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[試乗記]

「トラック」と名の付くショップだからこそのコダワリ

シボレーC1500 454SS (CHEVROLET C1500 454SS)

ビッグブロック搭載の限定モデルをスペシャルチューン

90年代の名車といわれるシボレーC1500 454SSをチューンし、街乗りからドラッグレースまでを走り切ることを可能にしたマシンを取材。爆音を奏でるマフラーに一瞬たじろぐが、街中を走れば非常に走りやすいことに驚いたのである。

更新日:2015.03.24

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

スポーツ走行対応にて仕上げる

 90年代を代表する名車・シボレーC1500 454SS。C1500のレギュラーキャブ&ショートベッドのボディに、2500/3500シリーズにオプション設定されていた454キュービックインチ=7.4リッターV8エンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルであり、90年から4年間のみ限定製産された希少モデルである。

 当時搭載された7.4リッターV8エンジンは、デビュー当時こそ230hpを発生させたが、翌91年からは255hpに進化しており、組み合わされるミッションは90年が3速AT、91年以降から4速ATとなっていた。ちなみに当時の5.7リッターV8搭載のC1500のパワーが160hpだったから、454SSがいかに圧倒的なパワーとトルク感を発したスペシャルマシンであったかがお分かりいただけるだろう。

 そんなスペシャルな限定マシンをベースに、ストリートでの性能を上げつつ、レース使用でも能力発揮が可能なように仕上げられたのがコチラのマシンである。

 4速AT搭載の454SSを手に入れたオーナー氏は、まずはボディ外観に手を入れライムグリーン&ブラックのツートーンカラーにボディをペイントし、各部にフレイムス等のアクセントを入れた。当初は、小奇麗に着飾ったC1500的なノリを伺わせたが、次第に方向性が変わっていく。「ドラッグレースに出てみたい」。

 あくまで日常使用をメインとすることは変わらずも、興味としてレースに出たいという意識が芽生え、とはいえドップリ漬かった競技マシンにするほどではないということで、レーストラック高橋氏に相談。あくまでストリート、というベースはありつつも、それなりにドラッグレースが楽しめる程度までブラッシュアップするという方向性で煮詰められることになった。

ドラッグレースという狭い領域での活動という枠に縛られないスポーティな設定を施すとともに、トラクション重視の考え方を加えることで、強化ショック、強化スタビ、LSD、リアトラクションアームの追加を行い、車高はノーマルを維持しつつも前後異形のタイヤサイズによってフォルムを形成している。

尻上がりのホッドロッドスタイルとリアのワンオフマフラー装着の加工によって、レーシングマシンさながらの雰囲気を発している。

ライムグリーン&ブラックのツートーンカラーにボディをペイントし、各部にフレイムス等のアクセントを入れたのはオーナーさんの好みという。

レカロシートをヘビ革でレザー仕様に

 突出したエンジンパワーや足回り優先のチューニングを施すということではなく、あくまで合理的に考え、全体的なトータルアップを検討しつつ、足元を固める方向での作業となったのである。

 まずエンジンは、オリジナルの454エンジンの機関としての性能を目覚めさせつつ(当たり前的な点検等)、点火系と吸排気系とCPUチューンを行い、具体的にはMSDの強化コイルにラムエア、ロングチューブへダース、ワンオフマフラーの装着を行い、それに伴いCPUの制御を変更しつつ、低速重視のノーマルエンジンから中速域よりも上方での動きを活発化。

 一方足回りは、ドラッグレースという狭い領域での活動という枠に縛られないスポーティな設定を施すとともに、トラクション重視の考え方を加えることで、強化ショック、強化スタビ、LSD、リアトラクションアームの追加を行い、車高はノーマルを維持しつつもタイヤサイズを検討し、スポーツマンタイヤとウエルドレーシングホイールによって支えているのである。

 「あくまでレースに出るための環境を整えたという程度ですが、ストリートでは十分に面白さを体感できますよ。この先実際にレースに出てみてこれ以上のパフォーマンスを求めたいか否か、そのときにまた対応すればいいでしょう。ちなみに今後はエンジンパワーを上げていくだけで十分に対応できますね」

 インテリアは、レカロシートをベースにヘビ革を使ってレザー仕様としたバケットシートにB&Mのフロアシフターが装備されており、シフトレバー前にはCNCのラインロックブレーキのレバーも装備されており、さながらドラッグマシンの風情が充満している。とはいえ、ヘビ革レザーシートがカスタムカー的な雰囲気を発しており、アメリカ的なケバさを出して外観とマッチさせることも忘れていない仕上げはさすがだった。

オリジナルの454エンジンの機関調整を行い、MSDの強化コイルにラムエア、ロングチューブへダース、ワンオフマフラーの装着を行うことで、低速重視のノーマルエンジンから中速域よりも上方での動きを活発化させている。

7.4リッターV8が醸し出すトルク感は凄まじいが、へダース装着によりサウンド効果と中速以降の伸びが格段に高まった。

いまだに90年代のアメ車が面白いという事実

 実際に試乗したが、重たいエンジンをフロントに搭載しているピックアップトラックにもかかわらずキビキビ動き、制御された足回りが十分に動いて仕事をこなしている感じがひしひしと伝わってくる。 加えて、音や振動を含めた全体的な雰囲気から伝わって来る「凄み」は圧倒的かつ刺激的であり、それと同時に、いまだに90年代のアメ車が面白いという事実に驚きすら感じたのである。

 しかも、当時は大きく感じたボディが今や逆に小さく感じるほどで、運転席からの視界が良く、四隅の感覚が掴みやすいので運転も楽。それでいてアクセルを踏み込めば圧倒的な中速域のパンチ力でドライバーを魅了するのだからやめられない。

 今や横幅2メートルを越すアメ車が大挙するなかにあって、フルサイズボディたるC1500さえも小さく感じさせるこの事実、加えて引き締まった足回りやハンドリングに体の動きを支えるバケットシートの採用、さらにガッチリとしたB&M製のフロアシフトのフィーリングが、ストリートでの走りさえも充実させ、楽しくさせるのである。

 「基本的にユーザー様の希望をかなえるために意見交換し、可能な限り具体化するのがわれわれの仕事です。ただ、あくまでストリートあってのレースですからね。その部分はシッカリおさえてあります。レーストラックと『トラック』という社名が付いている以上、トラックのチューニング作業には自然と力が入っちゃいますね(笑)」

 ストリートとレース参加という二律背反する要素を高次元でまとめたこのC1500454SSは、驚くべき乗りやすさをもって、オーナーさんを魅了するのである。

インパネのメーター周りには中央に大型のタコメーターを入れ、その他に3つのサブメーターを入れ、温度管理を徹底している。

ヘビ革を使用してレカロシートをレザー仕様に。座面にボディカラーと同様のライムグリーンを使用しているのはセンス。4点式のシートベルトが似合う。

もとはコラムシフトだったが、エンジンの性能をフルに引き出すため、またドラッグレースによる操作性向上のため、B&Mのフロアシフターに換装。アメリカ的なゴツくて重厚なフィール、そしてレーシングマシンさながらの操作性に自己満足感がかなり高まる。手前はラインロックのレバー。

エンジンの気持ちよさは別格。2、3速を駆使した街中の走りは最高。

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