TEST RIDE

[試乗記]

毎年恒例のコンセプトカー出展はグラディエーターベースの6台

グラディエーター ベースのコンセプトカー続々

あの700hp以上を叩き出すエンジン搭載マシンも登場

ジープは、ユタ州モアブで開催される毎年恒例のイースタージープサファリに、6台のコンセプトカーを発表した。

更新日:2019.04.16

文/石山英次 写真/FCA

Jeep Gladiator Wayout <ジープ ウェイアウト>

 このイースタージープサファリは、現地時間4月13〜21日の閒、ユタ州グランド郡のモアブ国立公園で開催され、ジープの優れた悪路走破性が体験できるイベントとしてオフロード愛好家に人気である。

 そしてこのイースタージープサファリには毎年ジープから魅力的なカスタマイズモデルが出展され話題を集める。今年は、ジープラングラーのピックアップトラック、グラディエーターをベースにしたモデルが登場したのである。

 ジープウェイアウトは、冒険を求める人がより遠くへと行くことが可能なモデル。ウェイアウトにはフルルーフトップテントとカスタマイズされた広大なキャノピーが特徴である。荷台に装備されたベッドには二つのテントが付属し、琥珀色のLEDライトによって飾られている。

 サスペンションは2インチリフトアップされ37インチのマッドテレーンタイヤと組み合わされる。ボディにはシュノーケルエアダクトが装着され、ベッドサイドには2つの補助燃料タンク、さらにはタイヤ交換が必要な場合に備えて、ボディマウントホース付きのARB搭載エアシステムも装備されている。

 こういったもろもろの装備が、このクルマ1台で果てしなく遠くを目指せる、ということを意味しているのである。

まるでキャンピングカーのようなピックアップトラック、しかも悪路走破性はキャンピングカーなど歯牙にもかけない存在。それがウェイアウト。

荷台を普通に使い、その上に二人用のテントを備える。グラディエーターベースでしか製作できない。

テントを広げるとご覧のように。道なき道を行くジープならではの走破性とキャンピングカーの使い勝手を備えた究極のマシンである。

琥珀色に輝くLEDライトを照らせばご覧のように。

Jeep Flatbill <ジープ フラットビル>

 ジープグラディエーターフラットビルは、砂漠でオフロードバイクを楽しむためのマシンである。

 ボディは、アプローチおよびデパーチャー角を大きくするために、短いフロントバンパーを装備。クリアランスの高いフェンダーフレアが、ホイール&サスペンションの動きを最大限に活かす。エアダクトが複数あるカーボンファイバー製フードもフラットビルによく似合っている。

 足回りには、Dynatrac Pro-Rock 60のフロントおよびリアアクスルと4インチのリフトアップが組み合わされ、巨大なバイパスリアショックで大きなバンプを吸収する。フラットビルには40インチのタイヤが20インチホイールに組み合わされている。

 リアのベッド上には2台のダートバイク用のスペースがあり、スライド式の傾斜路によって出し入れを容易にしている。

自らのマシンで砂漠へ向かい、その地でオフロードバイクを楽しむためのマシン。

モパーパフォーマンスパーツによってエア吸入口が大きくなったボンネットフードを装備する。

リアのベッド上には2台のダートバイク用のスペースがあり、スライド式の傾斜路によって出し入れを容易にしている。

足回りには、Dynatrac Pro-Rock 60のフロントおよびリアアクスルと4インチのリフトアップが組み合わされ、巨大なバイパスリアショックで大きなバンプを吸収する。

Jeep M-715 5-Quarter <ジープM-715ファイブクォーター>

 ファイブクォーターは、1968年の「M-175」をベースにした軍用車。現代のグラディエーターにはない2ドアボディで構成されている。

 フロントマスクは、フルカーボン製のパーツに変更され、荷台もアルミ製のカスタムベッドに変更されている。

 一方、フロントアクスルは2インチ前方へ移動させ、サスペンションはリーフからコイルサスペンションに変更されている。フロントアクスルはDynatrac Pro-Rock 60、リアアクスルはDynatrac Pro-rock 80に交換され、タイヤは20インチのビードロックホイールは40インチの大きなタイヤで覆われている。

