TEST RIDE

[試乗記]

かのキャロルシェルビーも参画した最強SUV

ダッジ デュランゴ SP360 (DODGE DURANGO)

SUVベースで作る最強のマッスル

刺激的かつ利便性を兼ね備えた理想的なアメ車を考えるならば、やはりベースはアメリカンSUVこそが最高なのではないか。SP360を取材してそう思ったのである。

更新日:2017.07.17

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

アメリカンマッスルのレジェンドが参画したSUV

 SP360というネーミングにはルーツがある。1998年レーストラックが基本設計を行ったデュランゴのカスタマイズカーがセマショーに出展された。その名をスーパーパースィットと名づけたのだが、そのショーカーを見たシェルビー氏から直接連絡があったのだという。「最強のSUVを作るから一緒にならないか」と。

 シェルビー氏とは、あのキャロルシェルビー氏である。レーサーを引退した後にシェルビーアメリカン社を設立し、かの有名なACコブラやフォードGT、さらには初代マスタングをベースにしたシェルビーGT500やGT350などを製作した歴史的人物、いわゆるレジェンドである。

 そんなアメリカンマッスルのレジェンドが「生涯最初で最後の最強SUVを造る」という名目で手がけたマシン、デュランゴをベースに製作した最強SUVこそが「SHELBY SP360(以下SP360)」である。

 ただし、完成したSP360が初めて日本にやってきた時点での第一印象はあまりいいものではなかったという。そう、いわゆるアメリカンな大味ドライブフィールだった。「アメリカ国内を速く快適に走るにはいいが(それでもノーマルよりはかなり速い)、細くキツいコーナーの多い日本には不向きなセッティングである」と。

 そこで、日本の道路事情にマッチすべく、SP360をベースに改めてレーストラックオリジナルのセッティング&チューニングを施したのである。そしてシェルビーブランドとは切り離し、「ダッジ デュランゴ SP360」と名付けた。

 かなりの長い前置きだったが、SP360とはそういう車両であり、今回取材した車両はSP360そのものである。

SP360オリジナルのエアロを装着したフロントマスク。グリルがスラントしているのが最大の特徴。埋め込み型フォグも相まって、迫力十分。また絞り込まれたサイドスカートが引き締まったボディラインを形成している。

エアロにより、ノーマルと見比べれば段違いのスポーティさ&洗練さを醸し出している。そしてレーシングストライプが断然似合っている。

二世代先を行っていたデュランゴのデザイン

 で、詳細説明の前に、当時のSUV復興のヒストリーを少し。1990年代後半から2000年前半にかけて起こったアメリカンSUVの大革命。それまでアメリカ特有の乗り物だったSUVが、欧州車にも飛び火し、各メーカーから矢継ぎ早にニューモデルが登場した。

 それによって、アメリカンSUVにも好影響がもたらされ、そして洗練され、それがまた新たな魅力となってラグジュアリーSUVといったニューカテゴリーを生むまでに一気に成長した時代である。エスカレードやナビゲーターの登場である。

 そうした流れの中からデビューしたミドルクラスSUV、ダッジデュランゴもこれまでの常識をことごとく覆し、ある種の革命をもたらした。それによって、日本でも一大ブームが巻き起こったのである。

 そんな初代デュランゴは2003年まで生産され(98〜03年型までの6年間生産されたモデル)、04年から2代目モデルに生まれ変わったが、日本ではいまだに初代の人気が高い。生産終了してすでに約13年が経ち、初代デュランゴのメインマーケットとなった2000年、2001年あたりの年式だとすでに17年以上落ちとなっているにもかかわらず。

 その理由のひとつが、いまだに当時のコンセプトを越えるSUVが登場していないことがあげられる。日本の道路事情にマッチしたミディアムボディに、固有のアメリカンV8を搭載、さらにダッジ特有のイカツさを備えたスタイル等…。すなわち、アメ車に求める理想像のすべてが詰まったSUVこそ、初代デュランゴだったわけである。

 さらにもうひとつ。初代デュランゴが登場した1998年当時のアメリカンSUVとは、まだ直線基調の無骨なデザインが主流を占めていた時代であって、丸みと抑揚あるラインを引っ提げて登場した流麗なるデュランゴのデザインは、まさしくマッスルそのものであり、当時の感性では「二世代ほど先を行っている」と業界中から賞賛されていたのである。

