは、その名の通りタイヤ交換時の脱着時にタイヤを支えるジャッキとして使うもの。写真のようにタイヤの下にもぐりこませ、その反対側を手で押す。するとテコの原理でタイヤが持ち上がる。
タイヤジャッキの下にはローラーが入っているから、そのローラーを転がせば位置の微調整が可能になるし、手の力だけでタイヤの上げ下げと微調整が可能になる優れもの。要するに、装着時に体全体で踏ん張ってタイヤを持ち上げる必要がなくなるのだ。
なので、これによってまずタイヤ交換時の肉体的酷使がなくなる。そしてスタッドボルト付近でタイヤをガチャガチャと外す必要がなくなるからボルト自体にかける負荷も当然減る。
さらに、タイヤ交換を頻繁に行う作業があるショップスタッフが使用すれば、それこそ時間と体力の無駄が多いに省けることになる!
というか、さすがアメリカン。さすがの自動車大国。プロが効率よく作業可能な便利グッズがたくさん販売されている。今回のTRAC タイヤジャッキも、まさにそんな一例である(もちろんアメリカ製)。
最後に、そのTRAC タイヤジャッキを使用して外したタイヤの装着を実際に作業してみた。車両はトヨタタンドラ。ホイールは軽量だが、タイヤがごついブロックタイヤ。
あくまで感覚的だが、ちょっと触れた感触が30kgくらいはあろうかという重さ。それをタイヤハウスに近づけ、タイヤの下にタイヤジャッキをもぐりこませる。
で、利き腕でジャッキを押すとタイヤが持ち上がる。そしてローラーを転がしてスタッドボルトにタイヤを入れ込む。わずか10秒程度の作業だった。
同じようにタイヤを自力で持ち上げ、装着することも多分可能だが、それを4本分終えた際の肉体的疲労は何十倍もの差となって返ってくるはずだ。
ということで、本場アメリカでプロが効率よく作業することを可能にするグッズは、当然日本でも有効に使えるはずであり、一般ユーザーのみならず日本のプロショップでの使用にもオススメである。
現地メーカーが製作した動画もあります。
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