更新日:2017.07.25
文/編集部 写真/
1970年に登場したダッジチャレンジャーは、その年のSCCAが主催していたチャンピオンシップレース、通称トランザムレースへのワークス参戦を決めていた。
このSCCA(スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)主催のレースは当時、マスタングやカマロといったマッスル市場の販売成績に大きな影響をもたらしており、マスタングやカマロ追撃の挑戦者として登場したチャレンジャーもその恩恵を受けるべく、シリーズワークス参戦を余儀なくされたのである。
で、そのレース用ホモロゲーションモデルとして誕生したのがチャレンジャーT/Aだった。T/Aとはまさしく「Trans America」の略である。
搭載されたエンジンは、340キュービックインチのV8に3基の2バレルキャブレターで290hp、最大トルク340lbft(実際のレースには排気量制限がありディチューンエンジンが搭載された)。トランスミッションはMTとATが用意されMTに装備されたピストルグリップが有名である。
またボディには専用のFRPフードにボディストライプ、サイドエキゾーストが特徴だった。
なおこのT/A、レース成績は最高位で3位という実績のみで当初の目論見通りにはいかず、ワークス参戦も初年度のみの一年だけだった。というわけでこのT/A、一年のみの限定車両ということで、今となっては伝説のマシンとして語られることが多いのである。
そういう過去の逸話を持つマシンを積極的に復活(もしくは名前を使用)させてきたダッジは、2017年モデルとしてダッジチャレンジャーT/Aを登場させた。
ベースとなるグレードは、R/Tの5.7リッターV8とSRT392の6.4リッターV8HEMIであり、可能な限り過去のT/Aを彷彿とさせるデザインと装備で満たされている(392ベースのみ「T/A392」と表記される)。
この新T/Aには、サテンブラックのボンネットフードとフードピンが純正装備されており、ルーフやリアデッキリッドもブラックで統一されている。もちろんサイドストライプもブラックである。また標準よりも1インチ大きいモパー製20インチホイールもブラックで統一されている。
一方ヘルキャットに装備されていたヘッドライト横のエアスクープがT/Aにも採用されており、アクティブエキゾーストシステムと同様に吸排気系にチューンが施されている。とはいえパワー数値に変化はないが、固有の装備としては嬉しい限りである。
なおT/A392は、392ベースのサスペンションやホイール、ブレンボブレーキで構成されている車両にT/Aパーツが装着されている。
それにしてもダッジというかクライスラーというかフィアットというべきか、商売上手であるな~とつくづく思う。
次々とラインナップを増やしモデルチェンジを遅らせつつも魅力は絶やさずに販売を継続している。
まあチャレンジャー自体の歴史的インパクトの強さもあるのだろう。なんせ過去のチャレンジャーは「たった5年程度の存在」だったにもかかわらず今だに与えるその影響力はめちゃめちゃ凄まじいのである。
T/Aのデビュー後、デーモンが華々しく発表されヘルキャットのワイドボディが追加され、そろそろ現行モデルのモデルチェンジが囁かれるなか、この先、果たしてどんなモデルがラインナップの加わるのだろうか。
ちなみに、伝説のT/Aは一年限りの限定モデルとなってしまっていたわけだが、この新T/Aも同様に一年限りの限定モデルとなるのだろうか? ならば急がねば。
個人的には、マスタングやカマロといった新世代モデルのレベルの凄さを知りつつ、すでにパフォーマンス自体もさして驚くレベルではなくなっていることを承知の上で、あえてR/TベースのT/Aを新車で購入し生涯の友として墓場まで持っていこうかと考えている。
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