 だから二世代先を行っていたからこそ、17年経った今見ても、ついに時代が追いついた(?)からか、あまり古臭さを感じることがないのである。

 たとえば、以前紹介した角張ったボディのタホスポーツなんかは、ある種の郷愁を覚えるほど古さを感じさせるが(良い意味で)、デュランゴは今見てもあまり古さが感じられないのは、そうした登場時の先進性のよるものなのだろう。

 だからこそ、いまだにデュランゴに乗りたいと思っているオーナーがいることと、また長く乗っても古くならず、しかも豊富なアフターパーツで少しずつ手を加えることで、飽きも来ずに乗れるというわけである。

レーシングストライプが似合うSUVもそうはないが、硬派なエアロが醸し出すマッスルな雰囲気がトータルでにじみ出ている。

まるでシェルビーマスタングを彷彿とさせるボンネットは、さすがキャロルシェルビー。あくまでマッスルにこだわり、本気でマッスルSUVを具現化した仕様だった。

アメリカンレーシングの5本スポーク20インチホイール。深いリムと曲面とで構成されたスポークデザインが特徴。組み合わされるタイヤは、ヨコハマタイヤ。大径&偏平タイヤにもかかわらず、高級セダン並の乗り心地を確保しているのはKYBショックのオリジナル減衰力設定によるもの。

オリジナルチューニングでマッスルSUVへ

 しかも、そんなデュランゴでありながらも、キャロルシェルビー氏が開発に加わったSP360仕様となっている取材車両は、 まさにレア中のレア車ということになる。

 今回取材したデュランゴSP360は、2011年モデル。5.9リッターV8エンジンを搭載しているモデルがベースとなっているが、そこに当初はK&Nの吸気システムやビッグスロットルボディを組み合わせ、さらにトルクスペーサーを装着することで、レスポンスの向上や軽い吹け上がりを達成していたが、その後10年の時を経てへダースを装着し濃密なるV8サウンドとまるでスポーティカーのような吹け上がりの軽快感を発しているのである。

 もともとが245hp程度のV8だったが、生まれ変わったレスポンス良好なエンジンは、思い通りの加速力を見せつけ、SP360仕様の程良く引き締まった足回りはロールを抑え、常に安定した挙動姿勢を保ってくれる。

K&Nの吸気システムにビッグスロットルボディを組み合わせレスポンスの向上と軽い吹け上がりを実現している。

その後へダースをオリジナル製作し、上記パーツとの組み合わせにより濃密なV8サウンドを奏でるとともに、最高のレスポンスを味わわせてくれるのである。

リアのオリジナルエキゾーストからは、まるでスーパーカーのような野太いサウンドが発せられる。

気持ち良く速い。そして利便性が高い。アメリカンSUVの真骨頂である。

利便性の高いSUVベースであるからこそ価値がある

 トータルな走行性能が高い分、いかなる状況下においても、思い切ってアクセルを踏み込むことができるのが魅力である。このクルマを運転する以上、SUVだからといってフラストレーションが溜まることがないが非常に嬉しい。

 最近さまざまな最新アメリカンマッスルを取材して思うのだが、「刺激的なマシンかつ利便性を兼ね備えた理想的なアメ車」を考えるならば、やはりアメリカンSUVこそが最高なのではないか。

 最低5人の大人が快適に乗れて、エンジンは元をたどればスポーティカー系と同一。しかもパフォーマンスを上げようと思えば、いくらでもアフターパーツが存在する。もちろん2人、4人乗りのスポーティクーぺも楽しいのは間違いないが、一台ですべてをまかなわなきゃいけない父親には、最高のベースマシンではないかと考える。

 もちろん余裕があれば、マスタング、カマロ、チャレンジャーを買えばいい。だが、人生においてそういう買い物が許されない時期っていうのが、絶対にあるはずである(生涯独身を貫かれる方はその限りではないが…)。

 乗っていじって楽しいアメ車、そして刺激的。でもって人と荷物をたくさん乗せられる…。そんなワガママな要求を高い次元で実現させてくれるのがデュランゴSP360のようなアメリカンSUVではないかと思うのである。

シンプルなインテリアにホワイトメーターがスポーティな雰囲気を高める。

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