とても片手では動かすことのできない重厚な鉄扉をこじ開けると、マットなオリーブグリーンを身をまとった1台のダッジラムバンが現れた。
旬な言葉で表現するなら「アースカラー」というのかもしれないが、実際のところ、それはまるで出征を待つ装甲車のようにも見える。周囲の空気をピンと張り詰めてしまうほどの緊張感と迫力は、このクルマにとっては名刺代わりなのかもしれない。
しかし、ウエアハウスから引っ張り出したラムバンには、もうひとつ特徴があった。それが衝撃的な存在感で主張するワイドボディである。
しかも完全オリジナルのワンオフ製作というのだから、強烈なインパクトを放っているのも当然だ。
「とにかく深リムを装着したかったんですよ。フロント10J、リア12という過激なサイズを装着することで、ラムバンカスタムの可能性を拡げたかったんです!」
そう語るのは、ラムバンのプロショップとして知られる8282スタイルの代表、富樫サン。
これまで販売やメンテナンス、そしてもちろんカスタムも数多く手がけてきた同店だが、それらはすべて一般的なラムバンの範疇を超えるものではなかった。
しかし今回の大胆なアプローチは富樫サンにとっても初の試みで、ある一線を超えなければ見えてこない新境地を目指すことを目標とした。
「プロショップでなければできないことをカタチにしたかったんです」というだけあって、構想から完成までに約1年を要したこのクルマは、8282スタイルの代表作となった。
もともとコンバージョンだったベース車両にコンセプトどおりの極太リムを装着するため、ボトムス部のエアロとランニングボードを撤去。さらにワンオフでオーバーフェンダーを製作しインストール。仕上げに5層のペイントでラットスタイルを完成させたというのが、あらすじだ。
もちろんこのクルマは誰にでも勧められるというレベルのものではない。しかし、このクルマを製作した8282スタイルの知識と情熱、そして高い技術力に関しては充分に評価できるはずだ。
8282式装甲車にとって最大の特徴でもあるワイドフェンダー+ランニングボード。ちなみに拡幅幅は前後ともボディから+95ミリというサイズ。つまり左右合わせれば190ミリものワイド化が図られているというわけだ。さらにリアに積まれた背面タイヤはリアバンパーから約285ミリとなる。
大きく張り出したフェンダーにばかり目が行ってしまうが、実は前後のバンパーもワイドボディ化に合わせワンオフで製作されるという徹底ぶり。
また構造上の問題で通常では収まらないサイズ(フロント10J/リア12J)ながら、足回りの大幅なリファインによってインストールを可能にしている。タイヤはBFGのRadial T/A( 前後295/50R15)をセットしている。
一方インテリアは、フロントは2脚のレカロシートとMOMOステアリングでタイトなイメージに。ベースがコンバージョンであったため2列目以降は多彩なアレンジが可能であり、通常の2列3列としてはもちろん、ワンタッチでベッドにも早変わり。アウトドアで活躍してくれる仕様である。
330,000円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
283,800円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
183,250円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋
272,800円
AUDIO&VISUAL
あとづけ屋