 で、このファイブクォーターに搭載されるエンジンは、「Hellcrate」と呼ばれる6.2リッターV8スーパーチャージャー。700hp以上のパワーを発生させる。

 いわゆる「ヘルキャット」と同機と思われるが、そのパワーを軍用車として活かすわけである。

カーボンパーツで構成されたフロントマスク。現代の軍用車といったコンセプト。

現代のグラディエーターにはない2ドアボディで構成されている。

インテリアもコンセプトに応じたカスタマイズが施される。ミッションもMT車ベース。グラディエーターにはMTが存在するから。

搭載エンジンは700hpオーバーの6.2リッターV8スーパーチャージャー。

Jeep J6 <ジープ J6>

 ジープグラディエーターは4ドアボディのみ市販されるが、J6コンセプトはより実用的な2ドアピックアップをイメージしている。デザイナーは1978年の「Jeep Honcho」へのオマージュとしてボディからペイントカラーからを意図している。

 4ドアを2ドアへすることによりドア2つ分の長さがなくなるが、その長さをベッドの長さにプラスすることで、市販のグラディエーターよりも12インチ長いベッドを持つことになった。それでもホイールベースは市販車と同じに収まっている。

 それでもぼボディカラー、フロント、スティンガーバー、スプレーインベッドライナー、LEDライト付きのスポーツロールバー等、試作品とはいえ、かなりの完成度を誇っている。

 5本スポーク17インチのビードロックホイールに37インチタイヤが組み合わされ、2インチのリフトアップが施されている。

販売されたら一番面白いと思わせた存在。

1978年の「Jeep Honcho」へのオマージュ。

Jeep JT Scrambler <ジープ JT スクランブラー>

 JTスクランブラーとは、1980年代のCJ-7スクランブラーのグラフィックとカラーパレットを現代のグラディエーターに使用して製作したレトロ感を漂わすモデル。

 ジープパフォーマンスパーツの17インチスロットホイールは、エクステリアカラーをテーマにしたブロンズカラーでカスタマイズされ、2インチアップのリフトアップキットによって、37インチタイヤを収める。

 ベッドの上にはスプレー式のベッドライナーとLEDランプの付いた白いロールバーが装備される。

 それにしても現代のジープとはいえ、オールドなカラーリングがよく似合う。さらにラングラーベースのピックアップ、グラディーターには、一段とこのスクランブラーが似合うのである。

ジープにはレトロカラーがよく似合う。

購入後のカスタマイズとしてもこの手はありだろう。

当時のスクランブラーとは、1981年以降に登場したCJ-7のロングホイールベースバージョンのCJ-8。CJ-7のホイールベースを10インチ延ばし、オフロード性能とレジャー的な使用を可能にした、ジープの中ではちょっとした異端児的モデルだった。

オールドなカラーリングとはいえ、サスペンション等の機能は最新だけに、悪路走破性は抜群である。

Jeep Gravity <ジープ グラビティ>

 グラディエーターグラビティのテーマは、ロッククライミングをテーマにした、より高い所を目指したという欲求を持っている方々の助けになる存在。装備されるモパーパフォーマンスパーツがその一助になる。

 2インチのサスペンションリフト、17インチのホイールに35インチのタイヤの組み合わせ。ベッドエリアには、マウントされたモパー製クロスレールがカーゴキャリアバスケットと連携して、ロープ、カラビナ、ヘルメット、靴などのロッククライミング用具の収納スペースを提供してくれる。

 グラディエーターのオープン走行を可能にしたこのグラビティは、2インチの円形スチールチューブドアによって守られるが、屋根もなくフロントウインドーしかない開放感に溢れたものになっている。

開放感に満ちたグラディエーターベースのオープントップモデル。ルーフもリアウインドーもない。

この車両のテーマは、ロッククライミングのようなより高い所を目指したという欲求を持っている方々の助けになる存在ということである。

Gravityとは「重力」。その名のとおり、重力を感じさせない存在ということなのだろうか。

ベッドエリアには、マウントされたモパー製クロスレールがカーゴキャリアバスケットと連携して、ロープ、カラビナ、ヘルメット、靴などのロッククライミング用具の収納スペースを提供してくれる。

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